時代背景も描かれているので、つらつらエッセイとして読むだけでなく、より情勢が分かっておもしろい。
意訳が含まれているので、このノリはちょっと違うなとなる人もいるかもしれない(作者もあとがきで書かれている)。

初出仕時のショックから5ヶ月実家へ引きこもった紫式部、敵対派閥のスパイと同僚に心にない噂をされやはり引きこもった清少納言
そのあと再び出仕できているので、二人が優秀だったから許されたのかもしれないが、ずいぶんと休みに対して寛容だったんだなあと驚いた。

そして比較して読むと、清少納言と紫式部、物事の書き記し方の違いがとてもよくわかる。
作中では清少納言がポジティブ、紫式部がネガティブ。
読んでいて気持ちいいのは清少納言のほう、親近感を抱くのは紫式部のほう。
「昔の人もそう思うのね、興味深い」となるほうと、「そういう事態はほんとに嫌ね、辛いね」となるほう。
をかしとあはれの文学とか習ったような。

書いた人たちだけでなく、1000年前のものが読めるように、研究して残してくれた過去の学者さん方にも感謝。
彼女たちが読んでいたと記されている、消えてしまった昔々の作品が奇跡的に出てきたりしないかな。

読みたい
Sランクパーティから解雇された【呪具師】~『呪いのアイテム』しか作れませんが、その性能はアーティファクト級なり……!~

サクッと作ったものすら宝物並みの性能

Sランクパーティから解雇された【呪具師】~『呪いのアイテム』しか作れませんが、その性能はアーティファクト級なり……!~
ゆゆゆ
ゆゆゆ
原作者さんは「ダメスキル【自動機能】が覚醒しました~あれ、ギルドのスカウトの皆さん、俺を「いらない」って言ってませんでした?~」の方と同じです。 こちらも奇想天外な展開と、読みやすいコミカライズでおもしろいです。 呪具師は、不人気な職業といっても、突き詰めたら無双できる職業だったという、まあ、よくある展開です。 無自覚な無双に加え、デザインセンス以外他者評価に対する意識が海峡の底よりも低いというアンバランスさがあります。 そして、主人公は職を突き詰めた結果、解呪しないと外れない以外、おおきなデメリットが薄い道具(デザインセンスは独特)ばかり開発しています。 変わった設定と思って読んでいたら、どうやらそれ以外でもなさそうな感じが、かつて所属していたSランクパーティから漂っています。 どうなるのかなというストーリーのおもしろさと、愛嬌のある主人公やヒロインたちが魅力的です。 よくある設定から、続きを読みたくなる作品を生み出せるのはすごいですね。
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
だいこくばしズム

だいこくばしズム

1カ月に平均40本もの締め切りを抱える、売れっ子イラストレーター。彼女はどうやって、仕事も恋もゲットできたのか?いかにして、女だてらに一家の大黒柱となったのか?専業主夫の知られざる生活とは?読めば勇気が湧いてくる、笑いと感動のノンフィクションコミックエッセイ。全ての働く女性へ捧げる、とっておきの1冊です。
現代語訳(監修付き意訳)+漫画で読む、枕草子と紫式部日記にコメントする