太田出版マンガの感想・レビュー169件<<12345>>どんな狂った願いも叶えてくれるクイズ番組国民クイズ 加藤伸吉 杉元伶一かしこ「民主主義はもういらないあなたのための全体主義」日本政府国民クイズ省がお送りするテレビ番組、国民クイズ。決勝クイズに正解すればどんな野蛮な願いでも政府によって叶えられ、それ以外の失格者はA〜Dランクの戦犯扱いされる。そんな狂ったクイズ番組に熱狂する人々が異常すぎて面白いのですが、司会者のK井K一の暗殺未遂をきっかけに、後半では反体制派が革命を起こそうとする話になります。実はK一も過去に国民クイズに出場していてB級不合格者の身なのです。反体制派の協力者になったK一の革命家としての変貌ぶりも見所ですが、熱狂にあおられた人々が選んだ結末が容赦無くて好きです。現実の日本で何か運動を起こしたとしても同じ選択をしてしまいそうでヒヤリとしました。「バカとゴッホ」でも思いましたが加藤伸吉の絵って読んでてすっごく楽しいですね。美味しいものへの愛で生きている愛がなくても喰ってゆけます。 よしながふみ野愛読むとお腹が空いてくるけど精神的満腹感を得られる不思議な漫画。 Yなが先生の美味しいものを追求するその姿勢に、マシンガンのように放たれる食レポと蘊蓄に、豪快な食いっぷり呑みっぷりに圧倒されて…いやあ食った食った、みたいな気持ちになります。 でもお腹は空いている。 食に対する姿勢の違いで恋人と別れたお話がありますが、これはなんかわかる気がします。美味しいを同じテンションで共有できるのって大事だよね…だって死ぬまで飯は食うもんね!と思いました。 愛がなくてもなんてタイトルにはなっていますが、ここまで愛して追求したくなるものがあるYなが先生かっこいいです。 うなぎとベーグルめちゃくちゃ美味しそうです。やっぱりお腹は空いている。山田参助先生もつるんとした美少年を描かれるんですね十代の性典 山田参助名無し「山田参助の桃色メモリー」と前後して描かれた作品ですが、女と男のエロよりも心理描写が深くて私はこっちの方が好きです。こんなにトキメクはずじゃなかったのに不覚にもキュンキュンしてしまいました…。前半の「愛と青春のハミガキ」「ヘルスの若大将」「こんにちは☆青大将」はBLっぽい要素が強めです。少女漫画みたいなホワワ〜ンとしたトーンが場を盛り上げてくれています。いいです!タイトルにもなってる「十代の性典」は今の山田参助先生のエロ描写の雰囲気が一番残ってるかも。エロティクス・エフで掲載されたらしいですがコメディーちっくなエロです。後半ラストの「若さでムンムン」はゲイコミックと言ったらいいのかな。濃いです!好き嫌いはあるかもしれませんが絵的な魅力があるのでグイグイ読んじゃいます。エロ以外にも漫画としての試行錯誤もたくさんあって面白いです。人語を喋るサルvs人間サルハンター ツギノツギオマンガトリツカレ男ツーリングの最中に恋人が急病になり救急車で病院にいく途中にサルに邪魔をされ恋人は亡くなりおまけにサルに「マヌケ」と言われた男とサルの壮絶な戦いを描いたマンガ。登場するサルは人間の女性の欲情したりと会話ができたりスニーカーを履いたりと進化しまくりだし、主人公の武器はヌンチャクだし全編通して誤植なのかそれとも実際のリアルさを出すためにそうなっているかわからないがセリフの勢いはむちゃくちゃすごい。途中からサル側につく人間や人間側につくサルなども登場してずっとテンションの高いまま物語がすすんでいく。 続きが読めるものなら読みたい傑作です エロ漫画です田舎 山本直樹名無しとにかくこういうエロ漫画が描きたいんだ!!という強い信念みたいなものを感じました。分校の人たちとも近いものはありましたが、こちらの方がシンプルで開放感がある。 あとがきでさらっと「現実と混合してはいけません」と忠告してるのが良かった。大事なことです。まごうことなくただのエロ…田舎 山本直樹名無しレッドみたいなものを期待して読んだら最後までただの田舎エロだった…! 少女が死んだ夢を見た時点で、やはりそういう展開くる!? と思ったら来ずそのあともエロだった 田舎景色が綺麗だなー!