OLさんと猫のはなし

日向で寄り添う、寂しい二人。 #1巻応援

OLさんと猫のはなし 嵩乃朔
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

対外的には強い女として、孤独を抱えて生きているOLの伊勢見小春は、雨の夜に木陰で震える子猫を拾った……はずだったのに……。 人の姿と猫の姿を行き来する「化け猫(自称)」の幼女を、無碍にできないOLが庇護する……寂しい二人が寄り添う生活が、始まる。 ♡♡♡♡♡ 猫の人間変化といえば猫又が有名だが、あれは長寿の猫がなるもの。産まれたばかりのこの「化け猫」が、どういう存在なのかは1巻では明かされない。 そういうこと以前に、寂しそうな子猫を拾った小春は、そのヤンチャぶりや、考えの分からなさに振り回され、苛立ってしまう。 小春はそんな子猫を面倒臭いと思いながらも、つい孤独な子猫をかまってしまう。寂しさを抱える小春の相反する行動に、どうしても共感してしまう。 一方子猫の方は、常に何かに怯えている。少しずつ安心していく彼女……名前を付けられ、明るい笑顔を向ける瞬間の愛らしさが、心に染みる。 幾つかの出来事を経て、二人の間にはまだ、温かな信頼感が生まれたばかり。2巻に続く新たな展開が仄めかされるが、とりあえずはクルクル表情の変わる愛らしい猫耳幼女と不器用な保護者の、ぎこちなくも温かい交流に、優しい気持ちを貰いたい。

姫路城リビングデッド

本多忠勝、参上!武蔵vs信長!

姫路城リビングデッド 漆原玖
名無し

戦国武将マニアとか歴女とか御城マニアとか、 最近はかなりマニアックな趣味を堪能している方々が いらっしゃるようで。 自分はまったくそっちの知識も興味もありません。 東海地方在住でもあり、一般知識にプラスアルファで 郷土の武将達に少しだけ知識があるくらいで。 プロレスラーの藤波さんが御城マニアだそうで、 有名人が自分のマイホームについて語る 「俺の城」というTV番組から出演依頼が来たら 名古屋城とか松本城とか、御城について好きなだけ 語れる番組だと思って出演を快諾したとか。 そういう話を聞いても、あきれるというか なんでそこまで戦国時代に思いいれができる人がいるかな、と 疑問を感じるしかないのですが・・ 「姫路城リビングデッド」は、そんな私でも 冒頭の数ページを読んだだけで、 ああ御城って建造物としても凄いし、 大勢の人が色々な思いを込めて築城し、 何をどう考えて構築して、それを攻略するならどうしたらいいか、 そんな風に考え出したら止まらなくなる存在なんだな、 そう感じました。 確かに色々と浪漫を感じる存在だな、と。 そして最期まで読んで感じたのは 御城とは人民を守るためのもの、ということ。 けして城主の威光や権力の象徴ではない。 マニアが興味をもつにたる存在なのだな、ということ。 徳川が日本を平定し、太平の世が始まりかけたとき、 突然にゾンビが姫路城を襲ってくる。 しかも数十年前に死んだはずの信玄、謙信、信長などが 指揮をとり自らが先陣を切って攻め込んでくる。 迎え撃つのは伊賀忍者の末裔だったり宮本武蔵やその弟子。 そして城の守り神の依り代的な、城マニアの町民。 漆原先生が描く、その激闘シーンがこれまた凄くカッコイイ。 後に唐突に登場する本多忠勝なんて (イチ地元民としての偏見ですが) 料亭・柿安の前で銅像になって座っているだけの人 という印象しかなかったが、なんてカッコ良いんだ! 史実と浪漫がゴッタ煮になって沸騰しているような熱い漫画。 けれどストーリーはしっかりとしていて ただのトンデモ話ではない、よく出来た話が展開する。 戦国時代にリアルを求める人にも、浪漫を求める人にも、 SFチックなエンタメ的な面白さが好きな人にも、 是非とも読んでみていただきたい漫画。 きっと、それぞれ独特な感想を抱くと思います。

