あらすじ

これは人びとと自然とが、まだ分かたれないころの物語。樹海に覆われしイズァローン王国にはふたりの王の子がいた。現王の子アル・ティオキアと、亡き兄王の子ルキシュ――幼少期を両性体(プロトタイプ)で過ごすというこの国の子どもの特質により、王子でもなく王女でもないまま、きょうだいのように仲良く育っていったふたりであったが、時がたち、ひとり――ルキシュが王子となっても、もうひとり――ティオキアは両性体のままであったことにより、次期王位をめぐる周りの人々によってふたりの仲は切りはなされていった。その中、ティオキアはイズァローン王の命により人質として隣国へ送られることになる――!!
イズァローン伝説(1) アッハ・イシュカの庭
これは人びとと自然とが、まだ分かたれないころの物語。樹海に覆われしイズァローン王国にはふたりの王の子がいた。現王の子アル・ティオキアと、亡き兄王の子ルキシュ――幼少期を両性体(プロトタイプ)で過ごすというこの国の子どもの特質により、王子でもなく王女でもないまま、きょうだいのように仲良く育っていったふたりであったが、時がたち、ひとり――ルキシュが王子となっても、もうひとり――ティオキアは両性体のままであったことにより、次期王位をめぐる周りの人々によってふたりの仲は切りはなされていった。その中、ティオキアはイズァローン王の命により人質として隣国へ送られることになる――!!
イズァローン伝説(2) 黄昏の王国
イシュカに人質として送られたティオキアの消息が途絶えたイズァローンではティオキア・ルキシュ両派の対立が徐々に深まっていた。次代の王ともてはやされるなか、ルキシュは苛立ち、もの思いにふける。一方、ティオキアはイズァローンより北に位置するアシキスニに、王子の称号をかくして身を寄せていた。イズァローンにいた頃とは異なる、ふたつの――陽気で大胆な少年と、以前にもましてはかなげな少女のような――人格を伴って。
イズァローン伝説(3) 金の谷のフレイア
「知覚の扉」の向こうに隠されていた秘密にティオキアが触れたとき、闇が広がり、魔物たちが解き放たれた。地の底から放たれた魔物たちは、森を越え山を越えてその影響を及ぼさんと駆けめぐる。おさない「悪」しか知らぬ人間たちの心に本物の「憎悪」と「悲惨」を植えつけるために。変化が訪れる――ルキシュに、ティオキアに、世界に――。
イズァローン伝説(4) エゼキエルの幻視
日に日に強まってゆく自身の“魔”の力に苦悩するティオキア。カウスは問う、なぜ彼でなければならないのかと。導師は答える、選ばれ、魔物を世界にはなった彼こそが、放っただけのことをせねばならないのだと。一方、アシキスニの国でティオキアが荒地(マキュロス)へ向かったという噂を聞き、後を追っていた両性体の戦士・ユーディカと弟タズトであったが――!?
イズァローン伝説(5) 金と銀
王妃・フレイア、17歳の誕生日に賑わうイズァローン王国。明るい祝福の声の影で、結婚から1年たっても世継が生まれないこと対する疑惑が囁かれていることを察したフレイアは、内紛を避けるため、王直属親衛隊を選抜するための御前試合を開催して人々の関心を逸らすよう進言する。その御前試合にかつて恋仲であった――いまなお恋しい――アスナベルが馳せ参じるとは、知るべくもなく……。
イズァローン伝説(6) 影との戦い
アシキスニで地底より魔を放ち、各地に散った“魔王”の護身具を集め、いままた魔王として魔を押さえ込むティオキアは次第に民から“救世主”と崇められるようになる。その頃、新帝国建設が着々と進むイズァローンでは、王妃フレイアをめぐりルキシュ王の王騎士アスナベルに対する信頼感に歪みが生じ始めていた――。
イズァローン伝説(7) 影の中の真実
その存在が各国に広まった救世主ティオキアを一目見るため、厳刑も恐れず国境を超える民がめだちはじめていた。一方、ルキシュの命により救世主の調査に向かったアスナベルは、ティオキアが民に差し伸べる救いが悪しき行為にしかなり得ないと判じ、彼に残酷な言葉を告げる。
イズァローン伝説(8) 魔神
たったひとり、魔と相対するために造られた――。金の谷で、ティオキアはついに自分自身の内にある真実へと辿り着いた。あまりにも残酷な運命……だが、そこから逃れる術はない。それは、ガラテアの記憶を継ぎ大教母となったフレイアも同様であった。――決断の時が迫る!!
イズァローン伝説(9) 過去からの予言
ひとめルキシュに会いたい――イズァローン領内へと入ったティオキアは、各地で過酷な労働にあえぐ民の不満を吸収しながら歩みを進めていた。一方、ティオキアにかけられた魔をはらうため“ゲドの魔薬”を求めていたアスナベルは、ついに魔術師ゼーダが棲むという砦に辿り着く。そして、アスナベルの内部に触れ“魔王”の出現を知ったゼーダは歓喜の声をあげた――。
イズァローン伝説(10) 明星“ルシファ”
ティオキアを次代の王に――そう記された前王の遺言。自分ではなく、アスナベルを愛しているフレイア。ルキシュの目に映るそれらが、心を黒く覆っていた。一方、商人の一行に紛れイズァローン市を目指すティオキアにも変化が訪れていた。自身のなかにある“魔王”の存在と真っ向から向き合い、そして……!!
イズァローン伝説(11) カドル(運命)の夜
目前に迫る、イズァローン城――ティオキアのもとには彼を救世主と、指導者と信奉する多くの民が集っていた。その規模は、一つの村かと見まごう程に膨れ上がり、更にはイズァローンの民をも吸い寄せているかのように見えた。そのことがルキシュ王に対する謀反であると見なされ、ティオキアは捕らえられてしまう。ついに対面するルキシュとティオキア。ルキシュの心は木の葉のように揺れた。
イズァローン伝説(12) アマル(希望)の果て
訪れる、人と魔の戦いのとき。運命によって分かたれたふたりの王の子、ティオキアとルキシュ――イズァローンにて再び交わったふたりは何を選び、何を為すのか。ヒロイック・ファンタジー巨篇、堂々の完結!
アンドロメダ・ストーリーズ[カラーイラスト完全版デジタルエディション]

