あらすじ

プロ野球球団・帝神の四番、咲原の「黒い交際」を知った黒須組組長。帝神ファンの組長は、「咲原を暴力団に喰わせるなんてとんでもないことだ!」と怒りを露わにし、咲原を救うため、組を挙げて動き出した。しかし、事を恐れた球団によって、逆に恐喝の罪に問われてしまう!野球賭博を巡るトラブルに、白竜が冷酷無比な審判を下す――!!
白竜 1巻

小さな組織だった黒須組を大きくし、その才知と行動力で渋谷一帯のアンダーグラウンドを支配する男・白竜こと白川竜也。冷酷で手段を選ばぬその手腕。ためらいなく一か八かの賭けに出るその度胸。底が知れないカリスマヤクザ・白竜の、迫力にあふれた活躍を描くハードボイルドコミック!天和会との抗争で窮地に陥った黒須組、白竜は起死回生をはかり…!?

白竜 2巻

「俺は強い…誰よりも!」格闘家から極道になり、怖いもの知らずだった新道一徹。しかし、ある店でのトラブルの際、そこに居合わせた白竜を見て、その視線に射抜かれてしまう。白竜の威圧感に臆した自分が許せない新道は白竜を呼び出し、サシの勝負を申し出る。しかし、そこで新道は白竜の持つ威圧感の正体を知ることとなる…。

白竜 3巻

黒須組の保有する北南鉄道の株が、どんどん値を上げている。今その株を売れば黒須組には莫大な儲けが入るというのに、それを拒む白竜。周りの人間がどれだけ売り抜けを勧めても、頑なに意見を変えない白竜には、もっと大きな「絵図」が見えていた…。

白竜 4巻

白竜が脅した「世界生薬」からの刺客である刑事・荒木。生きる目的がなく、怖いモノがない荒木は、白竜を挑発し自分を殺させることによって、黒須組をつぶそうと考えていた。焦る黒須組は、白竜に黙って、組の新人・利男に荒木を殺させようとするが、利男は荒木に捕まってしまい…!?

白竜 5巻

花屋の店員・多恵子に一目惚れをしてしまったヨシキ。しかし多恵子は、弟・明彦が暴走族に入っていることで心を痛めていた。明彦を暴走族から抜けさせてほしいと頼まれたヨシキは、暴走族のリーダー・鮫川と対峙することに!明彦のために、自ら族を抜けるための「儀式」を受け、深い傷を負ったヨシキだったが、鮫川を恐れる明彦は、族を抜けようとはしなかった。そうした動きを白竜が知り…?

白竜 6巻

自分を軽蔑の目で見た議員・海野波彦を蹴落としてやろうと、衆議院選に立候補を決めた黒須組組長。明らかに不利な戦いの中、白竜は確実に、そして冷酷に票を集めて海野の脅威となる…。しかし、海野には不敗の選対・正木がついていた…!

白竜 7巻

プロ野球球団・帝神の四番、咲原の「黒い交際」を知った黒須組組長。帝神ファンの組長は、「咲原を暴力団に喰わせるなんてとんでもないことだ!」と怒りを露わにし、咲原を救うため、組を挙げて動き出した。しかし、事を恐れた球団によって、逆に恐喝の罪に問われてしまう!野球賭博を巡るトラブルに、白竜が冷酷無比な審判を下す――!!

白竜 8巻

新任の渋谷中央署署長・神内一樹は複雑な過去を持つ、元エリート警察官僚。徹底的な取り締まりを行う神内によって、黒須組の資金源は次々と潰されてしまった。事態を打開するため、神内との面会に臨んだ白竜だったが・・・?

白竜 9巻

渋谷の支配を目論む新任警察署長・神内。警察権力を振りかざす神内の前に防戦一方だった白竜と黒須組だが、意外なところから反撃の足がかりが――!!

白竜 10巻

新入りの組員を預かることになった黒須組。だが、その新入りとは関東最大の暴力団・長谷川会の御曹司、長谷川修造だった!!礼儀を知らない修造に、白竜の怒りが爆発する!!

