ゆゆゆ2024/02/11モラハラ男は変われるのか息をするように、全方位に向けて「THE 昭和の男」を放っていた主人公。 行動を振り返ってみても、Aに気づいても気をつけてもBに気づかず、Bに気づいて気をつけてもCがあり。 とどまることを知らないモラハラは続く。 素敵な料理を求めるなら、自分で作るべきだ。時代は平成でもなく令和だ。 一方、彼女のほうもハイスペックな男と素敵な結婚生活を送るため、幼き頃から鍛えに鍛えた家事や運動能力、そして交友関係。 ハイスペックを隠したハイスペック彼女。 どうしてそいつとそんな相手と付き合った?と思うも、ハイスペックを狩るために生きてきたから、立ち止まることに気付けなかったのかもしれない。 考えれば我々の日常生活でも、相当なことをしできた人に対して「ゴメンネ、モウシナイヨ」の言葉ひとつで受け入れられるかというと、なかなか難しい。過去は焼印のようについて回ってくる。 それでも、読んでいる我々は彼及び彼女の変化を認め、受け入れることができるんだろうか。 そして、ぷぷ昭和wwwと思いながら読んでいる自分も、周りからそう思われてはいなかろうか。 煽りタイトルなのに、深い。じゃあ、あんたが作ってみろよ谷口菜津子8わかる
ゆゆゆ2024/02/10違う世界に足を踏み入れてしまったような本棚に秘められた宇宙。 文字列がビジュアル化すると、個性的な本たちの一群はカオスと化す。 最近、会話もなくなった娘の趣向をしろうと部屋に忍び入り、本を読む父。 タイムリミットは娘の帰宅時間。 大丈夫、父にはビジュアル化されるタイプの速読術がついている! 休日なのか平日なのかわからないけれど、娘より帰宅が早いタイプの父らしい。 ちょっと癖のある趣向を持つ娘の本棚が、父によって次々とビジュアライゼーション! というかたちで、突拍子もない一話完結型短編が次々と現れる。 いやほんとに突拍子もない設定&展開で、読んでいると自分がおかしいような気がしてくる。 『マチ姉さんの妄想アワー』もマチ姉さんの妄想ということで、突拍子もない昔話やおとぎ話が繰り出されていたけど、本作は舞台が世紀末からSFから恋愛モノから推理モノから色んな方向から小話がやってくる。 理解が追いつかず、99話の龍造寺先生よろしく、「っひゃっひゃっひゃ」と言う気持ちになる。 毎話毎話、発想力がすごい。 ちなみに私は、世紀末世界を舞台にした「93話」のトニオバギーの話が好きだ。本田鹿の子の本棚佐藤将3わかる
ゆゆゆ2024/02/09猫と竜と人間とやたら強い熊がいる世界の日常猫、猫、猫! 猫がいっぱい。 しかもしっぽで魔法を使う。 ケットシーというらしい。 なにかが始まるような、始まらないような。 毎日のちょっとしたことで、未来は変わっていく感じ。 魔王を倒しに向かう勇者たちではなく、そういう世界に住む竜と猫の話。 ファンタジー世界の日常系というんだろうか。 登場する人たち、みんな猫ラブなかんじがする。猫と竜佐々木泉 アマラ 大熊まい2わかる
ゆゆゆ2024/02/09誰の心の底も見えない。貴族社会、こわい。大量殺人&放火をした極悪人ネネオの前では、ほわほわのほほんとした追放令嬢のフレイヤがかわいい。 そんな彼女に癒やされている、男二人もとても良い。 ネネオの傷を隠していたものは2巻でペリッと剥がされ、過去の傷が少しは癒えて生きていきやすくなった。 3巻以降はフレイヤの番ということだろうか。 ほわほわのほほんとしていたから、腹芸なんぞできるのかと思ったら、さすが本家筋の大令嬢。 ちゃんと言うことは言えていた。 義姉が単なる極悪な性格の姉だったら、もっと勧善懲悪展開ですっきりしたのだろうけど、そうでもなさそう。 しれっとひどい言葉を言い合うのに、誰も腹の底を見せない。 イラストはとてもきれいで、笑うフレイヤはとてもきれいで、きっと顔立ちが似た義姉も笑んだらとても優しい顔をしている。 ネネオはいい加減にフレイヤの名前を呼ぶべきだけど、身分差のせいなんだろうか。 4巻発売が楽しみ。雪と墨うの花みゆき1わかる