森の中に逃げた男の秘密とは…?逃げる男 オノ・ナツメ名無し森の中にはとある事情から逃げ出した男が住んでいた…。物語の導入はおとぎ話のような世界観なのですが、進んでいくごとに映画のようにかっこいいシーンがたくさんありました。ウィスキーなどの小物遣いも上手いし、ラストがすごくいいので、始まりは好みじゃなくても最後まで読むのをオススメします。オノ・ナツメ先生の絵のタッチはイラストっぽいのに色気があるのが魅力的だと思っていたのですが、多田由美先生との対談で影響を受けたとおっしゃっていて納得したことがありました。 人生が染みるお風呂オムニバス漫画おふろどうぞ 渡辺ペコ名無し渡辺ペコさんの短編ってすごく面白いですよね。この「おふろどうぞ」はお風呂が舞台になるオムニバス漫画です。色んな事情がある人々がお風呂に入ります。シリアスな環境にある人もたくさんいるのですが、淡々と丁寧にストーリーが進むのでネガティブな感覚には全くならないです。素っ裸になると人って弱さも丸出しになるんだな〜と思いましたが、そういう人に対して渡辺ペコさんの視点がとても優しいんだってことに今気づきました。個人的に一番好きなのは熟年不倫カップルが連れ込み宿で一緒にお風呂に入る話です。二人は大学時代からの付き合いで、理由は分からないけど結婚には至らなかったし、お互いに家庭も上手くいってるけど、今も大事に続けている関係で…というお話です。人生って深いいなと思いました。泡のような愛の物語集 ~その愛は祈りだね~殻都市の夢 鬼頭莫宏影絵が趣味舞台は近未来の都市か、もしくは、誰からも忘れ去られた過去の都市か。 この外殻都市は、都市の上に都市を重ねる形で成長を続けている。いったい、いつ造られたのかさえ定かではない。下部階層の劣化は激しく、このグラスを伏せたような形の殻構造がなければ、上部階層の安定はおぼつかない。いや、古い下部階層では、その殻構造の強度さえ低下している。 白を基調としたコマに、淡々として、きわめて抑制的なモノローグをそえて展開される七つの愛の物語。それは愛の物語であり、同時に、消えていってしまうものへの祈りの物語でもあると思う。 愛は、その形を定義づけた瞬間にも、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように、たちまち立ち消えてしまう。その一瞬一瞬を描くことに注がれた『殻都市の夢』には、痛々しい描写こそ数あれども、そこには不思議と慈しみの表情がある。それは消えていってしまうものへの祈りの態度であると思う。愛が、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように消えてしまっても、そこに愛があったことは永遠に変えられない。もはや触れることができず、干渉することができず、だからこそ永遠に不変のかつてそこにあった愛。それは消えてしまうのではなく、そこにずっと在り続ける、私たちが祈ることさえ忘れなければ。 川の水の流れるように、つぎつぎと積み重なる殻都市、あるいは私たちの記憶。その絶え間のない流れは、目に触れた先から流れ去っていってしまう。でも、いつかの川のせせらぎが陽光をきらきら反射させていたのを私はいまも憶えている。見せておきたい景色が、ひとつ、ふたつ、と募ってゆく。それをいつか誰かに話し聞かせたいと思っている、祈りのように。そして、モノローグはようやくセリフへと変わる。 これから話すのは いつか存在した 今では存在すら忘れられた都市 ひたすら上へ上へと積みあがっていった都市 目的もわからず 理由も定かではなく その行為に没頭した都市 そんな 都市の抱いた 夢の残滓の こと そんな 人々の 物語セクシャルマイノリティーの切なさおとこのことおんなのこ 米代恭名無し心も体も男だったんだけど、 病気?で胸が膨らんでしまったことからニューハーフバーで働く淵野辺壮と トランスジェンダーで心は女の菊名修次 この2人のドラマが短いんだけど心にすごい刺さる 「コミック焦燥」は凄いな秘密 カイトモアキマンガトリツカレ男古本屋で「コミック焦燥」を見つけて買って読んだが、全く知らない作家でなんとなく読み始めたらむちゃくちゃよかった。 