白竜 11巻

黒須組に恐るべき贈り物が――!?白竜こと白川竜也(しらかわ・たつや)の舎弟・ケンジが黒須組事務所に行くと、獰猛なドーベルマンが襲いかかってきた。思わず拳銃を出すケンジに、組長は「その犬を殺したらお前の命もない」と言う。なんとそのドーベルマン・タロウは関東最大暴力組織長谷川会会長・長谷川望外(はせがわ・ぼうがい)が可愛がっていた犬であり、白竜の行いに感謝した長谷川からの、黒須組へのプレゼントだったのだ!

白竜 12巻

勝つ秘訣なんてない!…あえて言えば、勝ち目など計算しないことだ――!!白竜こと白川竜也の学友であり、博多南州組の若頭・広井精一。大手の傘下入りをせずに一本の掟を貫く南州組は、関西の大組織である浜本組と提携した淡海組に縄張りを狙われていた。広井は白竜を博多まで呼び、勝ち目のない抗争の戦略を依頼する。翌日、南州組組長・池端と対面した白竜の前で、広井は大手と提携しようと考える池端と対立してしまうのだが……!?

白竜 13巻

建設会社社長・元村は不渡りを出しそうなほど厳しい経営状況の中で、衆議院議員・高山からパーティ券の購入に一千万円を要求される。本村は高村と会って倒産の危機にあることを訴えるのだが、一蹴されてしまい絶望してしまう。そんな本村の前に、黒須組組長であり衆議院議員でもある黒須勘介が。ワラにもすがる思いで相談した元村に対して、黒須は元村のパーティ券を全て買い取り、それを白竜に渡して……!?

白竜 14巻

総工費1兆5000億円――近畿国際空港建設が生みだす莫大な利権に群がる欲望の亡者たち。そんなカネの亡者たちからキーマンとして注目されているのが、建設予定地である近畿湾を取り仕切っている桑元琢磨(くわもと・たくま)だった。白竜こと白川達也は、桑元が出入りする賭場へと乗り込み、ある勝負に出る!

白竜 15巻

北の大地に描かれた善と悪との境界線。待つも地獄、待たずも地獄、「銃」の名を借る力の罠――!!警察庁長官が何者かに狙撃される事件をきっかけに始まった「銃器撲滅キャンペーン」。全国の各警察署はその威信をかけて銃器摘発に力を入れる。しかし、札幌北東警察署の刑事・狩場俊介は、銃器摘発の実績を上げることができずに焦り始めていた。そんな狩場の前に、突然現れた白竜こと白川竜也は「拳銃を摘発させてやる」と甘い話を持ちかける。その言葉に隠された真の意図とは……!?

白竜 16巻

子供の頃から憧れていた職業である極道になった畠田利夫だったが、生来の気の弱さから学生相手でもオドオドしてしまい、弟分の鮫川にも馬鹿にされてしまう。そんな利夫に白竜こと白川竜也は、新規オープンしたクラブ「銀河」のみかじめ料を取りに行ってこいと命じる。利夫は支配人からみかじめ料は武闘派で有名な荒巻組に払っていると断られ、荒巻組幹部の中島に脅されて「銀河」のみかじめ料を諦めてしまうのだが……!?

白竜 17巻

白竜こと白川竜也の舎弟である畠田利夫はフラリと入った小料理屋「菜の花」の女将・美佐子に一目惚れを。ヤクザ者を嫌う美佐子であったが、ヤクザに見えない利夫には心を許し、カタギになることを約束させて、ふたりは恋仲になる。しかし、利夫は組を抜けるしきたりで小指を切り落とすことに躊躇して、なかなか決心できずにいた。気の強い美佐子は利夫を連れて、白竜に直接掛け合うのだが……!?

