ひさぴよ2021/06/01エルトゥールル号の読切週刊モーニング2014年21・22合併号に掲載された32ページの読みきり。単行本未収録で電子のみ。 1890年にトルコの軍艦が和歌山県沖で沈没。事故の救助を行った日本は長らくその事を忘れていましたが、トルコの人々はその恩義をずっと忘れておらず、1985年のイラン・イラク戦争で、邦人救出に尽力してくれました。その一連の歴史を取り上げた漫画です。 作画の石川雅之先生、和風も西洋もどちらも上手いのでこの物語を描く上で適任ではないでしょうか。ドキュメンタリータッチで、かなり真面目な内容ですが過剰に美化などしてないのは良いですね。 トルコとの友情がこれからも続けばいいのですけど、少しでも裏切ったら逆に怖い国だな…と思いました。テシェキュルエデリム~ありがとう石川雅之
ひさぴよ2021/05/19この一冊で全体像を掴める #推しを3行で推す巻数が長く、内容も濃密なギャラリーフェイクですが、この一冊で全体像が掴めると思うので未読の人でも取っ付き易いかと。 はじめは連載第一話目から始まります。作画に少し違和感ありますが、以降はどれもハズレなしの珠玉エピソードばかり。個人的には「TIN TOY刑事」が特にお気に入りで、何某かのコレクターを自負するすべての人に読んでほしいエピソードです。 単行本未収録エピソードだった「忘れられた一夜」の回は、現在は33巻に収録済みとなっています。この回だけは本編を一通り読んでからの方が良いです。 ギャラリーフェイク ザ ベスト細野不二彦2わかる
ひさぴよ2021/05/19ヨッ!ねこ職人!キュートでシュールな4コマねこ漫画。人間の仕事を肩代わりをしてみたり(ほとんど役に立たない)、家電や道具に置き換わってみたり(ほとんど役に立たない)する。ねこを可愛さを引き出すことにかけて、北道先生の右に出る人はいないのではないか…。 ねこを過剰にデフォルメせず、遠目で身体全体を描かれることが多く、それが「ねこ」そのものの可愛らしさを際立たせています。触っている感触まで想像できるほど、リアルな実在感があるのです。 ちなみにサイドストーリーの人間ドラマついては、猫とちょっと違う感想になるので、別作品で連載してほしい気持ちもありますが。。 基本は脱力するような話で、4コマらしい風刺も効いてます。ヒロインのモコちゃんがブラックな一面を見せながら、最後はかわいさで着地する。ずっと読み続けていたい漫画です。プ~ねこ北道正幸
ひさぴよ2021/05/11前半が「子供の情景(けしき)」後半は「大人の情景」女性誌JOURに掲載された短編を主に収録。短編集と言いつつ半分は「僕らは柿生こども警察ダ!」シリーズが占めていて、ガキ大将が女の子の設定でほっこりするお話が多い。やや乱暴に言ってしまうと浦安・ともお・まる子を合わせたような読み味で、子供達のキャラが微妙な強さで。。会話が自然なだけに逆にキャラっぽくない方がもっと好きになったかもしれない。 後半は「大人の情景」と題した短編に変わるので、タイトルに「大人の〜」と含めた方がわかりやすいと思う…。 最後の方の「ユーランと岩田くん」が作品の中で一番良い短編だと思う。子供の情景さそうあきら1わかる
ひさぴよ2021/05/08本田宗一郎の生涯 #お買い得本ホンダ創業者である本田宗一郎の伝記マンガ。制作はビッグコミックで活躍した毛利甚八先生と、ひきの真二先生という実力派コンビだけあって、ビジネス系自伝マンガでありながら、商業連載作品に引けを取らない作品。読んでいて全く退屈しない面白さがあります。 本の価格は、この厚さ・内容で880円(税込)は正直言って安い!令和時代の本の値段と比べると、かなり安く感じます。500ページ超えて、解説も充実しているので、現在の価格で考えると少なくとも1800円以上でもおかしくない内容かと。本田宗一郎本伝 飛行機よりも速いクルマを作りたかった男毛利甚八 ひきの真二1わかる
