大企業になればなるほど陥りやすいのが、前年通り・前例通りという判断の硬直化。こんな大企業病に冒されたときは、新しい試みをと社長の一声があったとしても、なかなか動かないものです。さて、中堅ゼネコンの鈴建もまた、社長のスーさんが停滞する会社の業績に何か変革を、と考えていたその時、定期採用面接が行われようとしていました。去年のように、いつも通りに、という重役達の発言に引っ掛かったスーさんは、大胆不敵な行動をとります。それは、今度の新入社員採用試験の、いつもは役員による面接で採用・不採用を決める最終試験の全てを、よりにもよって万年平社員のハマちゃんに任せちゃおうというもの。これは停滞する企業にイノベーションをもたらす大英断か、それとも無能な経営者の無責任な丸投げか!?重責を担ったハマちゃんは、30人の学生達を房総半島の富浦に連れて行ったのでした。そこには釣り船が……やはり、まさか、の釣り入社試験。ハマちゃんの行動は、果たしてただの趣味ゆえか、はたまた真面目な仕事ぶりゆえなのか?前代未聞の磯での入社選考が始まり、遂には社内上層部をも巻き込む一大事件へと発展するのでした!?
巻数も百を超え、シリーズ映画も終わり、マンネリの極致に達した感もある。浜ちゃんの人の良さで乗り切る展開には、もう飽き飽きしてしまう。 人物の線にもバラつきが見え、画力の衰えも感じ取れる。 なのに。 オリジナルの中に、この画柄が無いと寂しくなってしまう。 マンネリの先にある空気感を掴み取った稀有な作品と言えるのかもしれない。