白竜 18巻

銀星会会長・星野から、白竜こと白川竜也を殺すことを命令された幹部・平林は、銀星会組員の中からからヒットマンを選び出す。それは、組のムダメシ食いと言われている気の弱い老組員・井下田(いかだ)、成り上がり志向で血気盛んな若い組員・岡本、働いていたクラブで平林にスカウトされて極道になった中野の3人だった。しかし、彼らにはヒットマンとしての任務を全うしがたい、それぞれの事情を抱えていた……。

白竜 19巻

白竜こと白川竜也の席についた新人ホステス・新田亜利沙。白竜は自分の噂を聞いても緊張しない様子から、腹が据わっていると亜利沙のことを評価する。そして、亜利沙は白竜の次についた席で建設会社社長・鷲中(わしなか)から、コップなみなみにブランデーを注がれ一気に飲ませるという新人イビリにあう。そのコップを飲み干した亜利沙に2杯目を注ぎ、飲めなければ両手をついて謝れという鷲中に対して、亜利沙は……!?

白竜 20巻

伝説のレディースと呼ばれた元暴走族のヘッドであり、美人ホステスの新田亜利沙。彼女は自分をレイプした建設会社社長・鷲中と、そのバックにつく金竜組に話をつけた白竜こと白川竜也の男気に惚れて、黒須組の組員になると決意する。しかし、白竜から「ヤクザは女がでしゃばる世界じゃない」と一蹴されてしまう。一方、黒須組組長が視察旅行をしている間、組長の愛人・ミーナを浮気させないために見張ることになったケンジは、色気でせまる淫乱なミーナのお守りはできないと白竜に訴えて……!?

白竜 21巻

土地入札をめぐり火花を散らす情報戦。香港から恐るべき男が参入!!白竜こと白川竜也の戦いは――!清算事業会が売却する都内一等地の買収に、大阪から乗り込んできた村尾建設営業部長・鬼島岩男。ミスター清算事業会と呼ばれた桑田を天下りさせて万全の体制を築いた鬼島に対して、白竜は「あなたはこの勝負に勝てない」と断言するのだが……!?

白竜

気が付けばシリーズ累計100巻以上

白竜 天王寺大 渡辺みちお
ピサ朗
ピサ朗

ちっぽけな組に過ぎない黒須組に、ある日白竜の異名を持つ若頭が台頭してからあれよあれよと裏社会で頭角を現していく、揉め事の解決は暴力やダーティーな手段だったりの、良くも悪くも普通のヤクザ漫画。 …だったのは初期の話、天王寺大氏が実際の事件を広げたネタを扱う事も多かったので、ゴルゴ13のような「実はあの事件の裏には白竜が関与していた!」オチのネタが結構あったりする。 シリーズ後半ではその手のネタが増えて行くが、この第一シリーズである無印は比較的そういうネタは薄め、なんだかんだ危険な香り漂う裏社会でのし上がっていく姿は正直ワクワクする部分も有り、強引すぎたりアレな解決も「こまけえことはいいんだよ!」の精神で十分楽しめる。 …後のシリーズでは陰謀論を加速させかねない色々と不幸で幸運な現実に見舞われたりしてるけど、それも割り切れば作品の魅力。 組のメンツも少人数な分、上も下も描きやすいのか、若頭主人公だが下っ端から組長まで交流があり、それなりにキャラを立たせつつキャラ被りも無しと、今見ると設定時点でなかなか秀逸。 ヤクザ漫画としては、シノギの描写が意外と広く、これもまた第2シリーズ以降の時事ネタを扱うのに違和感が無い要因だろうけど、解決手段はシンプルに非合法だったりで「できるか んなもん!」な、描写がてんこ盛りで、これをツッコミどころとするか、展開が早くて良いとできるかで面白いと感じられるかは分かれそうな気がする。 とはいえシリーズ累計で100巻以上を成し遂げてしまってるように、こういう作品が好きな男自体はなんだかんだ根強く存在している事も実感するが。 実際のあれこれをネタにしている部分とか、多々あるツッコミどころにせよ、素直に名作と認めたくはないが読んでて楽しい部分も有るのは確か。 作風が完全に確立したのは第2シリーズのLEGENDだが、その移り変わりも含めタバコと酒臭さが似合う漫画ゴラクの象徴の一つ。