アンドロメダ・ストーリーズ[カラーイラスト完全版デジタルエディション]

アンドロメダ星雲の片隅に位置する惑星アストゥリアス。平和を謳歌していたコスモラリア帝国だが、外宇宙より到来した自律型コンピューターによる侵略を受け、人々は精神を乗っ取られてゆく。レジスタンスにより救われた王位継承者の王子ジムサと、双子の妹アフルは、互いの存在を知らされぬまま熾烈な戦いに身を投じていた。数奇な運命に翻弄されつつ二人は出会い、女戦士イルらと共に、機械との最終決戦の場へと向かうのだった…。少女漫画界の巨匠・竹宮惠子×SF界の重鎮・光瀬龍によって生み出された、美しく壮大なSF叙事詩が完全版で登場!
地球へ…[カラーイラスト完全版デジタルエディション]

地球へ…[カラーイラスト完全版デジタルエディション]

地球から遠く離れた植民惑星アタラクシアで生まれ育った少年ジョミー・マーキス・シンは、『目覚めの日』の数日前から青い髪の若者の不思議な夢を見ていた。夢の若者の正体は、超能力を持つ新人類「ミュウ」の長ソルジャー・ブルー。「ミュウ」は排斥しようとする人類に抵抗して何世代も戦い続けていた。「さあ――ジョミー、目を覚ませ」ジョミーの覚醒は人類と「ミュウ」の存亡を賭けた最後の戦いへ…。果たして、ジョミー率いる「ミュウ」は地球(テラ)へたどり着くことができるのか……? 竹宮惠子が描いた伝説的SF大作、連載時カラー原稿、カラーイラスト集を巻頭に収録した完全版デジタルエディションで登場。
地球へ…

地球へ…

遙か遠い未来……ワープ航法を可能にした人類は、欠乏する資源を求めて宇宙へと飛び立つなか、一つの結論に到達した。人間たちこそが地球(テラ)を窒息させる――と。そして訪れた、特殊政府体制(スペリオルドミネーション)の時代。性格一致、完全温厚、歩行整然……一糸乱れず。エネルギーのぬけた顔が並ぶ中ひときわ目立つ、エネルギーがありあまった不良児童・ジョミー・マーキス・シンにも“目覚めの日”が訪れようとしていた。1977年の連載開始と共に大ブームを巻き起こした、冒険と感動の超大作SFコミックス『地球へ…』。連載当時のカラーページを完全復刻し、今よみがえる!
天馬の血族

