あらすじ

あなたの、特別でありたい。引き合い、守り、まして立ち向かうことも望めない――。苦しみさえ分かち合えず、コウちゃんとの別れを選んだ夏芽(なつめ)。壊れた世界を抱えたまま始まった中3の新学期、二人は奇しくも同じクラスに……。不器用でままならない、気高くあやうい10代が惑う、青春の恋。
溺れるナイフ 1巻

どうすればいいのかわからないけど、欲しいのはこの子だけだ――。小6の夏芽(なつめ)が越してきたのは、東京とあまりに違う田舎の町。そこで出会った一人の少年に、夏芽は自分の中の「何か」が、大きくうねるのを感じていた……。せめぎあい、追い上げ、追い込んでいく、破裂寸前の10代のこころを描いたジョージ朝倉の傑作長編!

溺れるナイフ 2巻

すべてにおいて特別で、なにをやっても追いつけない、圧倒的な「コウちゃん」の存在。どうしても自分を認めさせたくて夏芽(なつめ)が決めた「ある事」とは……。“追いつきたいんじゃない、つかまえたいんだ”ジョージ朝倉が描く、破裂寸前の10代のこころ!

溺れるナイフ 3巻

求め合い、そして突き放す。大人以上の恋をする、少年少女の物語。その強烈な力(パワー)に対抗したくて引き受けた仕事がきっかけで、夏芽(なつめ)はコウちゃんとつきあうことに。「一番欲しいもの」を手に入れて、運命さえ味方につけた気分の夏芽だったが……。“コウちゃんが世界の始まりになればいいのに――”破裂寸前の10代のこころが、ついに動きだす!

溺れるナイフ(4)

憧れて共謀して恋焦がれて。初恋よりも切ない、中学生の想いがいま――。ファンの一線を越え、近づいてきた男に夏芽(なつめ)は連れ去られ、姿を消した。「異変」に気づいたコウちゃんは一人、懸命に跡を追いかけるが……。“コウちゃん。わたしたちは力も光も、思いのままで――”気高くあやうい10代が揺らぎだす!!

溺れるナイフ(5)

あんなにキラキラしてて、あんなに愛(いと)おしかったのに――。誘拐事件(あの日)を境に汚され、踏み荒らされた「世界」を元に戻すことはできないと、思い知らされた夏芽(なつめ)とコウちゃん。心ない周囲の目が、追い討ちをかけ……。気高くあやうい10代が大きく軋む!!

溺れるナイフ(6)

あなたの、特別でありたい。引き合い、守り、まして立ち向かうことも望めない――。苦しみさえ分かち合えず、コウちゃんとの別れを選んだ夏芽(なつめ)。壊れた世界を抱えたまま始まった中3の新学期、二人は奇しくも同じクラスに……。不器用でままならない、気高くあやうい10代が惑う、青春の恋。

溺れるナイフ(7)

あのころのあたしたちが見つからないんだ。苛立ち、立ちすくみ、また探し求める――。コウちゃんの光は消えて「世界」も消えた。もう関係ないはずなのに、今もその「存在」を意識せずにいられない夏芽(なつめ)。そんな波立つ気持ちを見透かすように、親しげに残酷に、コウちゃんは夏芽を構いはじめて……。気高くあやうい10代がざわめく!

溺れるナイフ(8)

コウちゃんとの、もはや近づきようのない「距離」に打ちのめされてしまった夏芽(なつめ)。冷えて、あきらめていくしかない想いの一方で、大友(おおとも)の「存在」が、確かな力で、心に波を起こしていき……。気高くあやうい10代がゆれて、ゆさぶられる──。

溺れるナイフ(9)

キラキラと眩しくて、でも決して心を許してはいけないと思う、光――。コウちゃんと自分をこんなにも変えてしまった「あの日(過去)」に繋がれ、大友(おおとも)へ向けられる想いを胸に閉じ込めようとする夏芽(なつめ)だったが……。きみと、太陽の下で笑いあいたい――。気高くあやうい10代の恋、新展開!

溺れるナイフ(10)

気高くあやうい10代が、束の間夢む――。ひたすらの、浮き立つ熱で始まった、華やいだ恋。大友(おおとも)がまとう清々しい空気とゆるぎない存在感に安堵して、夏芽(なつめ)は「幸せな恋」に浸るのだが、そこに、思いもよらなかった人物との再会が……。君が歌う。笑う。幸せでちょっと泣けちゃうほどです。気高き10代が、ふたたび走り出す!

溺れるナイフ(11)

お前のことは、全部わかる――。少年たちの葛藤を描く新展開!なにもかもが癇に障った。目を逸らすことのできない「存在(光)」に強烈に引かれた。最初から、そうだった――。長谷川家の財産を狙う母親とコウの家に入り込んだ従弟の桜司は、酷薄なコウの態度に苛立つが……。気高くあやうい10代が、新たに出会う。展開の第11巻!!

溺れるナイフ(12)

キスや、手と手が重なるたびに、2人を行き交い、高まる熱――。大友(おおとも)との、甘く親密な出来事(未来)を予感しながらも、夏芽(なつめ)は、その陰に潜んだ、底冷えする「あの日(過去)」に静かに怯えて……。いま、わたしは君のために何ができるだろう――。気高くあやうい十代が、願い、光を求める!!

溺れるナイフ(13)

笑って、信じて。この大切な手の熱をきっと離さないでいよう──。別々の高校生活、勢いがつき始めた夏芽の仕事。めまぐるしい流れにとりまかれながら、夏芽は大友との絆を、より確かに結ぼうと決めて…。気高くあやうい十代の物語!!

溺れるナイフ(14)

東京から越してきた美少女モデルの夏芽(なつめ)は、強いオーラを放つ地元の少年コウと付き合うが、レイプ未遂事件が元で別れてしまう。落ち込む夏芽を救ったのはコウの元親友・大友(おおとも)。彼の支えで芸能界に復帰した夏芽は初めて結ばれるのは大友と決意する。そんなある日、夏芽はコウと思わぬ再会を果たすが、なぜか胸がざわつく。激しく傷付けあいながらも引き寄せあうコウと夏芽はついに結ばれる!?

溺れるナイフ(15)

羨望の光、その先は悦楽か敗北か?憧れ、慕うがゆえに生まれる、オウジのコウへの嫉妬と憎しみは、とどまることをしらない……。「光」を前に、理由も、理屈すら消え失せる――。大友(おおとも)との苦い別れのあとに訪れた大きな仕事。夏芽(なつめ)はコウに一緒に上京を望むが、コウは静かに、それを拒んだ。そんなコウの周囲でも、不穏な空気がくすぶり始め……。気高くあやうい十代の魂がほとばしる!!

溺れるナイフ(16)

また炎の夢をみた。コウちゃんは戻れる。わたしは、そう信じる。――その胸のうちを知るために、コウを捜しに東京から戻った夏芽(なつめ)を迎えたのは、コウの部屋(そこ)にいるはずのないカナだった。余裕の笑みに、動揺を隠すことができない夏芽。そのころ、コウは……。求め合っているのに、重ならない気持ち。夏芽とコウ、二人の思いの向かう先はどこなのか……!?

溺れるナイフ(17)

火付け祭りの夜の森で、「長い夢」から覚めた夏芽(なつめ)。「コウちゃんがすべてを終わらせてくれた?」真相を確かめようとするも、コウの返答(こたえ)は、夏芽を混乱させるばかりで……。出会い、焦がし、傷をなし、追い求め、気高くあやうい十代を織り上げた、類なき魂の物語、ついに完結!!それは炎(ひ)となり、鮮烈の眩い光となる――。