ひさぴよ2021/10/16食欲の秋は、思い出食堂シリーズを読もう食欲の秋になると少年画報社の「思い出食堂シリーズ」でも読もうかなあ、という気分になる。どの作品もお手軽で読みやすいのだ。しかし一方で少し物足りなさを感じる時もある。そんな人におすすめなのが「夫婦めし」。「監察医朝顔」の原作・作画コンビによる本格派な漫画である。 (本格派=ビッグコミックに載ってそうなという意味で) 訪れた土地で、夫婦漫才の仕事終わりに名物を楽しむ夫婦が微笑ましく、夫・幸夫は妻・幸子の豹変ぶりに振り回されながらも幸せそうなこと。 料理のお供にちょうど良い感じの人情ドラマが添えられていて構成も上手いし、木村直巳先生の作画は円熟味があり真心が伝わってくる絵である。 若い人から見たら、レトロな雰囲気の昭和漫画に見えるかもだけど、読めば美味しく幸せな気持ちになれる、旅情に溢れた作品だと思う。 続きの2巻を出してくれるのを待ってます。夫婦めし木村直巳 香川まさひと1わかる
ひさぴよ2021/10/06孫の身体にお婆ちゃんの魂がIN📷ハートフルな雰囲気に反して、設定はかなりハード。お婆ちゃんの夫は、浮気で他の女と家庭を築き出ていき、残された娘と必死に生きてきたが、娘も孫を置いて育児放棄して男の元へ。ひきこもりの孫と貧しい暮らしも限界を迎え、衰弱死してしまう…。 霊魂となったお婆ちゃんだが、同じく生死の境をさまよっている孫の体に乗り移れることを発見してしまう。孫も霊魂化しており、これ幸いとばかりに「私はまだ戻れそうだけど…私の体あげる。楽しんでおいでよ」と、ハワイ旅行でもプレゼントするかのようなフランクさで体を差し出してしまうのだった。 一体これは何が起きてるんだ!?という疑問は置きざりに、テンポよく話が進む。これまでの人生経験を活かし、お婆ちゃんは次々と周りの人間たちのトラブルや悩みを解決していく。1巻まで読んだ限りでは面白かったので、続きを読んでみようと思うが、この漫画の結末は一体どうなるのだろうか。おばあちゃんは16歳大川静恵
ひさぴよ2021/09/21みっちゃんのママの嘘めちゃくちゃな嘘をつくことを生きがいとする「みっちゃんのママ」を中心とした、アットホームなファミリーコメディ。吉田戦車作品は、フィーリングが合う漫画も合わない漫画もあるが、この「甘えんじゃねえよ!」は全体的に好きだ。シュール過ぎず、キャラクターと面白さのバランスがちょうどいいので読みやすい。実際にみっちゃんのママがどういう嘘をついてるか紹介しようと思ったが、なんとWikipediaにすべてのウソがまとめられていた! 「みっちゃんのママがみっちゃんに教えた嘘一覧」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%98%E3%81%88%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AD%E3%81%88%E3%82%88 甘えんじゃねえよ!吉田戦車
ひさぴよ2021/09/20ビル窓ガラス清掃の仕事を通じた人間ドラマ!📷昔の学生時代に求人誌を見て、ビルの窓ガラス清掃ってなんとなく楽しそうだなぁと思ってアルバイトに応募しようとしたことがあったけど、高い所の景色が好きだということと、高所で作業することは全く別次元の話だと気付いて結局やらなかった。それでもいつかはビル窓拭きの仕事やってみたいなあと思っていて、今でも高所で作業する人たちにはどことなく憧れを抱いている。 さてこの漫画、90年代に見られるモーニングのお仕事マンガの一つだが窓を拭くだけの地味な漫画と思うなかれ。高所からの構図が半端なく上手く、ザイル、ブランコ、ゴンドラといった道具設備がやたらとリアルに描かれ、高所作業の臨場感といったら凄い。そこに加えてやさぐれた男たちの人間ドラマが展開されるのだから、面白くないわけがない。 主人公は夢を諦めかけているミュージシャン染盛(そめもり)という男。