ひさぴよ2021/05/03切なくも爽やかな感動を呼ぶ、リバーサイドストーリー「ここは何もないところさ でもね 何があっても水が流してくれるのさーーー」 多摩川近郊の町を舞台に、視覚障害者の青年・一太郎と、生活に困窮する女性・ちはやの、二人の心の交流を描いた物語。 ヒロインである「ちはや」を通し、視覚障害者の現実を知ることができると同時に、ちはやが抱える生活環境の苦しさにも直面させられる。 ちはやの家は、母親が居なくなり父子家庭でアル中となった父親をちはやが世話をして、家計を支えるため、ひたすらに働けども貧しい状態から抜け出せない。心が荒みきって、他人を助ける余裕など全くない状況から物語が始まることからも、この『花に問ひたまへ』が視覚障害者側の綺麗事だけで描こうとしていないことが伺える。 1話目での一太郎と出会いは、非常に気まずいシーンとなっている。早朝、急いで仕事に向かうちはやが、鬼のような形相でエスカレーターを駆け上がって、一太郎の持つ白杖を蹴り落としてしまうのだ。罪悪感を感じながらも、何もせずに立ち去ってしまうちはや。その後、町中のコンビニで一太郎に”発見“されてしまい、彼の優しさによって、ちはやの心は徐々に変わり始める…。 私たちは、障害者の物語と言えば、助けられるのは障害者の役割だと決めつけがちだが、この物語において本質的に手を差し伸べられているのは、ヒロインのちはやの方である。視覚障害者である一太郎が、ちはやにとってのヒーローのような存在となっている事が、人は目だけでモノを見るわけではない、ということを体現しているように思う。 視覚障害者にしかわからないことも、綺麗事抜きで読者に伝わりやすいように描かれていて、リアリティを持って伝わってくる。ヒューマンドラマとしても、ラブストーリーとしても上質な作品でありながら、障害を持つ人たちの日常を考えるきっかけを与えてくれる作品でもある。 ※ちなみに、冒頭でアリの巣を覗いてるお婆さんは、さそうあきら珠玉短編集「子供の情景」に登場する人物だったりする花に問ひたまへさそうあきら
ひさぴよ2021/04/28読むだけで汗が出てくるマンガとにかく辛くて美味しいものだけを追求したグルメマンガ。出てくる激辛料理が本当に辛そうで、想像するだけで汗が滲んでくるほど、ガチで辛い食べものばかり出てきます。チャンピオン烈の漫画ということもあり、だいぶエロさを強調してる部分はありますが、ヒロインたちは至って真剣に激辛料理にチャレンジしているだけなので…エロく見えるのは料理のせいなのです。擁護すると、エロ過ぎてグルメ描写が頭に入ってこないとかはなかったです。むしろ表情や汗の出方が、本当に辛そうな印象を与えてくれました。料理に関しても、定番の唐辛子料理だけでなく、山椒やワサビの辛味も出てきたりバリエーション豊かで、学びある激辛漫画です。ゲキカラブ!ズズ ヒトマスモドル
ひさぴよ2021/04/27遺伝子操作によって生まれた者たちと医師の物語絶版となった「螺旋じかけの海」私家版。3巻以降が本編の続刊になります。単行本未収録の「魔女の語る森」と、描き下ろしの「烏を屠る旅」が収録されています。 「鳥を屠る旅」は1話としてはかなり長い91ページの長編でかなり読み応えがあり、2巻で止まってる人には特に読んでほしいです。個人的にはワニの回以上の感動がありました。 人間とは何か、命とは何かを問いかけられる重いテーマの作品ですが、何度も読み返したくなる名作です。螺旋じかけの海永田礼路5わかる
ひさぴよ2021/04/262巻の”清野流・居酒屋&スナック攻略術がおもしろい取材ネタを集めるときに、対象者の懐にどうやって入りこめば良いか、ちょっとした攻略術を集めたもので、割とフツーのことを言ってたりしますが、相手の反応がいちいち面白くて笑っちゃいます。それにしても清野とおる先生が、ここまで”気配りの鬼”だったとは知りませんでした。相手を心地よくさせる小手先のテクニックを極めれば、だん…いや、どんな人の心さえも開かせてしまうのでしょう。居酒屋・飲み会が苦手な人、対人関係に悩む人にとっては、マジメに読めば意外と参考になる本かもしれません。 Love&Peace~清野とおるのフツウの日々~清野とおる