ゆゆゆ2024/02/07交番勤務のシーンが少ない?交番やパトロール以外にも、特別捜査本部にいたり、機動隊にいたり、交番勤務のおまわりさんはそんなに忙しかったなんて。 交番にいるおまわりさんはいつも同じ人と思っていたけど、実は違ったんだろうか。 そのくらいこの人たちは交番にいない気がする。 こち亀の両さんたちが交番に居すぎるんだろうか。知らない世界のことはわからないものだ。 本作は、すごく美人で毒舌の先輩と、「やめてやる!」と言いつつ続けながら辞めずに働き続けている天然で毒を吐く主人公。 二人のコンビがとても良い。 周囲の警官をまきこんで、漫才なのかコントなのか、テンポよく笑わせてくれる。 犯罪に関してもためになる。 最初の方にあった、「なんでルールを守らなければいけないの」は、なるほどなと勉強になった。 女警察官が主人公で、スポ根でもなく、お色気でもなく、恋愛でもなく。 ブラック勤務の辛さがにじみ出ているあたり、とてもリアルだ。ハコヅメ~交番女子の逆襲~泰三子4わかる
ゆゆゆ2024/02/06知らないものは怖い。想像できないものは怖い。まず、擬音表現が怖い。 ジョジョだとゴゴゴとか書かれているアレ。 シャワシャワシャワシャワって、小さく1列にたくさん書かれていて怖かった。 頭をワシワシする音かと思ったけど、セミがものすごく鳴いている様子が正しいのかな。どちらにせよ、怖い。 気味が悪いシーンのあと、先生の顔を隠して、やたらリアルに口だけ描かれていたのも怖かった。 男二人が周りの女の子に恋愛感情抱かず、二人の秘密を共有してはいるけど、二人の間でキスすらしているわけではない。 すごく仲の良い友人ともとれる関係性。 ホラーは的を得たジャンル分け。すごく怖い。 光から出てくるやつ、怖くて直視できない。光が死んだ夏モクモクれん1わかる
ゆゆゆ2024/02/06ガワは人間、中身はスライム。サディズム全開の聖女の体で生きることになったスライムくん。 前聖女のコントのような極悪非道さと反対に、感受性豊かで清らかすぎて、以前を知らぬメイドの心を鷲掴み。 笑顔もとろけるほど素敵(前聖女を知る者からすると、意図わからぬ恐怖の笑顔)。 育ち盛りなのか前菜の肉にメインの肉、肉を食べたいお年頃。 肉からお茶から、食レポも非常に上手。イモムシしか食べられなかったのはかわいそうに思えるほど、味覚は鋭敏。 美味しいものを食べられる階級の人間を乗っ取れて、よかったね。 前聖女を毒殺した犯人一派のひとりが、服を着た黒タイツの男風に描かれていて、クスっときた。コミカライズ担当さん、芸が細かい。 今おすすめしたい、これからきっとおもしろくなる漫画。スライム聖女午子 八緒あいら2わかる
ゆゆゆ2024/02/05全裸になったり、イチャイチャしつつバトルしたり。ヒーローのアンディは、スーパーサイヤ人3のような顔面と肉体とオールバック。 ひょろっとした健康そうなイケメンと思っていたキャラクターはヒロインの風子だった。 全裸にならない方法ができても、気がついたらまた全裸が標準になっている、全裸系キャラクターのアンディ。 第一話では、読者がまだノリを掴みきれていない中、スッポンポンのまま女の子に迫る状況をつくりだし、一般人に警察へ通報されていて、笑ってしまった。あからさまに危険な状況だから、通報した人はすごく正しい。 その後も油断したらアンディは風子の胸を触ってたり、風子にキスされたり、抱きつかれたり、首をちょん切られていたり。 