「コミック焦燥」に掲載されている押見修造の「真夜中のパラノイアスター」もむちゃくちゃなすごいけどこれは違うベクトルですごかった。開始2ページ目にあるフレーズ「思春期」とは「イキジゴク」と読むらしいという文言で一気に持ってかれた。最終的なオチも含めてすごいよかった。 60年代のユニークな怪奇漫画完本 地獄くん ムロタニ・ツネ象名無し交通事故死した太郎くんは、死後に天国へ行くか、地獄に落ちるかをさばかれる"さばきの広場"で閻魔大王と対面します。太郎くんは、あと一回だけお母さんに会いたいという願いを叶えてもらう条件として閻魔大王から与えられた、地獄から人間界へ逃亡した110匹の地獄怪獣を退治するという使命を果たすめ、地獄太郎として人間界へと戻ることに。 その人間界には、地獄へ落ちる予備軍とも言えそうな悪者もたくさんいるのですが、彼らが地獄怪獣と遭遇して危機一髪のところを地獄太郎に助けられ、最後は一団となって怪獣退治するという場面は、太郎くんの心の美しさと勇敢さに悪者を改心させる力があることを感じさせるものでした。 この作品は1967〜1968年にかけて発表された怪奇漫画で、古臭い画風とおどろおどろしいタッチで、表紙を見ただけで嫌厭してしまう人も多そうですが、実際にはコミカルでユーモア溢れる場面もたくさんあって、楽しく読み進めることができます。もとはハンサムだったのに、事故により醜い様相に変わってしまった地獄太郎も、次第に可愛く見えてきてしまうのは、作者のキャラクター作りの巧みさのなすところでしょう。ちょうど同じ頃に発表された楳図かずお先生の"猫目小僧"と太郎くんの容姿が重なるのも、猫目小僧ファンの私にとっては興味深い点でした。コロナ禍の状況と重なる方舟 しりあがり寿hysysk※ネタバレを含むクチコミです。 ほっこりするけど下ネタです!笑僕とおませちゃん 柘植文名無しませちゃんとヒロ君(盛乳小学校の2年生)のやりとりが楽しい漫画です。内容はソフトな下ネタから大人をドキッとさせるものまであり、小中学生が気になって仕方ないような、誰でも親に聞いてしまうような事柄です。おませな可愛らしさがあり、いやらしくない所が良いですね。愛すべきマリオとなりの外国人 宮本福助名無し観光で来る外国人が増えた日本、マリオのように日本が好きで引っ越して来る人も少なからず居るはず。そんな日本ファンの一人、マリオが楽しくて面白い。時代劇で習ったという日本語が上手過ぎるとは思うけれど、とても粋な設定だと思う。確かに外国人は敬語はあまり使わない、しかし誰に対しても時代劇のタメ語には笑ってしまう。お餅を白い悪魔と呼び、皆で入るこたつに愛着、忍者を信じて駄菓子を買わされているマリオ(笑)。イタリア人にとって日本は全く違う文化を持った国。それにいちいち感動してくれるマリオが愛おしくなる。外国に興味のある人には特に面白い。昨今、誰もが外国人に会う機会があると思うので是非多くの人に読んで欲しい作品。 近年稀に見る残念男子の成長と恋関根くんの恋 河内遙名無しクールで鈍感、天然で受け身、器用貧乏で容姿端麗で凄くモテる主人公関根くん。 世にも稀に見る残念男子が自分の趣味を見つけようと編み物教室(マジック教室?)に通い、そこで気づかずながらも恋をする話 あまりに無関心で殻に籠りっぱなしの関根くん、そんなの関係ねぇとばかりに干渉してくる店長のお孫さん。 そこで少しずつ喜怒哀楽を見せる様になるが自分の感情にも無関心だった為になかなか自分の感情にも気付けずもどかしい。 いざ好きな人が出来てもアプローチの方法が分からずしどろもどろですが不器用ながら頑張る姿も愛らしい。 そんな残念男子関根くんの成長と恋模様を描いた話、母性本能をくすぐる様な可愛さとクールさを絶妙にマッチさせる表現力と絵のタッチがとても合っていて面白いです。 理解できたのかどうか自信は無いライチ☆光クラブ 古屋兎丸名無しエログロとか耽美的世界とかには興味を感じなかった。 