あらすじイシュカに人質として送られたティオキアの消息が途絶えたイズァローンではティオキア・ルキシュ両派の対立が徐々に深まっていた。次代の王ともてはやされるなか、ルキシュは苛立ち、もの思いにふける。一方、ティオキアはイズァローンより北に位置するアシキスニに、王子の称号をかくして身を寄せていた。イズァローンにいた頃とは異なる、ふたつの――陽気で大胆な少年と、以前にもましてはかなげな少女のような――人格を伴って。