二人の掛け合いが素敵だなーと思っている間に、互いを思う気持ちと、風子の強さはどんどん強くなっていっていて。 ウオオオオと熱高まったところで第一部完。 続く第二部は各キャラクターに焦点が当たっている。 まさか、仲間を増やすために、宇宙へ行ったり、天下一武道会したり、学園モノになったり、ラーメンバトルをしたりするとは思わなかった。 ストーリーは進んでいるんだけど、展開がとても自由。発想力がすごい。 私は戦うだけの漫画はすぐに飽きてしまうのだけど、飽きさせてくれない。 よく話題に上がっている理由がよく分かる。 そして、第一部よりいろいろ強くなった風子のヒーローっぷりたるや、恐るべし。 たらし気質はそのまま、男前。男前というか、てやんでい。 守られるだけじゃないのよ、という存在感に年月の重さを覚える。みていない間に何があったんだろう。 あと、グッズってあるのかなと思って調べたら、アンディのモザイクTシャツが出てきて、笑ってしまった。ちょっとほしい。アンデッドアンラック戸塚慶文2わかる
ゆゆゆ2024/02/05ネタバレえ?読切?!数ページの話が綴られたオムニバス形式のせいか、その世界観のせいか、読み終わったあとで、来週はどんな話かなと思ってしまった。 読切かー。そうかー。でも連載あるかもなー。 むしろ、連載してほしい。 驚いたのが博士の免状。 氏名はなし、生年は不明。 やっすいラミネの質感はわからないけど、読むしかできない読者でもそこの違和感はわかる。 本物なのか、どうなのか。 タイトルにもなっているから、えーっとどっちだ?! あと免状で「◯◯の場合2割引」と書かれているものの、◯◯がはっきりと読めなくて、笑いを一つ損している気持ちになる。 最後の1話も最後までおもしろかった。 飲んでないのか、博士も。博士七段肋骨凹介1わかる
ゆゆゆ2024/02/01天使と悪魔、ハラグロラブコメゲスな天使と、心根優しい悪魔による、腹の中は互いに隠したラブコメ。 人間もなかなかハラグロなキャラクターがいて、ラブかつコメディしているので、天使と悪魔以外もハラグロラブコメ。 第一部まで読んだところの感想だと、相手が自分を好きになるように仕向けるというのは、よくあるテーマよねと思える。 でも読んだきっかけである、アニメ(24年1月放送開始)のPV(しかも第二弾)を見たときは「これって、かぐや様…」という感想が消えなかった。 いや違うかもしれないと思い直し、原作を読んでみた。 最初の数話で、「いや、一緒だろ!!」というツッコミを入れたくなった なお、あからさまなかぐや様シーンはオマージュだったらしい。 ヒロインのリリーが以後禁止を伝えていた。 そう、きれいな絵柄なので忘れがちだけど、これは(ラブ)コメディマンガ。 オマージュは他にも見つけたけど、きっともっと散りばめられている。 単なるラブでも、ファンタジーでもなく、ラブコメ漫画だ。 絵柄がきれいなので、とてもエッチにみえるシーンもあるけど、ラブコメ漫画だ。 偏見をもって読み始めてしまったけど、偏見が吹き飛ぶほどおもしろい。愚かな天使は悪魔と踊るアズマサワヨシ3わかる
ゆゆゆ2024/02/01対悪魔用兵器リーリヤ本編でもしばし阿久津に対して胸を揉むか聞いていたリーリヤ。 穴はあるけど人ではない。 冒頭、その言葉と穴の絵とともに、三種の人器と描かれていて笑ってしまった。出だしでやられたので、これは良いコメディと思った。 リーリヤは寄主であるリリーの性格・判断・行動などの性質を継いでいるそうだけど、本編と変わらずどこか抜けている。 リリーも育った環境が違えばこうなっていたんだろうか。 スピンオフでは、普段は見られないプライベートの二人の生活が見られる。 性に目覚めたリーリヤが、すごくおもしろい。 