神の犬(2)

神の犬

▼第1話/西より東より▼第2話/黒の群れ▼第3話/風の化身▼第4話/始動▼第5話/森の家▼第6話/ザポリャーリエ(極北)▼第7話/回帰▼第8話/罠▼第9話/火の時▼第10話/燃えあがる森▼第11話/再会▼第12話/生きる ●主な登場人物/タイガ(軍事戦闘犬・ブランカと野生の狼との子供)、ナギ(軍事戦闘犬・ブランカと野生の狼との子供、タイガの兄弟) ●あらすじ/ブランカの元飼い主・パトリシアは、最近同じ夢を見る。黒毛の犬と銀毛の犬が戦っている夢だ。一方、荒野に残されたままのタイガの兄弟・ナギを探しているR共和国軍のウォルシュ中尉は、仲間のボシュコフ中尉を埋葬しているシェラ・ワーヤキンに出会う。ボシュコフはナギに殺されたのだとワーヤキンに聞かされ……(第1話)。▼帰巣本能に導かれるままアラスカへと走り続けるタイガ。飢えを凌ぐために、ときには家畜を、そして人間までをも襲いながらひたすら東へと走り続ける。そして、はるか西の方角から放たれるタイガの“怒り”に感応したナギもまた、まっすぐ西へと走り出す……(第2話)。 ●本巻の特徴/互いに引きつけられるようにタイガとナギが、R共和国軍をはじめとした人間たちの追撃をかわしながら厳冬の荒野を走り続ける。そして、カナダのコリムスク村で出会った2匹の兄弟は……。 ●その他の登場人物/ブランカの元飼い主・パトリシア(第1、3~5、10~12話)、軍事戦闘犬を養成しているR共和国軍部の中心人物・シュミット大佐(第4、6~10話)、オオカミの生態を研究するエリック教授の助手・鈴木健太郎(第1~5、7、10~12話)

歩くひと

歩くひと

▼第1話/鳥を見る▼第2話/雪が降る▼第3話/町に出かける▼第4話/木のぼり▼第5話/雨が降る▼第6話/夜泳ぐ▼第7話/台風のあと▼第8話/長い道▼第9話/星の降る夜▼第10話/路地をぬける▼第11話/かすんだ風景▼第12話/桜の寝床▼第13話/忘れもの▼第14話/夜明け▼第15話/よしずを買って▼第16話/いい湯だな▼第17話/海を見に来て▼解説・村上知彦●登場人物/夫(郊外の借家に引っ越してきたばかりの男。年齢40歳前後)。妻(夫とともに郊外に移り住んできた)。ゆき(この家に迷い込み、飼われることになった飼い犬)。●あらすじ/仕事の都合で郊外の一軒家に引っ越すことになった夫婦。夫は着くなり、「ちょっと歩いてくるよ」と言い残し、家を後にする。行く先々で、都会では見られない自然を感じながら歩いていくうち、林でバードウォッチングをしている人を見かける。望遠鏡を覗かせてもらった彼の眼に、初めてシジュウカラの姿が飛び込んできた。そうして家に帰ってみると、一匹の白い犬が迷い込んで来ていた。前の飼い主が置いて行ったというその犬を、彼ら夫婦は飼うことにする(第1話)。●本巻の特徴/1回の掲載分8pのなかで、日ごろ眼に止めないようなある町の風景の数々を、「あるく人」の眼から繊細なタッチで畏敬や憧れの対象として描き出してみせる珠玉の小品。『「坊っちゃん」の時代』で98年手塚治虫漫画賞を関川夏央とともに受賞した谷口ジローが、その連載と平行して描いた異色作である。●その他データ/『モーニング・パーティー増刊』90年30号~91年47号掲載。

冬の動物園

冬の動物園

京都の織物問屋に就職したものの、社長の一人娘の駆け落ち事件に巻き込まれ、会社に居づらくなった若者は“東京”を目指す。憧れの“マンガの世界”へ飛び込むべく…! 谷口ジロー自伝風、愛の連作!! ▼第1章/冬の動物園▼第2章/始まりの春▼第3章/裸婦を描く▼第4章/兄が来た▼第5章/長い休日▼第6章/星に願いを▼第7章/冬の陽だまり ●主な登場人物/浜口(京都から漫画家を目指して上京した青年) ●あらすじ/昭和41年12月。高卒後、鳥取から京都の織物問屋に就職した浜口は、休日となると動物園へスケッチに行く日々。社長宅にある蔵を改築した建物に下宿している彼が、ある日スケッチから帰宅すると、先輩社員たちが社長の娘・綾子の噂をしていた。2年前に結婚したものの、自らの浮気が原因で出戻ってきたという彼女。その翌日から社長の言いつけで、綾子の外出時には社員の誰かが監視のため付き添うことになり…(第1話)。●本巻の特徴/今、ヨーロッパで最も注目を集める“マンガ家”谷口ジローが、自らの青春の日々と重ねあわせて描く自伝風・愛の連作。●その他の登場人物/近藤史郎(浜口がアシスタントに入った漫画家)、森脇(近藤のチーフアシスタント)、藤田(近藤のアシスタント。人見知りで大人しい)、東野(「少年ホリデー」の近藤担当編集者。女性)、田村(浜口の元同級生で友人。仕事の新聞配達先の縁で、浜口を近藤に紹介した)

犬を飼う

犬を飼う

▼第1話/犬を飼う▼第2話/そして…猫を飼う▼第3話/庭のながめ▼第4話/三人の日々▼第5話/約束の地 ●登場人物/私(仲間6人とデザイン事務所を開いている)、妻(陶芸教室の技術指導助手をしている)、タムタム(テリアと柴の雑種犬。オス)、ボロ(ペルシャ猫。メス) ●あらすじ/“私たち”の愛犬・タムタムは14歳の老犬。犬にとって食事の次に楽しみなのが散歩。日に日に衰えていくタムタムの足を気遣いながら、“私たち”は毎日タムタムを散歩に連れていく。しかし遂に起き上がれなくなり、死期を迎えるタムタム。最期までがんばり続けるタムタムの姿が“私たち”の胸を切なく打つ…「言葉を交わせない犬の死も人間の死も同じだ」(第1話)。タムタムを看取って1年、ひょんなことから“私たち”は飼い主に見捨てられたペルシャ猫のボロを飼うことになる。最初はひどいブスに見えたが、馴染んでくると何ともかわいい顔に見えてくるボロは3匹の子猫を産む。ボロの母親振りに純粋なものを感じ、“私たち”の心はやわらいでいく……(第2話)。 ●その他の登場キャラクター/秋子(“私たち”の家に家出してきた妻の姪)、富田獣医(信頼できる獣医師)、宮本さん(動物保護協会のボランティアをしている)

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