触れることを強要されるようなジャンルでもないし、 幸いにして触れる機会も無かったし、 なので喰わず嫌いかもしれないとも思いながら ほとんど関わらずに過ごして来た。 例えば、自分は松田優作が好きだったが、 アクション物や文学作品的なものは見たけれど、 「陽炎座」は「まあ・・無理に見ないでもいいか」 と思って、未だに見ていない。 鈴木清順作品だからとか、耽美的だとか聞くと 自分の好みではないだろう、 自分には理解できないだろう、と思って。 で「ライチ☆光クラブ」 何回か「あれは凄いよ」という評価を聞いた。 「グロイけれど凄いよ」「耽美的だけど凄いよ」 との評価だけれど。 なので「喰わず嫌いなだけだったら損だしな」 という動機が半分で買った。 買っては見たものの、数ページ読んだあたりで 「まあ・・無理に読まないでも」 と思って本を閉じるのを繰り返していた。 結局、購入から2年以上たって、いつまでも読まないのもと 一気に読んでみた。 読んでいる最中は、正直、買ったこと読んだことを 少し後悔した。 多分、死ぬまでにもう一度読むかというと、 読まない可能性が高い。 ただし、最終回前後のシーンだけは、 「これはオレの全く知らない世界だな」と、 こういった凄さ、こういった美もあるのか、と、 ああこれが耽美的ってやつなのかな、と、 感じるものはあった。 まあ「ライチ☆光クラブ」ほとグロくない作品であれば、 耽美的といわれる作品も、また見てみようかな、とも思った。いろんな愛の語り方があることを教えてくれるマンガリストランテ・パラディーゾ オノ・ナツメTKD@マンガの虫老紳士たちの色気に男の僕も やられてしまいました… 老眼鏡をかけた初老の老紳士だけが働く レストランで働くことになった 主人公ニコレッタの視点で進む今作 ノーマルな彼女が次第に老紳士に ハマっていく過程が描かれているので 最後の方には男の僕も思わず 「キャー!!」と黄色い歓声を心の中で 挙げてしまいました… メインのクラウディオも素敵な紳士ですが、 僕が好きなのはソムリエのジジです! 多くを語らず、ワインで愛を表現する 彼の美学に思わず酔いしれてしまいました しかし、よくよく考えるとジジに ワインで愛を語らせているのは 作者のオノ・ナツメなので、 「やっぱりオノ・ナツメスゲェな!」 となってしまいました。 男性が読んでも勉強になる モテ学が満載なので 素敵な紳士になりたい男性は必読です!赤毛のアンみたいにします!からできた作品らしい。アホか!?????ブラッドハーレーの馬車 沙村広明名無しネタバレはしない。しないけど、ほんと地獄みたいな話。なのに…… 巻末で編集長に「赤毛のアンみたいな話にします!」と宣言して描き始めたとある。全然違うのに登場人物の名前だけは寄せるのやめろw 沙村広明めちゃくちゃアホなのでは?? けど悔しいことに話は面白い。やはり天才か…… 中村明日美子先生の傑作サスペンスウツボラ 中村明日美子かしこ※ネタバレを含むクチコミです。あいつは稀代のフェロモン野郎だよ関根くんの恋 河内遙かしこ河内遙とエロティクス・エフはとんでもない怪物を生み出しております。 完璧超人かと思ったら自分の気持ちに無自覚でうっかり泣いちゃうとか。おいおいおいおい何泣いてんだよ!喜、と思ってしまいますね。女の子はみんないじわるだと誰かが言っていましたが、関根はそういう欲望を満たしてしまう才能があるんだと思います。みんなでもだえましょう。森山塔が山本直樹になる過程極めてかもしだ 山本直樹さいろく当時森山塔というペンネームで成人漫画を描いていた山本直樹御大が有害指定された作品第一弾(多分)。 あくまで学園ラブコメなのだが80年代の作品なのでノリが当時のものなのでそこが許容できるのであれば高身長ナイスバディなヒロインかなめ×ちびでスケベで根性なしなのに…な主人公かもしだ君のコンビは結構楽しめるのではないかと思う。 ただ、有害指定されるだけあって主人公の妄想シーンや学生である彼女たちに平気で手を出そうとしてくる大人たちはかなりヤバいものを感じる。でも当時結構そういうノリあったんだろうなーと思う。 