中学生男子のような勢いで、性に結びつけていく。 そして言動は親なのに、見た目はちびっこのリリーもおもしろい。 ちなみに寄主のリリーは天使のようなかわいらしさ。 そしてリーリヤの顔はリリーそっくりで、さらに胸はリリーより大きく、背はリリーより高く、スタイル抜群。 ちなみにスピンオフ作家さんは、原作とそっくりな絵で連載されている方もおられるけど、この方は違うようだ。 デフォルメ風なテイストが、想像するための余白とコメディ感を強めてくれていて、そこがまた良い。 むしろ、この方の絵柄でないと、「ドタバタエロコメディ」でなく、すごく卑猥な作品になってしまっていたと思う。ほどよくシンプルってすごい。 アニメ化しているとのことで、原作を読んでみたらおもしろくて、検索したら出てきたこのスピンオフもおもしろかった。 兵器に意思は必要なのか、なんて哲学を忘れさせてくれる。 このリーリヤをみると、原作のほうで初めてリリーから出てきた時、ほんとにびっくりしたんだろうなと思えて、フフと笑ってしまう。愚かな天使は悪魔と踊る スピンオフ みだらな素体は性に目覚めるすいみん2わかる
ゆゆゆ2024/02/01かわいそうかわいい変態先生タイトルが妖怪学校で、先生の名前が「安倍晴明(あべのはるあき)」で、あらパロディのギャグマンガかしらと読んでみたら。 先生はセーラー服好き(でも着ている中身には興味がない紳士)で、おそろしく不幸体質(疫病神がいなくても不幸)、さらに度胸がない(セーラー服がかかっている場合を除く)という、変態でした。 現代を舞台にした妖怪もので、一番現代感あふれている要素、セーラー服。 他のキャラクターも濃いのに、先生のアクの強さとセーラー服愛が強すぎてかすんでしまう。 名前の通り由緒正しき神社に次男として生まれたのに。 そんな先生がもつ、紳士な性癖。セーラー服。 思わずセーラー服と書いてしまう。 試しに一巻を読んでみたら、美男美女の妖怪が出てきたのに、セーラー服しか記憶に残っていない。 忘れられたら消えてしまいそうな彼らの存在を上回るなんて、さすが退魔の血筋。妖怪学校の先生はじめました!田中まい2わかる
ゆゆゆ2024/01/30なぜ今じゃりン子チエを読むのか令和になって、若者の間で人気が再燃しているらしい。 作者さんの子供時代の背景が含まれた漫画と考えると、「ちびまる子ちゃん」と似たような感じだろうか。 言葉が悪くても、子どもが働いて親を養っていても、よくみたら周りの大人で全うに働いている人が少なくても、身内に対する優しさが感じられる。 ちなみに私がじゃりン子チエを知ったきっかけは、ある日突然、父親が買ってきたゲーム。 なんじゃこりゃと尋ねたら、父親がこういう名前の漫画があるんだと説明してくれたと思う。 チエちゃん視点のゲームだったが、何をしたら良いかわからなくて、堂々めぐりを繰り返した。 小学校低学年には難しく、ほぼ進まなかった。 でもあのホルモン焼き屋の内装と外装、みんなチエちゃんに優しかったことと、小鉄は覚えている。 「じゃりン子チエ」についてはゲームくらいしか知識がないまま今にいたり、なんとなく読んでみたらおもしろかった。 関西弁と人情物というと「大阪ハムレット」も良かったけど、より元祖というべきこちらもとても良い。じゃりン子チエ【新訂版】はるき悦巳5わかる