ひさぴよ2021/04/24ハヤ子サケガイド「草子ブックガイド」で知られる玉川重機先生の連載デビュー作。(1996年の月刊アフタヌーンで「玉川敏秀」名義で連載) 長らく絶版状態でしたが、2021年からKindleを始めとした電子書籍ストアで発売されるようになり嬉しい限り。 お酒が好きで酒雑誌編集者になった主人公”ハヤ子”と、お酒で繋がった人々の心温まる物語です。 伝統的なお酒を紹介するガイドブック的な漫画として紹介した方が良いかなと思ってクチコミタイトルは「草子ブックガイド」を模してみました。 出てくるお酒は、伝統的なカクテルやウィスキーなどの洋酒が中心です。「電気ブラン」とか、未だに飲む機会には恵まれてませんが、このマンガを通して初めて知ったお酒の知識は多いです。 なぜかハヤ子が、総合格闘技の使い手という設定なんですが、ここは深く気にせずに読んだ方が良いです。ハヤ子が酔っ払って危なっかしい時があっても、安心していられるのが利点ですね。ここぞという時に繰り出されるハイキックに要注目です。 ハヤ子サケ道をいく玉川重機1わかる
ひさぴよ2021/04/24飲兵衛界のゴッド的存在2021年に放送1000回を達成した長寿番組「酒場放浪記」のマンガ版。番組を10年前からポツポツと観続けてますが、マンガ版の方も読んでみました。 テレビと違ってナレーションは無く、お客さんとの余計な絡みとかは無いですが、番組の雰囲気は残しつつ、マンガならではのテンポ感で酒場を次々と紹介していきます。 グルメ描写に定評のある「思い出食堂シリーズ」が手掛けているだけあって、お酒と料理は驚くほど細かい部分まで描かれています。紹介される店は、東京の下町の居酒屋が中心ですが、お店の歴史には郷土料理の存在があったりして、各地方の料理もたくさん登場します。ストーリー漫画ではないので、下町編、横丁編、路地裏編、人情編、どこから読んでも良いと思います。 ちなみに、吉田類先生は「飲兵衛の神(ゴッド)」と呼ばれているのをあらすじで知りましたのでタイトルに入れました笑。でも大げさでなく、この人に並び立つ存在は、確かに思い浮かばない気がします。 飲兵衛としての凄さは、 ・酒と肴に対する知識量と愛情が凄い ・還暦を超えても酒をよく飲み、食べ続けても平気な胃腸が凄い ・お店の人、常連客とのコミュニケーション能力が凄い ・一人で飲んでも画になるし、上品さがある といった部分にあると思います。 料理に合わせて華麗にお酒をチョイスしていく様を見ているだけでも心地良い作品です。 まぁマンガ版では良いところばかり描かれてますが、テレビだと後半になるほど酔っ払ってグダグダの雰囲気になる時が好きだったりします。 もし興味があれば番組の方も。 https://bs.tbs.co.jp/sakaba/outline/ 吉田類の思い出酒場吉田類 井上眞改
ひさぴよ2021/04/22囲碁、算術、天文…数々の人々の想いを繋ぎ、江戸の改暦事業へ挑む歴史時代劇 #推しを3行で推す巻末で原作者・冲方丁氏もベタ褒めするほど完成度が高く、天文ジャンルのマンガとしても、歴史マンガとしても非常に優れた作品です。 原作の力も凄いですが、作画・槇えびし先生の人を惹きつける静謐な表現力がとにかく素晴らしい。 渋川春海の弱さとも取れる謙虚さ、優しさが、歴史に残る一大事業へと向かわせるのですが、中盤から終盤にかけて盛り上がってゆく物語なので、ぜひ最後の9巻まで通して読むことをおすすめします。天地明察槇えびし 冲方丁3わかる
ひさぴよ2021/04/14作家と編集者のラブラ…作家と編集者のラブラブ漫画に見えるけど実は熱い編集者マンガ。特に喪服を着た編集長が酔って「すり切りてるじゃないか・・・!」と語るシーンは何度読んでもグッとくるものがある。もと子先生の恋人田中ユタカ1わかる
ひさぴよ2021/04/14古代ローマの哲学者セネカの『怒りについて』を題材とした白黒マンガ古代ローマが舞台でライオンと奴隷少女の数奇な運命を描いた物語。版画、あるいは切絵のような白と黒のコントラストの強い画が、「怒り」というテーマと合致して独特の魅力を生み出している。やっぱり怒るのはよくないね。レオノーラの猛獣刑モクタン・アンジェロ2わかる