社員ではなくアルバイトという身ながら、現場のトラブルに怒りながら対応し、この危険と隣り合わせの仕事を意地とプライドだけでこなしている。同僚もヤンチャな奴が多くて、すぐ殴りかかってくる奴、薬をキメて現場に来る奴などさまざま。途中、漫画の展開が売れないミュージシャン漫画みたいに変わるが、主人公が大量の葉っぱを一気に吸ってガンギマリになる絵面が衝撃的なのでそこも見所の一つ。 ラストはグッとくる話だが、単行本だけで読み進めると唐突に「川室」という男が突然登場するので?となると思う。 「染盛はまだか 単行本未収録作品集」(2)を読んでおくと、最後に登場する「川室」のくだりが分かりやすくなるんで一緒に読むべし。 ちなみに未収録作品集は各巻110円。 (できれば一冊にまとめてほしかった) https://manba.co.jp/boards/134900 時代を映したガテン系仕事漫画の良作につき、おすすめです。染盛はまだか清田聡2わかる
ひさぴよ2021/08/2915歳のとき、なにしてた?空海、ダーウィン、チンギス・ハーンなど、世界的に有名になる偉人たちのまだ何者にもなっていない15歳の青春期にスポットを当てた短編集。 創作要素が強く、どちらかというと歴史ファンタジーという位置付けになると思います(表紙の羊マンなんかは完全にファンタジー。)が、しっかりと歴史を織り交ぜながら、想像力豊かにそれぞれの人生の転機となったであろうエピソードが描かれています。 特に出色なのは、少年のダーウィンと、歴史的な化石ハンター、メアリー・アニングが出会って化石掘りをする話。歴史好きにとってはめちゃくちゃロマンを感じる話じゃないでしょうか。 荻野真先生らしい、ちょっとエッチなシーンが多めなので子供が読んでも平気かと言われるとアレだけど、「15歳」だったら、まず問題ないはず。15の春荻野真
ひさぴよ2021/08/17いい短編が多い昭和50年代世代から見ても、全てがノスタルジックで、一回り上の世代の、思い出の記憶を見ているような気持ちになる。作品内にがこの時代だったからこその描写があるので、今の若い人が読んだらかなりギャップを感じる場面があるかもしれない。そういう時代だったんだなーくらいの感じで読むのが良いと思う。 どの作品の登場人物にも共通するのは、恥ずかしいほど本音を赤裸々に語って不器用にぶつかってく姿。一色まことの描く人物たちは、男女どちらの視点にも長けていて、特に男目線で読んでいると、作者は男性作家なんじゃないかとすら思ってしまう生々しさを感じる。 改めて読み直してみると、3話目の「野郎なんかにゃわかるまい!」をはじめ、女性のルッキズムに関わる話も多く、マンバ通信のトミヤマユキコさんの連載コラム「少女マンガのブサイク女子考」のテーマとも少し被る部分がある。青年漫画とはいえ、同じテーマとして興味があれば読んでみるのも有りだと思う。 https://manba.co.jp/manba_magazine_authors/18 短編の中で、特に好きで何度か読み直してるのは、「いつも一緒」という幼馴染の太った男女が一緒にダイエットするお話。これも見た目の悩みから端を発するストーリーなのだけど、2人が頑張る過程と、オチ終わりは何度読んでも良い読後感があるので、この短編だけでも強くお勧めしたい。もちろん表題作も。 過去の初期短編集「どいつもこいつも」も読みたいのだけど、絶版で未だに読めてないのでいつか読みたい。(電子化のリクエストをしておこう)~ガキの頃から~ 一色まこと短編集一色まこと1わかる
ひさぴよ2021/08/14人間観察力がすごい料理レシピ本として知られてるが、実は料理よりも記憶に残っているのは、漫画に登場する人物たちの何気ない人間模様の方だったりする。老若男女、人それぞれの生活の中から、つい苦笑いしてしまうような瞬間を垣間見せてくれる。セリフの一つ一つから、人間観察力の凄さを大人になればなるほど感じるのでした。セイシュンの食卓 蔵出しBESTたけだみりこ