当時のTVはとんねるずを筆頭にバラエティも今思えばかなりゲスい内容(当時悪いと思っていたかは置いといて)が多く、ドラマ&映画の「高校教師」は超話題だった。それを漫画で5年前にコメディでやってたのが山本直樹だと思えばそういう内容だよね、という感じ。 この頃から女性を斜め下の角度から描く(お色気シーンだけではなく)画角が多く、山本直樹の根底は全て揃っているのではないかと思う。 最近のREDとかと比べるとこの頃はだいぶ線が細く、ライトな印象で読めるとは思う。 これまでと違うテイスト虹ヶ原ホログラフ 浅野いにおさいろくこの後にもあまりない、ちょっぴりファンタジーが入った作品。 ダークさは割と強い(プンプンほど怖くないと思うけど、深く考えるとゾッとするところが結構あるので考察するかどうかはお任せします) あと浅野いにお作品ではモブじゃない少年が出てくると大人が痛い目にあう気がする。 痛い目にあうのは少年含む弱者じゃない方が個人的には良くて、そういう正しさが守られていると「よし!」と思える。他作品思い出さずに書いてるけど。 なんか月並みですが「一本の映画のよう」なきれいなまとまり方をしていて、読後感も良かった。 私は浅野いにお作品は全部好き。ヴィレヴァンは特に好きじゃない。アジカンも別に好きでもない。 好みは人それぞれだと思うが全部好きじゃないとサブカル好きとして認められないのかもしれないがそもそも私はサブカル好きという自覚はない。 漫画好きなら漫画作品でだけ浅野いにおに触れたら十分だと思う。もちろんハマってそこから派生した何かしらに触れていくのはファンとして正しい姿勢だし、世界が広がっていく事にも繋がると思うのでソラニンの映画を観て和泉多摩川に行った帰りに下北沢の屋根裏(ライブハウス)にでもふらっと入って一杯飲んで帰ったりすればいい。 脱線しましたが、本作は非常に試験的な要素がいっぱいござるのでそういった意味でも「こいつおもしれーな」と思わせてくれるに違いない一冊です。おすすめ。 自分の中では「おやすみプンプン」以前と以後ではだいぶ異なると思っている。 「何言ってんだこいつ」と思う人は読み比べてみて感想を聞かせてください。夢のような日々分校の人たち 山本直樹野愛水の中にいるような気持ちになった。 永遠に続いていきそうなほど透明で、でも息苦しくて、ずっとここにはいられないんだなと思った。 3人の少年少女がただひたすらエロいことをするだけの話です。親たちはカミサマの集会とやらで夜中まで帰ってこないから、家で、風呂で、学校で、山で、エロいことをし続ける。 恋とか愛とかが介在しない、ある意味で純粋な感情。 何もないのに3人を取り巻く状況がちょっと不穏で、でもその不穏さも当たり前のようにすぎていって、3人の秘密も夢のように消えてしまう。 彼らはどんな大人になるんだろう。誰かと恋愛をして、セックスをして、子どもを持ったりするんだろうか。 この夢のような日々を引っ張り出して眺めたりするのか、閉じ込めて忘れてしまうのか、取り戻そうとするのか… 読み終えてからそんなことばかり考えてます。 DOORSはどう受け止めていいのかよくわからず何度も読み返してる。わたしにはラムネがないので飛べないな<<12345>>
「民主主義はもういらないあなたのための全体主義」日本政府国民クイズ省がお送りするテレビ番組、国民クイズ。決勝クイズに正解すればどんな野蛮な願いでも政府によって叶えられ、それ以外の失格者はA〜Dランクの戦犯扱いされる。そんな狂ったクイズ番組に熱狂する人々が異常すぎて面白いのですが、司会者のK井K一の暗殺未遂をきっかけに、後半では反体制派が革命を起こそうとする話になります。実はK一も過去に国民クイズに出場していてB級不合格者の身なのです。反体制派の協力者になったK一の革命家としての変貌ぶりも見所ですが、熱狂にあおられた人々が選んだ結末が容赦無くて好きです。現実の日本で何か運動を起こしたとしても同じ選択をしてしまいそうでヒヤリとしました。「バカとゴッホ」でも思いましたが加藤伸吉の絵って読んでてすっごく楽しいですね。