ゆゆゆ2024/01/29半端な鬼と人とのピュアなラブ悩めるふたりの行くすえを見守る感じがとても良いです。 同性愛を禁じられたものとして考えられ始めたのは文明開化のちキリスト教的考えが広まったあとと聞いたことがあるので、江戸時代を舞台とする本作はBLだけど、作品の世界的にはそういう趣向の人もいるよねという受け入れられ方なんでしょうか。 現代ものBLによくある「男同士なのに」とか「周りの目が」のような、男女の仲では描かれないオプションがなくなるので、感情の寄り道が減っている感があります。 見世物小屋や鬼の話もあるので、むしろ、それがあると話が複雑になりすぎていたかもしれません。 BLでよかった。 酔っ払いの輩の絡みに対して、「自分の体一つでこのトラブルが解決するならシンプルでしょう?」という考え方をした壱が印象的でした。 弟を守るための方法としてそう教わったんだからそう思うんですよね。自分の体を安売りしないという気持ちが、すっぽりと存在していない。べなこふで2わかる
ゆゆゆ2024/01/29現代語訳(監修付き意訳)+漫画で読む、枕草子と紫式部日記時代背景も描かれているので、つらつらエッセイとして読むだけでなく、より情勢が分かっておもしろい。 意訳が含まれているので、このノリはちょっと違うなとなる人もいるかもしれない(作者もあとがきで書かれている)。 初出仕時のショックから5ヶ月実家へ引きこもった紫式部、敵対派閥のスパイと同僚に心にない噂をされやはり引きこもった清少納言。 そのあと再び出仕できているので、二人が優秀だったから許されたのかもしれないが、ずいぶんと休みに対して寛容だったんだなあと驚いた。 そして比較して読むと、清少納言と紫式部、物事の書き記し方の違いがとてもよくわかる。 作中では清少納言がポジティブ、紫式部がネガティブ。 読んでいて気持ちいいのは清少納言のほう、親近感を抱くのは紫式部のほう。 「昔の人もそう思うのね、興味深い」となるほうと、「そういう事態はほんとに嫌ね、辛いね」となるほう。 をかしとあはれの文学とか習ったような。 書いた人たちだけでなく、1000年前のものが読めるように、研究して残してくれた過去の学者さん方にも感謝。 彼女たちが読んでいたと記されている、消えてしまった昔々の作品が奇跡的に出てきたりしないかな。小迎裕美子の枕草子・紫式部日記シリーズ小迎裕美子2わかる
ゆゆゆ2024/01/27進学を考えるときに読んでいたら、農大を第一希望にしていただろうわちゃわちゃしているのが主人公と先生まわりだけかと思ったら、学校としてわちゃわちゃしている。 そのわちゃわちゃ、もとい多様性がとても楽しそう。 その道に進まなければ、出会えないだろう授業、オリエンテーション、余暇。 菌も農業系の学校が専門とするものなのかと、勉強になった。 流行っていたときによく聞いた「かもすぞ」。 そういうときに使うのかと理解した頃合いに現れた「かもして ころすぞ」。 すごくこわいと思ったら、ほんとに怖いやつだった。 ブームになったときに見損ねていたけど、読んでみたらすごくおもしろい。 欄外に菌の説明があるので、電子版を読む場合は大きい画面が良いと思いますもやしもん石川雅之3わかる
ゆゆゆ2024/01/26あっけらかんと、現実を突きつけられる。現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。ひとりでしにたいカレー沢薫 ドネリー美咲8わかる
ゆゆゆ2024/01/24これはどうみても、おひとりさまだからできるゴージャスホテルライフそう、高級ホテルも一人なら、がんばれば手が届きそうな値段のときがあるんだよね。 若い頃、泊まってみたい!と予約サイトをウキウキ眺めていた時期がある。 遠すぎて泊まれない、せっかく上京しても仕事が忙しくて深夜にたどり着いて寝て起きるだけになってしまうから、泊まるのがもったいない。 そんなことを考えて実行しなかったら、泊まる機会もなくなってしまった。 本作に登場するのは、ホテルを仕事にするほど好きで、一人でどんどん泊まっていく人たち。 そして、ホテルに泊まっては用意された空間を我が家のように満喫して過ごす。すごい。 私は旅先だと時間がもったいなくて、そんな贅沢な真似ができない。一泊二泊と言わず、もっとゆとりのある旅を選べたら、ゆっくりと過ごせるんだろうか。 登場人物たちが、満たされているようで、足りない感じがあるのは『おひとりさま』の演出だからかと思いきや、恋人がいる人の悩みも描かれていて、生きていたら悩みはあるよねと腑に落ちた。 悩みや不満は尽きないから、好きなことで薄めたい。おひとりさまホテルマキヒロチ まろ まろ まろ3わかる
