時代背景も描かれているので、つらつらエッセイとして読むだけでなく、より情勢が分かっておもしろい。
意訳が含まれているので、このノリはちょっと違うなとなる人もいるかもしれない(作者もあとがきで書かれている)。

初出仕時のショックから5ヶ月実家へ引きこもった紫式部、敵対派閥のスパイと同僚に心にない噂をされやはり引きこもった清少納言
そのあと再び出仕できているので、二人が優秀だったから許されたのかもしれないが、ずいぶんと休みに対して寛容だったんだなあと驚いた。

そして比較して読むと、清少納言と紫式部、物事の書き記し方の違いがとてもよくわかる。
作中では清少納言がポジティブ、紫式部がネガティブ。
読んでいて気持ちいいのは清少納言のほう、親近感を抱くのは紫式部のほう。
「昔の人もそう思うのね、興味深い」となるほうと、「そういう事態はほんとに嫌ね、辛いね」となるほう。
をかしとあはれの文学とか習ったような。

書いた人たちだけでなく、1000年前のものが読めるように、研究して残してくれた過去の学者さん方にも感謝。
彼女たちが読んでいたと記されている、消えてしまった昔々の作品が奇跡的に出てきたりしないかな。

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ヤンキー君と白杖ガール

目からの情報過多な世の中

ヤンキー君と白杖ガール
ゆゆゆ
ゆゆゆ

登場するヤンキーは顔の傷がなくて、服の趣味が良ければ、ものすごく人が良くて純愛している好青年。 弱視の女の子に「ポエマー」と言われるほど、大好きなユキコさんの前では好青年。 一線を越えると黒豹に戻るようだけど、ユキコさん第一なので基本は好青年。 コミュニケーションお化けのようなユキコさんも、見えないからそう変わらざるを得なかったとあって、相当な苦労の上であの人となりができていて、結果が一話冒頭の白杖ケツアタックなんだなぁと思った。 コメディになる部分は、NHKの番組バリバラでみた、障害者コントを思い出させた。 障害は触れるのを避けるべきことでもなく、彼女たちには当たり前なことで、その中でのからかいや日常の楽しみ、苦労が興味深く描かれている。 もちろんコメディ要素だけでなく、しれっとヤングケアラーとなっているきょうだい児の話や、人は年を取ればいずれ見えなくなることが描かれていて、でも重たい話のはずがドロドロしておらず、あっという間に読み終えてしまった。 視力がオレサマはなるほどなと思ってしまった。 かき氷シロップはオレサマを感じさせてくれる食べ物。食品に絞ると、嗅覚が2番手のオレサマ。 ちなみに登場キャラクターのなかでは、高校生男子らしくムラムラ大好きな青野くんがとても好きだ。

ワタシってサバサバしてるから

広告で見たことがあるやつだ

ワタシってサバサバしてるから
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公が「私ってサバサバしてるから〜」っていうタイプの人間でした。 「みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?」で知ったのですが、主人公を「うわー何こいつ」って言いたくなるキャラクター(悪役)にして、当人が落ちていくさまを眺めるジャンルっていうのがあるんですね。 身近にいたら、さりげなくフェードアウトしたくなるタイプの性格ですが、「女の敵は女」というあたりはリアルです。 そして、男の中で生きようとしているわけでなく、同性と仲良くするわけでなく、人がいっぱいいるところに飛び込んでいるのに、孤高です。 読んでいて、どうしてそういう考えに?と思ってしまい、主人公なのについていけません。 本編を悪役サイドで見ている気持ちです。 とはいえ、ライバル視されている本田さんが主人公だと、「私ってメンタル強めだから〜」と、メンタルの強さを過剰に見せつけてくるキャラクターに改変されてしまいそうで、そんな本田さんは見たくないなと思ってしまいます。 よくよく考えれば、周囲がこれほどひいた反応を取っていてもへこたれず、ゴーイングマイウェイでいられる主人公の網浜奈美は非常にメンタルが強いです。 ビジュアルが本田さんと主人公が入れ替わっていたら、どんな感想になっていたんでしょう。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

殴るためのお肉

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
ゆゆゆ
ゆゆゆ

このタイトルで、この絵柄で、いわば北斗の拳。 いや、くにおくんかもしれません。 陰湿なイジメが繰り広げられる恋愛モノかと思えば、メリケンサックが出てくるタイプの恋愛モノでした。 メリケンサックと恋愛モノって、同時に存在しうるんですね。 「パワー・アントワネット」と違い、ムキムキでもなく、筋肉でもなく。 公爵令嬢として腐った世の中を正すため、いや殴りたいから主人公は暴力をふるいます。 ストッパーが無くなった彼女は強いです。 ターゲットの名前がいつの間にか「肉」呼ばわりになっていて、こうやって人でないから殴ってよしと正当化するのかなとチラと思えば、その肉がことごとく、言い訳できないレベルの悪役たちで、世直しのためには、殴っとこうかという気持ちを読者に湧き立てさせます。 そして、時の女神の力を借りて、倍速やらなんやらブーストさせて、「ボンボコボンボコ」殴って蹴って。 暴力シーン(連続)もこのきれいな絵柄のママ繰り広げられ、「創竜伝」の龍堂兄弟のようなめちゃくちゃな振る舞いも、このきれいな絵柄のママ繰り広げられます。 とりあえず公爵令嬢なので、一線は越えていないそうです。不殺です。 すべて峰打ちなので大丈夫らしいです。さすがです。 暴力で解決はよくないけれど、早いんだということはよくわかります。

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胸はしる 更級日記

胸はしる 更級日記

シリーズ累計9万部突破の大人気、平安文学コミカライズシリーズ第3弾!『源氏物語』にあこがれて、キラキラとしたヲタ活に勤しんだ10代から、大人になるにつれ経験していく、大切な人の死、仕事、結婚、家族などの現実、そして後悔と懺悔の日々を送る晩年までを綴った、菅原孝標女の『更級日記』。この名著を、人気イラストレーター小迎裕美子がユーモアたっぷりに描く。テストにも役立つ、『更級日記』原文付き!【目次】プロローグ菅原孝標女周辺人物相関図イントロダクション旅パート1旅パート2物語が手に入ったパートふりかかる現実!!愛と青春の旅立ち夢見る頃が過ぎてもエピローグ赤間先生のよくわかる更級日記講座巻末おまけ コムカイ的さらす日記『更級日記』原文 etc.

だいこくばしズム

だいこくばしズム

1カ月に平均40本もの締め切りを抱える、売れっ子イラストレーター。彼女はどうやって、仕事も恋もゲットできたのか?いかにして、女だてらに一家の大黒柱となったのか?専業主夫の知られざる生活とは?読めば勇気が湧いてくる、笑いと感動のノンフィクションコミックエッセイ。全ての働く女性へ捧げる、とっておきの1冊です。

現代語訳(監修付き意訳)+漫画で読む、枕草子と紫式部日記にコメントする
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