菜子の色
高校2年生になっても初恋の相手・真ちゃんが忘れられない菜子。あれから7年──。小さな恋は、心の中で熱い想いにまで育っていた!! 幼いころもらったビー玉を今も大事に持つ菜子。そんな時、初恋の真ちゃんが転校してきた! でも、真ちゃんには彼女がいるらしい……。真ちゃんも、まわりもどんどん変化していくのに、菜子の心だけがあの頃のまま。いつまで続くんだろう、この想い。一途な菜子のラブ・ストーリー、第1弾!!
只野大学の伝説、男子寮の隣に建つ女子寮の2階の角部屋に住む女性は、代々そのときの男子寮に住む一人と必ず恋におちる――。男子学生たちは、その窓をひそかに「マドンナの窓」と名づけた。ロマンチックな伝説を持つ白鷺寮も、今ではすっかりおんぼろ寮、入寮者も洋介たち男3人のみ。しかしとうとうマドンナの窓の部屋に、新入生が入居してきた!!マドンナ争奪戦の勝者は誰!?
ハロウィーンをはさんで4旬節は、この世におけるありとあらゆる不思議の力がパワーアップする。そのため、妖精・魔法使い・竜・魔女など、すべての力ある者たちは、その季節を自粛してすごしているのだ。これを俗に、『魔法使いたちの休日』という――。
愛しのチィパッパ
中原家の長女の里子が短大を卒業し、新社会人としてスタートを切った。普通の家庭に生まれ普通に育った里子の、普通に始まった新生活。しかし父親の修三は平静を装いながらも里子のことが心配でたまらない。そんな父親の心配をよそに、恋に友情、仕事に励む里子。新米OL里子と、頑固で優しい父親・修三が繰り広げるハートウォーミング・ストーリー。女性セブンで連載され、1986年、高見知佳、植木等主演で映画化。
百の眼が見ていた
何の不安も陰りもない、平穏な日常生活に、ふと忍び寄る恐怖の影……。仲の良いいとこ同士、杏と沙紀を、ある日突然襲った忌まわしい事件とは!?――昔から言い伝えられてきた百眼鬼の怨念が蘇る!菊川近子の恐怖ロマン・コミック。表題作ほか、「過去を知る黒子」「天児の呪い」「黄泉への誘い」収録。
そばかすの少年
生まれてすぐに右手をなくし、孤児院に置き去りにされていた少年「そばかす」は、あらくれ男でもこわがるというリンバロストの森で番人として働くこととなる。仕事は、木材の境界線を残らず見て回ること。森の中をひとり歩いて回ることは、孤独と、自然との闘いであった。その決して優しいばかりではない日々の中、温かい人々と沼地に生きる動物たちとのふれあいを通じて、そばかすは逞しく成長していく。ジーン・ポーター原作、村岡花子翻訳の『そばかすの少年』を竹宮惠子が漫画化した感動の名作!!
イザベル
美しい母と共に叔父の農園に居候するイザベラは、叔母からは使用人扱いをされ、つらい日々を送っていた。そんなある日、母はよりよい生活を求めて、イザベラを置いて旅立っていった。「お金をためたらむかえにくるから」とだけ残して…。何年も母からの便りはなかったが、偶然出会った旅人から、イザベラは母の消息を知る。イザベラに惹かれていた従兄弟のアンリに誘われるまま、二人で母探しの旅に出るが…。ひたむきに生きる少女の恋を描く。
七年目のかぞえ唄
平和なたたずまいになつかしい家。それはいまもかわらない――なのになにかがうごめいている!遠い記憶の糸をたどりながら、セシリーの心の旅がはじまる……。幻想と怪奇がうずまくオカルト・ロマン。
瀬川杏は中学3年生。ドジでお人好しの杏をいつもフォローしてくれる速水祥とのくされ縁は中学2年生の出会い以来、今も続いている。ところが、突然祥は杏に黙って転校してしまう。杏は祥に会いたい一心で彼のいる高校に入学して、劇的な再会を果たすが…。
竹宮惠子先生の1巻完結の作品ということで読みやすそうだなと軽い気持ちで手にとったのですが、 若草物語や大草原の小さな家に通じるアメリカの古き良き時代と大自然を感じさせる本当に素敵なお話でした! 本当の名前すら持たない、片腕でアイルランド訛りの少年「そばかす」が、林業で賑わうアメリカはインディアナ・リンバロストの飯場で森の見回りとして働く物語。 自分を雇ってくれた支配人に恥じぬよう正直に一生懸命働き、リンバロストの森に棲む鳥や虫など様々な生き物を慈しむそばかすの姿に、周囲の人々はみな心を打たれ愛情をもって接します。 材木泥棒と鉢合わせ目をつぶれと持ちかけられたのを毅然と断り、殴りあったそばかすを、偶然居合わせ目撃した支配人などは 「なんてヤツだ! 美しい……神のみわざそのものだ」 と心のなかで讃えるほど。どれだけそばかすが素晴らしい少年なのかがわかると思います。(ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが本編を読めば全くそんなことないです) 「鳥のおばさん」と呼ばれる写真家のご婦人のために森で見つけた生き物や珍しい出来事を報告したり、賢く勇気と思いやりのある製材会社の令嬢・エンゼルに叶わぬ恋心を抱いたり(エンゼルが沼地を歩いたあとに残った足跡に、そっと板切れをかぶせて大切に残しておくなんていじらしすぎる)、材木の窃盗団に立ち向かったり…。 そばかすのリンバロストの森での生活は充実していて目が離せません。 最後には、そばかすの出生の秘密が明かされ物語はハッピーエンドで幕を閉じます。 この『そばかすの少年』は、アメリカの女性小説家ジーン・ポーターが1904年に書いた原作『Freckles』を、『赤毛のアン』でおなじみの村岡花子が翻訳した小説をもとに竹宮惠子先生が1982年に漫画化したもの。 この時代の少女漫画って言葉遣いが古風で上品で本当に素敵だなと思うのですが、海外小説が原作ということで台詞回しが輪をかけて魅力的で原作の小説も読んでみたくなりました。 【原作】 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309464077/