ゆゆゆ2024/01/24犬好きによる、犬好きのための小難しいことを話すご主人様と、喋る柴犬はるさん。 犬種による特徴がよく現れた話もあったりと、犬が好きな方が描いているんだなあと、読んでいてほのぼのしてしまう。 ちなみに人は存在しない世紀末だけど、喋る犬と宇宙人と他の生き物(猫以外)はいる。 喋る犬と書いたが、作品に登場する動物はだいたいみんな喋っていて、ご主人様は宇宙人とも会話は問題なくできる。 世紀末だからかと思えば、その前からご主人さまはハルさんの言うことがわかっていて。 つまるところご主人様は、人類最後の1人であり、他の生き物の言語がわかる凄い能力を持つ人。 多数派の宇宙人からしたら、その能力が特殊かどうか確認しようがないし、そんな特技がなくても希少。 動物が喋る設定を考えるだけでも奥が深い。なんて中二病。すごく良い(褒めてます)。 ちなみに私は、動物に対する愛情が詰まっている漫画を見るたびに、『カワイスギクライシス』をふと思い出して、これは作中で争いが起きてしまう…と思うようになってしまった。 本作では人の世としては終わっているので、どちらがかわいい論争は起きそうにない。 人と人との争いが生まれない、平和な世紀末の物語でよかった。世界の終わりに柴犬と石原雄
ゆゆゆ2024/01/22日本に初めてやってきた魔女の女の子なんでこの子が日本へ派遣されてきたんだろう。 実は芯が強い子なのか、研究熱は他の魔女のひけをとらないのか。 不思議に思うほど、心根が優しい女の子の魔女が主人公。 とはいえ、違う環境で魔術もうまくいかないようで(それでも研究は楽しそう)、辺境の国における初めてやってきた魔女に対する偏見は強く。 さらに、仕送りのお金は研究に使い込んでしまうため、毎日金欠で。 ああ、本当にこの子で大丈夫だろうか、と書いていて心配になってくる。 とても運が良いことに、偏見に抗う女学生と仲良く話をするようになり、少しずつ周囲は変わっていく。 読んでいて、神様の視点というか、お母さんのような立ち位置というか眼差しというか、そんなかんじで魔女の夜迷ちゃんを見てしまう。 絵本のような画風、ほのぼのした雰囲気のなかで、偏見のなかに生きる魔女の辛さと、いつか良くなるという希望が空気のように広がっている。大正忌憚魔女うさみみき2わかる
ゆゆゆ2024/01/22弁護士れいな先生の百面相が素敵ものすごくにこやかな表情から、通常モード、セリフと相まって自身の心の闇を見せる表情、少し昔のハードボイルド漫画のような男前っぷり。 れいな先生がとても良いキャラクター。 強そうなのに、「ご自身を一番大事にしてくださいね」という気持ちも分かる。 しかし、ものすごく短いタイトルであっても、作品の内容がちゃんと表現されていたのに、ちゃんと理解しきれなかったのは、昨今の長いタイトルに慣れきった弊害だろうか。 ギャルで弁当でなくギャルで弁護士だし、ギャルなのに弁護士っていうおふざけ系かと思いきやサスペンスだし、コミックス表紙は怖い話のような様相だし、実際(人間が一番怖い的な)アングラな怖い話だし。 なんだこの作品は。すごいぞ。 初連載でこんな勢い、すごいぞ。 第一話は常に無料公開とあったので、興味を持たれた方は第一話だけでもぜひご一読を。 こういうアングラな作品を描かれる方っていうのは、どういう取材や生活をされていて、ストーリーを思いつくんでしょう。知りたいような、知りたくないような。ギャル弁 ー歌舞伎町の幽霊ーヨウイチ 高崎俊(弁護士法人原法律事務所)5わかる
