ゆゆゆ
ゆゆゆ
1年以上前
新生児育児は体力が必要。 定年退職後なら、なおさら大変。 だから、鍛えてきた筋肉とともに乗り越えよう。 ふにゃふにゃの新生児の体はとてもこわい。 だから、鍛えてきた筋肉でしっかり支えよう。 これまで刑事として働いてきた経験と筋肉で、産後間もない我が娘を支えていく! 頼むよ筋肉!! というかんじのあらすじです。 元鬼刑事のじーちゃん(ムキムキ)による孫育児が描かれており、第一話は娘が出産後退院して間もないころから始まります。 娘の旦那さんは単身赴任をしているようです。 娘さんは実家へ帰ってきているようです。 赤ちゃんの何気ない表情がリアルだなあと思ったら、作者さんに子どもが生まれてから描かれた漫画なのだそうです。 赤ちゃんの表情に癒やされます。 そしてキャラクターがすごく筋肉なのですが、我が身が筋肉の塊なら!と思うことがあったんでしょうか。それとも、鍛えていたんでしょうか。 twitterで見かけたお試し漫画の意味が分からなくて、本編を読んでみたら、本編も筋肉でした。 最後のほうに出てくる、赤ちゃんを膝に乗せているじーちゃんが主人公?です。 思考がとってもポジティブで、刑事で、筋肉のじーちゃんです。 https://twitter.com/uechitakro/status/1654084487393996800
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
『絶対に風呂に入りたくない彼女VS絶対に風呂に入れたい彼氏』の蝉丸さんが描く、前作とは打って変わって不穏な物語です。 近年では、主人公が無条件で努力もせずに無双する作品を好む方が多いといいます。仮にイケメンでなかったとしても女性にやたらと好かれる、そんな主人公はたくさん見ると思います。 しかし、本作はそんな無条件で好かれる主人公という存在に対してある種メタ的な立ち位置にある気がする作品です。気がする、というのはまだこの作品の核、ヒロインの高校2年生の完璧黒髪ロング美少女・透桜子(とおこ)の真意の深淵が見えないからです。おじさんが女子高生に好かれる物語といえば『娘の友達』のような作品もありますが、ああいった類の物語ともまた性質を異にしています。 主人公は、結婚相手の娘である透桜子に最初からやたらと好かれます。それどころか、父娘というラインを踏み越えるようなスキンシップをしてきます。その行為には、果たしてどんな動機があるのか? 公式からも「仄暗いホームサスペンス」として提示されていますが、これはサイコホラーなのか? ホワイダニットのミステリーなのか? とも思わされる内容です。そして、その混乱に更に拍車をかけたのが今回発売された単行本における描き下ろしの最後の描写です。この物語を読み解くためには、絶対に必要であろう重大なピースが描かれていました。 単行本の続きとなる連載最新話付近もなかなかすごい展開になっていますが、この描き下ろしと併せて考え点と点を繋ぎ合わせたときに浮かび上がる像が果たして現実のものとなるのか……。 透桜子のピュアモードと闇モードのギャップを美味しくいただきながら、続きを楽しみに待ちます。
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