ひさぴよ2021/04/11エンドルフィンとかセロトニンとか不摂生な漫画家が、体に良いとされている事にチャレンジして、怠けた生活を改善しようとするルポ漫画ですが…よくある健康系のルポ漫画とはだいぶ違います。ちょっとネガティブですが、変わり者にしか描けない、おもしろ体験記なのは間違いないです。 連載サイトのチャンピオンタップで何話か読めますので、そちらでの試し読むのがよいかと。 https://mangacross.jp/comics/kimochiii 単行本に収録されてない話が結構あるようなので、続刊に全部入れてほしいところですね。 どの話もクスリと笑える面白さがあり、読んでて気持ちよさが伝わってきます。家にこもりがちで、何か気持ちのいいことをしたい人が読めば、思わず真似したくなる漫画です。あと、やたらと脳内麻薬の知識が出てくるので少しだけ詳しくなれます笑気持ちいい体麦原だいだい1わかる
ひさぴよ2021/04/09「諸刃の博徒 麒麟」…「諸刃の博徒 麒麟」の続編。江戸から京都へ舞台を移し、博打マンガから歴史マンガに軸足を移そうとしたものの、その結果は前作の良さであった快活さを失わせてしまったように思います。麒麟の顔も変わりすぎですし。 おそらく、前作を読んだ人しか手を出さないであろう作品です。よほどのファンを除いては。幕末喧嘩博徒 諸刃の麒麟土屋多摩 村尾幸三
ひさぴよ2021/04/082巻からが面白いとあるきっかけにより、顔がキンタマのような見た目に変わってしまい、その代償として人間たちの心が見えるようになってしまった主人公・π(パイ)ニャン。 人(ニャン)生に疑問を抱き、この世の「真実」を見つけるための旅に出た一匹のネコの物語です。 「ユキポンのお仕事」のようなゆる〜い猫マンガに見えて、随所で哲学的な問いかけをしてくる深さがあります。 1巻は、やや導入が長くて作品のテーマが掴みづらかったのですが、2巻からはテンポ良く面白い展開が続きます。自分はその辺からハマり出しました。 さまざまな人生の悩みを抱えた人間と出会い、それぞれの心の風景を、この漫画でしか表現できない描き方をされている、唯一無二のネコ漫画だと思います。πニャン東和広1わかる
ひさぴよ2021/04/07ほぼすべて手彫りで作られた狂気の版画マンガ90年代の雑誌『ビッグコミックスピリッツ21』誌に載っていた版画ギャグ漫画。作品の生まれた背景など、詳しい内容については、中野晴行さんのコラムで完璧に紹介されてますので、そちらをご覧ください。 https://www.bookbang.jp/article/540189 版画を描く漫画家といえば畑中純の「どんぐりと山猫」などもありますが、それらの作品はどちらかというと“絵本”に近い印象がありました。「怪奇版画男」の凄いところは、現代の漫画のコマ割りや、演出技法を細かい部分まで、版画で忠実に再現したところにあると思います。 紙版は、箱入りの装丁で、手触り感のあるコレクター欲をそそる本になってます。やはり版画ですから、紙でないと伝わらない魅力は確実にありますね。絶版なので古本で購入するしかないですが、それだと唐沢なをき先生の労力があまりにも報われないと思うので、お布施の意味を込めて電子書籍版でも購入を検討してみては如何でしょうか。怪奇版画男唐沢なをき1わかる
ひさぴよ2021/04/07最近で一番良かった四季賞は近年のアフタヌーン四季賞は、どの作品もハイレベル過ぎると思いませんか。 「最近で一番良かった四季賞は?」と聞かれたらしばらく悩むのは確実。もし一つだけ選べるなら、この『石読み』(四季賞2020冬)を選びます。ちょっと気が早いですが。石読み薄雲ねず
ひさぴよ2021/04/07アラフォーおじさんをサイボーグ化する話美人科学者・白井景子と冴えないアラフォー男・山田カズオ。偶然であった二人だったが、山田はなすがままサイボーグに改造され、思わぬ活躍?をするコメディ連載。 脳に電極を刺して感情をコントロールしたり、腕にパワーアームを着けさせたり、優しそうな雰囲気で、山田の人権など無視して機械化するのが面白い。 作者は『競艇少女』の小泉ヤスヒロ先生。十数年ぶりにこの方の漫画を読んだけど、ヒロインの表情が良いよなあとしみじみ思いました。今日から派遣サイボーグ小泉ヤスヒロ