ゆゆゆ2024/01/21人ができないことを自由意志を持たないロボットにさせる?あなた知ってますよね、と言わんばかりに紹介されるジョージア・ガイドストーン。 いや、まったく知りませんでした。空想と思っていました。本当に実在した(過去形)んですね。爆破されたんですね。穏やかでないですね。 そのストーンヘンジのような巨大石版に書かれているとおり、人類が5億人をきるには誰を残して誰を消すか、取捨選別が必要だろう。 介護ロボットが高齢者を取捨選別しているとあるけど、高齢者がいなくなるだけでは到底足りない。 でも数十億人が死につつ、地球はクリーンでなければならない。 そこで暗殺部隊のような、現状は介護ロボットであるロボットがこれから大々的な出番を迎えるということだろうか。 (※現在4話まで公開されているところです) しかし、その介護ロボットに、もしロボットとしての機能を果たせない個体が現れたら? 最近、CHAT GPTは意思を持つけど自由意思を持っていないという話をチラッと聞いた。 意味がわからないなと思ったけど、はぐれ介護ロボットの出現に、運悪く自由意志を持ってしまう個体が出るかもしれないということかなと、わかったような、わからないような。 物語として介護ロボット単体が悪いわけではないようだ。 介護ロボットをロボット三原則に反している存在にしてしまった黒幕が悪い。 少し不思議な未来の話と見せかけて、今の世界としっかりリンクされている。 陰謀論と創作の違いはどこかしらと思ってしまった。#介護ロボットが人類を削減しているSUEY7わかる
ゆゆゆ2024/01/20設定の後出しが、おもしろさを増す不思議な作品最初のページで主人公が幽霊だと書かれていてびっくりして、上のコマに目がいったら、主人公の首が不可思議な方向に曲がっているように見えて、「うわ、幽霊だ!」とびっくりしてしまった。 その後も「◯◯タイプの幽霊」とあれば、その前にあったシーンを思い出して、「いいのか、君いいのか、大丈夫なのか」と思春期の少年の心を心配したり、よくわからない周囲の積極さにハラハラしたり、その後の展開に笑えたり。 後出しされる情報に合わせて、ガラッと周りの流れも変わってしまうのも、おもしろい。 後出しされる情報は作品の世界では皆が受け入れている常識のようだから、書かれていないけど主人公は「生きていたときのことをすべて覚えていないタイプの幽霊」でもあったってことだよな。 自分でも何を書いているのか、よくわからなくなってきた。 奇想天外なギャグ漫画としてのテンションを維持しつつ、ピュアなラブコメも並行して進んでおり、なにか高度なものを見てしまったようで、混乱する不思議な読切だった。◯◯タイプの幽霊大橋盛平3わかる
ゆゆゆ2024/01/20こちらの物欲まで満たされる。ひたすら雑貨などを買って買って買って。 ケーキ、和菓子、紅茶にコーヒー、お茶してお茶してお茶して。 続けて読んでいると、毎日買い物三昧に見えてきて「そんなに買って、お金は大丈夫なのですか」「そんなにたくさん、置く場所はあるのですか」と気になってくる。 きっと、日にちは空いているのだろうけど、いらぬ心配をしてしまう。 そのくらい、買って買って買っている。 清々しい。 神戸にお住まいみたいだから、すてきなお店が多いのかな。 ふらっと立ち寄って、素敵なものをみて。 幸せな時間をおすそ分けしてもらっている気持ちになれる。胡桃ちのPresents モノズキ散歩、お茶してゆるり胡桃ちの3わかる