ひさぴよ2021/08/067人のフリーターから学ぶ生きるヒント📷吉本浩二作品ではお馴染みの、私小説とインタビューを混ぜたようなスタイルは、この作品から始まったそうです。漫画家を続けるか辞めるか迷っていた時期の葛藤を描いた「自伝マンガ」としての一面を持っている作品。 世の中の普通から外れた、個性の強い7人のフリーターたちとの出会いに影響され、終盤で吉本先生はあることを決意します。それは次作の「日本をゆっくり走ってみたよ」に繋がっていきます。この作品における出会いが大きな転機となってることを考えると、マストで読むべき作品なのですが、しかし残念ながら電子書籍化されていない為、読むには古本屋などで手に入れるしかないです。※ 後に「ブラックジャック創作秘話」で輝かしい賞を取るとは思えないくらいのダメっぷりが描かれてますが、そんな吉本先生を支えていた大西祥平さんの功績というのめちゃくちゃ大きかったんだなあというのを読んでいて感じました。 ※追記: 2022年12月に電子書籍化勝ち組フリーター列伝吉本浩二 大西祥平6わかる
ひさぴよ2021/08/02やっぱり小田扉すげえと思わせる味わい深い短編集2002〜2003頃の複数の出版社で描いてた短編を集めた一冊。十種類近い雑誌の特色に合わせた作風になっていて、それぞれの違いが楽しめた。 例えばエロティクスFの短編では小田扉作品では貴重な(?)下ネタも見られる。 正直、小田扉ファン以外におすすめ出来る本かというと微妙だが、ファンならずとも、読んで損はないと言える良い短編があると思う。 その一つが「私のおじさん含み笑い」で、家出した少女が親戚の叔父の家に泊まるだけの話なのだが、今まで感じたことのない感情になれる非常に不思議なストーリーながらグッとくる話である。 もう一つ飛び抜けてよかったのでは「平介の思い出」。こちらもストーリーこそ素晴らしかったが、ページ数が短すぎ、あっさり終わってしまったのが勿体なかった。これらの短編を読むだけでも、小田扉という漫画家がいかにストーリーテラーとして優れているかを体感できる。男ロワイヤル小田扉
ひさぴよ2021/07/31「フェンシングは努力でなんとかなる」フェンシング銀メダリストの太田雄貴さん曰く、「フェンシングは努力でなんとかなる」スポーツなんだそうですが、このマンガではその言葉を体現するかのように、細身でガリ勉メガネの主人公が、ある日フェンシングをはじめて、その魅力に取り憑かれて強くなっていくという王道スポ根マンガです。剣道と似ているのに、汗臭い感じはないし、見た目にも華麗で映える競技だなーという印象ですね。 監修・太田雄貴だけあって、フェンシングをあまり知らない読者でも、読んでいくうちに何となくルールがわかるようになってます。「ガンバ! Fly high」と同じように、メダリストが監修することで、漫画がより面白くなり、読者が増えて競技人口も増えることを狙ってたと思います。人気が振るわず5巻で終わってしまいましたが…。絵はややクセ強ですが、1対1の心理描写だったり、王道の熱い展開を盛り上げるのが上手いです。特に終盤の心と平子のレギュラー争奪戦は、実力下位同士の戦いでありながら、感情を揺さぶられる試合でした。最後まで軸がブレずに走り抜けたことで、自分の中で、記憶に残るスポーツ漫画の一つとなりましたね。少年サンデーの連載で読んだっきりの人も、単行本でもう一度読めばさらに面白い作品だと思いますね。あと、「アイシールド21」みたいなノリが好きな人には特におすすめです。銀白のパラディン -聖騎士-岡啓介 太田雄貴1わかる
ひさぴよ2021/07/27ミロワール、鏡という名の短編集オシャレな装丁かつ紙質も最上級。147ページで¥928(税込)と、ページ数の割に高い価格なのは、シャネルのブランドあってのものでしょうか。出水ぽすかファン、あるいはシャネルブランド好きな人であれば問題ないかもしれませんが…。値段相応に満足できたかというと微妙ですが、中身はなかなか良い短編集だったと言えます。 ココ・シャネルを直接的に描いた漫画というよりは、日本を舞台にシャネルの思想を反映した物語が3種類用意されています。第一章、第二章は男から見るとちょっと理解し辛い部分はありますが、一応少年マンガということで、男性読者でも楽しめる余地はあり、第三章の『カラス』は、男性の生きづらさ問題そのものに踏み込んでいます。細身だったり小さい男性は、世間的に男らしさに欠けるとされますが、そういった人々にもエールを送る内容となっていると思います。この第三章があることにより短編集としての完成度がグンと上がってますね。miroirs白井カイウ 出水ぽすか