ひさぴよ2021/04/06一話目の評価がストップ高で止まっている漫画自分の中で、「一話目の評価だけ、ストップ高で止まっている」漫画ってありませんか。要は期待値がMAX高かったときの感情を、ずっと忘れられずにいる状態です。ジャンプ漫画だとこの『奇怪噺 花咲一休』がその一つでした。 読切版の『奇怪とんち噺 花咲一休』を読んだ時点で、絵も好きで、キャラも良かったので、一気に”化ける”空気感は確かにあったことを覚えてます。一休さんのイメージ像も新しいですし、何よりも、”とんち”勝負を持ち込むことで、ひょっとしたら「幽☆遊☆白書」の四次元屋敷のような異次元バトルを見せてくれるんじゃないか!?という期待感でいっぱいになってしまったのです。 1話目は、確かにそう思わせてくれるのに充分な面白さがありました。 が、2話以降はテンプレ展開が目立ち、とんちはどこへやら、ありがちなバトル展開が続き、打ち切りへ…。 もっと時代考証を詰めていれば、、とんちを追求するスタイルを貫いていれば、、、ああしていればこうしていれば、、といまだに惜しいと思い続けてる漫画です。奇怪噺 花咲一休小宮山健太 河田悠冶
ひさぴよ2021/04/06「君となら、悲しみは…「君となら、悲しみは2等分だ ほら、私たちは共有している!」(冒頭のモノローグより) 冒頭の鮮烈なメッセージに導かれるように、物語のラストまで一気に読みました。 これはとても良い漫画ですから読んで!としか言えないですが、誰しも同じように「良い」と感じるかどうかわからないです。ただ、漫画としては秀でてるのは確かで、その圧倒的な漫画の上手さを超えて、読んでいて情景や感情が迫ってくるような感じがしました。 全体的に暗い物語ではありますが、「海のち、はれ」のタイトルが示す通り、希望の込められた物語で、読後感は良いです。海辺の物語だからかな…?「山」ではこうはならない気もします。 作者の高見奈緒先生は、これが初単行本とのこと(すごい) 早くも映像化の依頼があってもおかしくないですよこれは。 海、のち晴れ高見奈緒1わかる
ひさぴよ2021/04/06意外性のカタマリみたいな家庭教師超が付くほどの人見知り主人公・池野しらすと、家庭教師”坂もっちゃん”の二人が出会い、少しずつ勉強を通じてコンプレックスを克服し、成長していくお勉強コメディ。コワモテの坂もっちゃんだけ別世界のキャラみたいですが、全体的に絵は可愛いくて読みやすいマンガでした。 勉強も生活態度も不出来なしらすに対して、めちゃくちゃ怒ってると見せて優しくも厳しく指導する坂もっちゃんが面白おかしくもあり、同時に教育者として真っ当な意見を言ってたりして、読んでる方も指導されてるようでドキッとさせられます。 作者のぬこー様氏は代々木アニメーション学院の講師をされてる方だそうで、「人に教える」という事柄に関しては、非常に説得力があるように感じました。 ギャグの引き出しも多くて、主にモノローグで突っ込むのですが、地味に本部以蔵(守護れねェ)パロディとか入れてくるのでニヤリとさせられます。 ページ数の薄さ以上に濃い本でした。人見知り専門家庭教師 坂もっちゃんぬこー様1わかる
ひさぴよ2021/04/06『まんぼう』って聞くとこの漫画を思い出すニュースで『まんぼう』って聞くたびにこの短編集の話を思い出す。何回読んでも新鮮な面白さがあって、オチまで含めてやはり傑作だと思う。この短編集は武富健治先生の”原点”とされている初期作品を収録しており、主に思春期の中高生を描いた作品が中心となっている。表題作『掃除当番』『ポケットにナイフ』は、後の鈴木先生に繋がるお話で、切なくも崇高さを感じさせる素晴らしい短編だ。『シャイ子は本の虫』は、”本好き”だった学生に刺さる内容で、特に気に入ってる。まさに珠玉の短編集だ。掃除当番武富健治