天馬の血族

広大な草原を治める騎馬民族の国・チグル汗(ハン)国に、颯爽と“気”を使いこなし、男の子にも負けない勇敢さを備えた少女がいた。彼女の名はアルトジン。大自然に囲まれて平和に過ごしていたアルトジンであったが、その胸には運命の“印”が刻まれていた――。竹宮惠子が贈る、疾風怒涛のアドベンチャー・ロマン開幕!!
風と木の詩

風と木の詩

――ぼくを満たしてくれるものは、あのあつい肌と肌とのふれあい――。妖しい魅力を纏った少年、ジルベール・コクトーは抱かれることでしか心満たされず、威厳あるラコンブラード学院においても退廃的な生活を送っていた。あるのは、孤独だけ……そんな中、学院に1人の転入生がやってくる。セルジュ・バトゥール――貴族の父とジプシーの母の血を引き、黒髪ととび色の肌をした転入生。眩いばかりの純粋さで周囲を魅了する一方で、彼もまた埋めがたい孤独を抱えていた。共に孤独を抱えながら、対照的な2人は、傷つけ傷つきながらも交差する。19世紀南仏を舞台に開花する青春と愛を描いた、傑作ロマン第1巻!
私を月まで連れてって!

私を月まで連れてって!

時代は――まあ、百年後。月旅行が北海道への蜜月旅行(ハネムーン)ほどに、火星旅行は欧州旅行ほどなじみ深くなった頃。A級宇宙飛行士ダン・マイルド(26歳)が恋をしたのは、エスパー少女ニナ(9歳)!?――そう、私あなたに恋をしてたわ。ダンぜんマイってたの――。キュートでコミカルなロマンティックSFラブコメの金字塔!!カラーを全て復刻した完全版第1巻☆収録作品:Vol★1夢みるマーズポート/Vol★2ダン・マイルド氏はご機嫌ななめ/Vol★3浪漫的家屋(ルビ:ロマンチックハウス)/Vol★4パラドックスの匣/Vol★5麗しのSABURINA/Vol★6ヘラクレス病原体/Vol★7ザ・クローン/Vol★8スーパーカー・グラフィティ/Vol★9ジャバーウォックとお茶会を/Vol★10オリオン座は笑う
ファラオの墓

ファラオの墓

古代エジプト――戦乱の時代。平和を望む弱者は強者にことごとく喰らわれていく。エステーリアもその一つだった。滅ぼされた国――エステーリアの王子・サリオキスと、滅ぼした国――ウルジナの王・スネフェル。戦乱の中で愛憎が渦巻き、そして時代が大きく動きだす。竹宮惠子が描く、壮大な歴史大河ロマン、第1巻が連載時のカラーページをすべて再現した完全版で登場!収録作品:第1章落ち武者/第2章とらわれた若獅子/第3章蛇王/第4章流れる星/第5章人びとの歌/第6章翔ぶ鷹/第7章漂う心
アンドロメダ・ストーリーズ

アンドロメダ・ストーリーズ

青の魚座に白い虹のかかる月、第5日。惑星アストゥリアス、コスモラリア帝国では皇太子イタカが王位につき、同時に、かねてからの婚約者リリアとの成婚の儀が滞りなく執り行われた。夜空を仰ぎ、国の平和と妻の幸福を誓う王の瞳に、ひとつの新しい星が映った。ひときわ輝く星に美しき妻の姿をかさねる王――それが、凶星であるなどと……知る由もなく――。竹宮惠子と光瀬龍、ふたりの巨匠が生み出したSF超大作が、現存するカラーページをすべて復刻した完全版で登場!!
竹宮惠子作品集

竹宮惠子作品集

竹宮惠子の1960年代発表作品を収録した傑作短編集!東京から別荘に遊びに来たルリちゃん一家のもとに、リンゴの中に入った脅迫状が届いた。すぐ東京へ帰らないと家に火をつけるという内容で……犯人はいったい誰?デビュー作「リンゴの罪」を含む全9作品を収録!■収録作品■ここのつの友情(習作)/弟/リンゴの罪/かぎッ子集団/ゆびきり/ルナの太陽/スーパーお嬢(こい)さん!/カップリングOh!/ギターと三味線
変奏曲

変奏曲

音楽に魅入られたふたりの天才少年と、彼らをとりまく人々が紡ぎだす変奏曲は――。クラシック音楽を題材とした名作を連載当時のカラーページを全て再現した完全版でお届けいたします。『ヴィレンツ物語』/『変奏曲』/『アンダルシア恋歌』を収録したデジタルオリジナルの編集版で、作品世界をお楽しみください。