ひさぴよ2021/07/27猫奥2巻に収録「猫奥」連載前の読切で、猫奥2巻に収録されている。 読切版は大奥が舞台ではなく、江戸庶民の中に暮らす2匹の猫を主軸とした物語となっている。(漫画内でネコ同士の会話もある) ゴージャスさはない代わりに市井の姿が丁寧に描かれていて、これを見るともっと大奥以外の江戸漫画も読みたくなってしまう。こまとちび山村東
ひさぴよ2021/07/27『ヤーボ』がマジやばい。あと最後の『人喰いの鬼』が傑作かもしれない #お買い得本マンバで探し物をしていたら偶然見つけた短編集。表紙の”ヤーボ”の存在が気になってしょうがない…。その昔、森永ぬ〜ぼ〜ってお菓子がありましたが、あれを思い出して懐かしい気持ちになりました。 表紙の雰囲気は穏やかですが、どちらかというとホラー・サスペンス色の強い短編集。独特の怖さと意外性のある話ばかりでとても面白かったです。表題作『ヤーボ』『BitterとSweet』『人喰いの鬼』の3本の短編のうち、特に『人喰いの鬼』は、童話仕立てのお話として非常に優れていると感じました。これは隠れた傑作ではないでしょうか。気になった方はぜひ読んでもらいたい短編集です。値段も220円とお安い!ヤーボと短編集白井裕子
ひさぴよ2021/07/18アスリートのメンタルを救え!📷寺沢大介先生初となるスポーツもので、脳科学でメンタルを治療するスポーツドクター“飯合”の仕事を描いた漫画。ゴルフやバレエ、ラグビーなどさまざまな競技のアスリートが抱える心の問題を、メンタリスト飯合先生がそれっぽい言葉で克服させていきます。 ※何名かの顔がアンパンマンのように丸くて、他の人たちは普通に描き分けされてますが、深い意味はないみたいなので気にしないで大丈夫です。途中から慣れます。 若干、胡散臭い感じもありますけど、セリフや構成が非常に巧みで、読み進めるうちに読者をも洗脳…じゃなくて共感できるようになってます。最初は半信半疑のアスリートたちも、ちょっとした言葉ひとつで心が変わり始め、本来のプレーを取り戻していく姿を見るのは本当に爽快で、いつの間にか前向きな気分になれます。 終盤で飯合先生はスポーツの「本質」についても語り始め、なぜ私たちにはスポーツが必要なのか?なぜ社会はスポーツを求めるのか?という話をしてきます。そのシーンが激アツで不覚にも感動しました。まぁ、東京オリンピックの時期に読んだせいもありますが…。自分にとってのスポーツって何だろう…?なんてことを考え直すきっかけになりましたね。ドクターメシア寺沢大介
ひさぴよ2021/07/17殺伐としすぎかもしれないが面白い主人公の背負ってる人生が激重い。常にギラギラした殺気が出っぱなしで、読むだけで非常に疲れる漫画である。ラストに行くほどリアル路線からぶっ飛んだ展開になるのを良いと感じる人もいれば、あるいは嫌悪感を抱く人もいると思う。合わない人は1巻の時点で合わないだろうし。殺伐とした空気が好きな人や刺激に飢えた人なら最後まで楽しめるはず。BLACK‐BOX高橋ツトム
ひさぴよ2021/07/16岡崎二郎入門作品としてSFショートショートの名手・岡崎二郎の、1991年〜1993年のビックコミック増刊号に掲載されていた短編を一冊に集めた本。古今東西の幅広いテーマがぎっしりと詰まった、まさに博物館のような短編集です。表紙に①巻とクレジットされていますが、2巻以降は出ていません。のちに「アフター0 著者編集版」として9巻以降に同じ話が収録されて内容は被っているのですが、初めて岡崎二郎を読む人にとっての入門作品として良い一冊ではないかと思います。岡崎二郎作品集岡崎二郎
