あらすじこれは、国運を賭けた「ドミノ倒し」なのだ。――海軍、陸軍、連合国、枢軸国……さまざまな思惑が絡み合うなか、内地では滝(たき)が講和に向け静かに動いていた。それは、「ドミノ倒し」のようにひとつの間違いも許されない慎重な作業。そして、すべての鍵を握るマリアナの原爆。草加(くさか)が最初の一枚を倒したとき――我々の知る歴史は消滅する。
数年後に迫る破局的な結末を知り歴史の改変に動く草加と、その考えを深層で理解しつつも歴史改変に抵抗感を覚え、仲間を守りつつ別の方策で解決を図らずを得ない角松のジレンマが見事に描写され、ストーリーに深みを与えています。いざ自分が同じ立場に立たされたとしたら、どう行動するだろうか…と深く考えさせられる作品です。