イケナイオトナ。

ヤサシイオトナに癒されるJK #1巻応援

イケナイオトナ。 能登山けいこ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

女の子達が大人の男に脅かされるのを見聞きすると、大人として、男として申し訳ないと思う。辛い思いをした子達が大人の男に警戒心を抱いたとして、怖くないよ、安心だよとは、私には軽々しく言えない。 彼女達に救いをもたらすとしたら……大丈夫な大人もいるよ、と自ら体現して見せる事から?……いや、男である時点で、それも難しいのだろう。 ○○○○○ コンビニで男性客に脅されているバイトの女子高生を助けた、優しくて勇気のある女性。三十路で特にパッとしたところもない彼女だが、その女子高生に惚れられてしまう。そしてその子をきっかけに、更に二人の女子高生が女性のもとを訪れ、様々に関わっていく。 三人の女子高生に共通するのは、大人・男に寂しさや不信感を抱いている事。大人や男に屈折した気持ちを持つ彼女達は、大人として子供を守る包容力と優しさを体現する女性に安心していく。 芽生えた女性に対する感情に戸惑う者、突き進む者それぞれだが、どんな相手の感情にも誠実に向き合う大人の女性の在り方に、学ぶ所は多いと感じる。 この作品を安易に「百合に目覚める」物語とするよりは、子供を大切に受け止める大人と出会えた女子高生達の、幸せとそれまでの不幸に思いを馳せる物語として、真剣に受け止めたい。 この「百合」作品を十代の子達が読んだらどう思うのだろう……聞いてみたい。

理不尽のみかた

空気な存在でも「味方」にはなれる

理不尽のみかた 柳原望
名無し

誰もが「理不尽なしうち」は経験する。 仕事でも、私生活でも。 そして漫画やドラマの中では、それらの理不尽を スカッと解決してくれるヒーローが多数登場する。 頼れる家族や仲間、プロフェッショナルな弁護士や医者。 仕事人や魔法使いやドラえもんなど。 だがこの漫画「理不尽のみかた」の主人公・佐倉縁は、 凄腕だとか敏腕だとか豪腕だとかの解決人ではない。 検察審査会事務局員。 ザックリ言えば裁判所の事務員さん。 不起訴になった案件について、その判断が適当だったか 再検討をする場の運営に携わる公務員だ。 佐倉自身が理不尽に白黒をつけるわけではない。 はなからそんな裁量や決定権がない。 むしろ、徹底して第三者でいなければならず、 被疑者側・被害者側、どちらにも利益を提供しては いけない立場の人間だ。 あえて言うなら問題に対して無力だ。 その場の空気でいなければならない存在だ。 普通ならドライな感覚に徹して、 仕事を事務的にこなせばいい。 いっそ、他人の不幸は蜜の味、と楽しむことも可能。 だが佐倉は自身も過去に体験した理不尽を引きずっており、 毎日毎日、目の前で繰り広げられる理不尽群像劇を 見せつけられ、かなり疲れていた。 そんな佐倉のアパートの隣の部屋に、 イケメン外国人留学生が越してきて、 成り行きでボランティア的に観光案内をしたり、 天然ボケに振り回されることに。 より疲れてしまう佐倉だが、偶然の作用もありながら、 迷惑をかけたりかけられたりしたときの 心の持ち方など色々なことを考えるようになる。 そして「なにもしない」とか「できない」とか、 「仕方ない」ということにたいしての、 自分なりの答えを見出していく。 主人公は理不尽に対してオールマイティな解決策や 必殺技を持っているわけではない。 だからといって無気力無関心には逃げない。 空気の立場で出来ることを模索し、 カン違いや結果オーライなだけなこともあるが 理不尽なめにあって心臓がいたい人を 空気な立場で「味方」になって支える。 また、その空気感が適度に(自虐的だったりもするが) 明るくて前向きで良い。 理不尽話を少しだけれど笑い飛ばせる。 ちょっと独特な「理不尽の見方」をする個性的な漫画。

思い出ごはん大賞 わたしの食卓物語

優しい気持ちになれる作品集

思い出ごはん大賞 わたしの食卓物語 魚乃目三太 幸宮チノ 美月李予 桑佳あさ 岩村俊哉 たかなししずえ 青菜ぱせり 井上眞改 フジヤマヒロノブ 斉藤ふみ 思い出食堂編集部 さかきしん 川田あきふみ しゅりんぷ小林 なかむらみつのり 天宮ケイリ 浅原かずよし 黒友みやこ クロ僕屋 サトウアタリ 高荷真弓 やまざき優紀 おーたまり
野愛
野愛