ひさぴよ2021/07/11うまずい!粋な女剣士おみっちゃんの時代活劇。 山田芳裕先生の作品には、必ずと言っていいほど、大柄でパワフルな女性が登場しますが、女主人公はこの作品だけではないでしょうか。 話自体は用心棒のようなストーリー構造で、対立するそれぞれの陣営にいろんなタイプの侠客が登場し、愛しいと思いながら殺し合う。その男がイイ男かどうかはおみっちゃんの考える「うまずい」という価値観を通して描かれます。この考えは山田先生の作品に共通する考え方ですね。 「あずみ」や「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」のような一対多の戦いが好きな方は、序盤の見せ場である左文字一家との対決シーンは必見です。いよっおみっちゃん山田芳裕2わかる
ひさぴよ2021/06/30ネタバレ豊田徹也「影踏み」は「アンダーカレント」のスピンオフ的な短編でありながら蟲師の世界観と見事に融合している #お買い得本> 蟲師蟲師あまりよく知らないんですけど、ファンだったら買って読んだほうが良いですか? https://manba.co.jp/topics/30932 というコメントを見かけたのでクチコミで回答。 **結論としては、豊田徹也ファンの方は読んだ方が良いと思います。** 世界観のベースは『蟲師』ですが、収録されている短編「影踏み」には、「アンダーカレント」に登場する探偵・山崎が主役として出てきます。 (過去作「ゴーグル」「珈琲時間」にも登場するあの山崎です) 蟲師の設定を上手く活かしながら、話自体はアンダーカレントのスピンオフとしても読めると思います。ページ数も50p程の長さで、非常に読み応えがありますよ。蟲師って何?という疑問についても、作中で説明がありますし、問題なく作品世界に入り込めるかと思います。 ここからは蛇足です。 豊田徹也氏以外にも豪華なアフタヌーン作家陣が参加していますが、どの短編も素晴らしい出来で、これで660円という価格は正直言ってお買い得本です。蟲師未読の方でも、この短編集をきっかけに、蟲師ワールドに入ってみるのも有りかと。もし興味を持たれた方は、ぜひ本編も読んでみてください。 さらに蛇足。 蟲師の作者・漆原友紀先生は、のちに「猫が西向きゃ」という作品を発表するのですが、これが豊田徹也氏の「影踏み」とちょっと似ているのです。単なる偶然かもしれませんが、もしかすると、「影踏み」の構想からインスピレーションなり、影響を受けたのではないかと思うのです。蟲師にも近いエピソードがあったかもしれないですが、あらためて読み直してそう感じました。蟲師 外譚集漆原友紀 芦奈野ひとし 熊倉隆敏 吉田基已 豊田徹也 今井哲也4わかる
ひさぴよ2021/06/18嫌ぁ~な思い出満載のエッセイこの本は、エッセイ調の文章とイラスト、そして作者・清野とおる氏の当時の生写真を交えた、嫌ぁ〜な思い出の集合体。通常のマンガと構成は違うのですが、意外と読みやすかったです。読んでいても違和感なく、不思議とマンガを読んでいるかのような感覚で読めました。 基本的には、多感な時期の清野とおる氏の身の回りで起こったおバカな事件を紹介していくだけですが、まわりの人間も含め、幼少期から既にクセがすごいです。びっくりしたのは「射精おじさん」などの性犯罪者たちの思い出もカジュアルに語られること。笑って良いのかどうか迷う部分もありましたが、それでも最終的に噴き出してしまうほど面白く笑い飛ばしてます。バカそうな男子でも、意外と大きなトラウマを抱えてたりしますからね。正面から向き合えば『あ゛あ゛あ゛あ゛』となるような体験談のはずですが、こうしてネタとして笑い話にすることも大事なんでしょう。バカ男子清野とおる1わかる