もしも人生の「あの瞬間」に、別の選択肢を選んでいたらどうなっていただろうか…… そんな風に考えたことがある人は多いことでしょう。 新歓コンパで出逢った日から片想いをしていた春呼(はるこ)さんと絶妙に仲を深めながらも想いを告げる瞬間を逃し、最終的に他の男と結婚されて血の涙を流す男・夢路浪(ゆめじろう)。そんな彼が、別の世界線に飛んでかつての後悔を取り戻そうとする物語です。 タイムリープややり直し系の物語は昨今数多くありますが、多くの作品は過去に戻りまったく同じ状況に対して違う選択肢を取って未来を変えて行くものが多いです。 ただ、本作においてはあくまでパラレルワールド、並行して存在する世界なので、そのやり直したい瞬間に戻ったとしても、そこは数多の分岐を経て辿り着いた無数の世界線の内のひとつなので、自分の記憶通りではなく相手の性格や外見もランダムに変化しているというのがミソです。 テセウスの船のような問題ですが、一体何がどこまで残っていたらそれは自分の好きな相手だと言えるのか。SF的な、哲学的な問題もはらみながら純粋な想いが主人公を駆動させ続けていきます。果たして、サルがシェイクスピアの小説を書くような世界線ガチャの当たりを引けるのか。個人的に、アカシックレコードを可視化したようなシーンが好きです。 また、そんな夢路浪のことを昔からずっと気に掛け続けてくれた、幼馴染のサトイモこと里井桃がかわいいです。前作の『恋、ヒトゴトに及ぶ』でも見られたような、絶妙な片想いに心を擽られます。 恋愛ものが好きで、そこにSF的要素が加わったものは更に好きという方にお薦めしたいです。
名無し
1年以上前
も〜〜〜大変な作品が登場しましたよ。個人的に今後のBL界を大きく揺さぶる存在になるのではと考えていますこのモンスターアンドゴースト。作者のヒメミコ先生の画力が本当にすごくて!全ページ全コマ隙がなく美しい!何と言ってもメインカプである攻の戸純椿(ことんつばき)君と勇樹兜(ゆうきかぶと)君の顔面がむちゃくちゃ美形!!!!!本当にきれいで格好良い!!!!!それだけでなく、受のカブ君が死んでる状態で始まる異例の事態。幽霊に取り憑かれた不器用なモンスター高校生のお話です。1話では暴れまくってた椿君ですが、陽キャ幽霊のカブ君が側で理解してくれることで少しずつ角がとれて表情も柔らかくなり、周囲に引かれていた距離もちょっとずつ変化が出てきます。2話ではイビツ君という仲間もできて、椿君の暗黒面も飛び出しますがそれでより深く彼のことを知れます。 画面からキラキラが伝わるほど明るく可愛らしいカブ君ですが、死んでるんですよ。2話のラストで思い出さされて。ガーンとなりますが、ヒメミコ先生ご自身がハッピーエンドだと明言して下さっているのでご安心ください。これからもいろんなことが起きると思いますが、最後に笑えることを信じて続きを楽しみに待っています。
まみこ
まみこ
1年以上前
勿論、タイトルは、The Bandの解散コンサートを撮ったドキュメンタリー映画、"The Last Waltz"から取られています。 …のように、'70年代末辺りに、ロックやブルーズにハマった、中年、と言うか初老男性の音楽遍歴の自分語り、それも自己陶酔が過ぎて少々気持ち悪い感じ、で構成された奇妙な一冊です。 …とは言え、やっぱり画力は流石なんですよね。 楽器って、本当に銃とかバイクと同じ、精密機器なので、正しく描かないと、説得力無いんですよ。今となってはビンテージになったギターの、ペグやブリッジ、フレットの一本一本まで細かく描く、それに向き合う姿勢、全然イヤじゃないです。 Amazonのレビューでも書かれていましたが、「漫画ゴラクより、リットーミュージックあたりで連載した方が良いんでないの?」は、全くの正論ですわ。 実は、この単行本に収録されなかった、悲劇の最終回があります。 作者は、2巻に向けて、話を考えたりネームを切っていたのですが、打ち合わせの時に、担当編集者と営業担当に、「1巻の予約の数字が、目標に到達しなかったので、このまま打ち切りです」と非情な宣告を受け、心が折れてしまうのです。 「1巻の予約の数字で、その後の連載継続が決まる」と言う日本文芸社/漫画ゴラクのシステムを、ハッキリ意識したのは、これが最初だったのかもしれません。 でも、描写はされなくても、最後のワルツは、終わることなく、ずっと続いていくんでしょうね。そういう変な余韻のある一冊です。