コンビニに売ってる分厚い漫画大好き。飯漫画ならなおさら大好き。 コンビニ行くとついつい買っちゃってた時期がありました。これに限っては電子よりも紙派です。 ひとりで食事と向き合う漫画もいいけど、人との繋がりを感じたり地元に帰りたくなるような飯漫画もいいですよね。 思い出ごはん大賞はまさに地元に帰りたくなる作品集。家族や友達に会いたくなる漫画です。 初めて喫茶店で食べたスパゲティとか、お母さんが作るお弁当とか、実際の美味しさ以上に心に残っているご飯ってあるよね…と自分自身の思い出も蘇ります。 わたしの地元の料理みそ貝焼きのエピソードもあるのでよけいに帰省したくなる…。 まだまだ遠出はできない状況が続いていますが、この作品を読んで優しい気持ちになって、家族や友達に連絡してみようかな?と思いました。

静かなるドン

これが男の仕事?は天才の仕事

静かなるドン 新田たつお
名無し

主語デカの老害感満載で、かつ雑な括りで申し訳ないんだが、昭和の漫画の頭の悪さって最近の漫画とは比べ物にならないよな。 静かなるドンが無料で読めたから久しぶりに読んでる。そんで、母親のブラジャーで声出して笑ったわ。「これが男の仕事?」って。まさしくこれは男の仕事だよ。女には作れない。だけどさ、よくよく読めばこのときの穴あきブラジャーの情報量はすげーと思うんだ。ヤクザの息子が会社での評価がよくなさそうなのにブラジャーを自作するくらい頑張ってるんだなとか、ただ壊滅的にセンスねぇなとか、でも授乳のためで下心とかはないんだなすげぇなこいつとか。冷静に読めば色々考えるんだ。もしかしたらこのコマはすげー考えられた上での一コマだったのかもしれない。 でも、こういう後からよくよく読めば考えられることってのは、母ちゃんの圧倒的な初見殺しで全部吹き飛ばされてたんだよ。旦那の葬式に別室で息子と二人、組の今後について真剣な面持ちで話してると思ったらおもむろに脱ぎ出す。この流れは背中の紋々を見せて「如来像の前でも同じことが言えるのかい」とでも言うのかなと思うじゃん。でも、飛び出してきたのは穴あきブラジャーと穴から覗いた綺麗な乳首と「これが男の仕事?」だぞ。笑うだろこんなもん。だけど、一つだけ強烈に伝わってくんのが、こいつブラジャー作る男じゃねーわってこと。ゲラゲラ笑いながらでもそれだけはわかる。天才の仕事だよ、このコマは。 俺はこういう頭悪いんだけど説明抜きの説得力みたいなもんがあってかつ笑えるのが好きなんだ。最近の漫画は良くも悪くも綺麗で穴あきブラジャーみたいなのはお目にかかれない。まぁ需要がないのかもしれないな。だからこうして久しぶりに昔の漫画を読むのが楽しいわけで。まぁ言いたいこととしては、みんな読もうぜドン。そんでブラジャーを見てくれよ。んじゃ、続き読んでくるわ。

ココログイン

あなたの心に、繋がりたい♪ #1巻応援

ココログイン こがわみさき
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

「ココログイン」という言葉がもう、ステキな発明だと思うわけです。 ゲーム世界を始め、何らかの特殊空間・時間軸に自己が接続する事を「ログイン」と言うなら、他人の精神、もしくは自分の内面の未知の領域に接続する瞬間を「心にログイン=ココログイン」と呼ぶのは、ちょっと冒険の匂いがしてワクワクする。 相手の心を探り、暗中模索しているうちにふと、隠れていた秘密に触れた瞬間を「あっ今、ココログインした」なんて言ってみるのは、なかなかしっくりくるなぁと、この連作集を読んで思ったりしました。 心の繋がらなさと、心が繋がる瞬間の諸相を描いた連作集『ココログイン』。優しく晴々とした気分をくれる。 ●Hocus Pocus 東北地方の高校に、方言を話さない転校生が転入。慣れない響きの言葉を使う者に対しての、微妙な距離感と憧れはいずれ……。 ●Träumerei(前後編) お昼休みの校内放送は誰が話している?秘密を巡る男子と女子とおじさん先生と。 ●Contact(前後編) ゲーム世界の友達とオフ会。リアルなコミュニケーションに自信の無い二人が、現実クエストに挑む! ●Grandma's Song(前後編) 好きだった祖母はボケたのかな……同じ魔法少女アニメを見続ける祖母は、私の彼氏に頬を赤らめ……どういう事!? ●My Place 滅多に家から出ない少女が気になる少年と、少女を守りたい隣人。 ●In Other Words 空を飛ぶ夢は不安の夢。そう告げる男子をじっと見る女子。思い当たる節はあるのだ。