ひさぴよ2021/06/15かわいくておもしろくてクマっちゃう #推しを3行で推すみずしな先生特有の文字量がないだけに、間の抜けた面白さが際立っていて、どれもおかしくてかわいくて仕方ない4コマ漫画です。 やわスピで公開が止まってからしばらく経つようですが、もし続きが出るなら読みたいですね。ちなみに、おまけマンガに『いとしのムーコ』のムーコが出てきます。くまっチャウンダーみずしな孝之1わかる
ひさぴよ2021/06/14マンガ賞を獲ってないのが信じられない!!これほどの作品がどのマンガ賞にもノミネートされていない事が信じられないです。非常に重いテーマですが、人の一生とは何か、ということをあらためて自分に問い直したくなります。練られたストーリーに加えて、マンガの表現技法に関しても、もの凄いことをされているように感じました。なにぶん自分ではその凄さを伝えるには力不足なので…マンバ通信のライターのどなたか解説してくれないかと願っています。青い鳥~わくらば~村上たかし
ひさぴよ2021/06/12事故は起こるさ…『Dr.コトー診療所』の山田貴敏先生が90年代に少年サンデーで連載していた、あらゆる事故の原因を解明しようとするヒューマンドラマ。 主人公・鯨樹雄(通称クジラ)は内閣官房特命調査官という役職につき、普段はおもちゃの修理屋を営むオッサン。ひとたび大きな事故がおきると現場に駆けつけ、その調査能力で予想外の真実を導き出していくというのが基本ストーリーです。 https://websunday.net/museum/no40/img/page12.gif 題材としては非常に地味なものでしたが、乗り物事故、自然災害事故、毎回さまざまな危険な事故現場が描かれています。中にはちょっと現実離れした設定もあって、リアリティ不足が気になってしまう部分もあります。 話の終わりには必ず「事故調査報告書」なるものが出てきて一区切りついて、別の事故の話に変わります。この内容で12巻もあるので一度に全部読み通すのは疲れますね。思い切って途中の巻で好きな話だけ読むのもアリです。 主人公クジラとヒロイン柊のキャラクターは抜群にいいコンビで、家族のような恋人のようなすごく良い関係。柊って妙に気になる存在で、クジラと並ぶと子どもみたいに見えるのだけど、話によって大人っぽくなったり見た目の印象がコロコロと変わり、ほとんど同一人物には見えない回もありました。クジラとは家族みたいな関係で恋人でもなかったけど、作品になくてはならない不思議な存在でした。アクシデンツ山田貴敏1わかる
ひさぴよ2021/06/10魔法使いサリーの原点を知る #お買い得本魔法少女モノの原点と言われる横山光輝の『魔法使いサリー』。そのプロトタイプ作品がこの『ちびっこ天使』になります。紙の本はプレミア価格がついてますが、電子書籍なら550円とリーズナブルな値段で読めます。 描かれた時代は、1963年10月~1964年8月『りぼん』に連載(※参考: https://ebookjapan.yahoo.co.jp/content/author/1837/cibikko/ ) されていたもので、『奥様は魔女』(1964)とほぼ同時期。横山光輝が少女向けのマンガを描いてた時代の作品になります。地上に使わされた天使たちが人間社会の中で善悪を学んでいくストーリーで、横山先生らしい洞察力と素朴な優しさを感じる作品です。 巻末には『おジャ魔女どれみ』や『ふたりはプリキュア』などを手掛けた関弘美さんの文章では、作品が復刻したことの喜びと、現代の子どもにも読んでほしいという力強いメッセージが綴られています。 > ちびっこ天使を手に取られた皆様にお願いします。この本をどうか、お子さんやお孫さんにプレゼントしてあげてください。今の子どもにもきっと共感してもらえると思います。ちびっこ天使横山光輝
ひさぴよ2021/06/02香港の九龍城をモデル…香港の九龍城をモデルとした集合団地が舞台。(作中で「百窟城」と呼ばれている) 少女・タオをはじめとした様々な住人たちの切なくも温かい物語です。 カオスな場所に住む人たちのドラマってなぜこうも惹かれるのでしょうか。 アンダーグラウンドさを求める人にとっては少し物足りなく感じるかも。タオの城板倉梓