花とみつばち

モテるモテないの要素を抜きにしても楽しい

花とみつばち
かしこ
かしこ
1年以上前

安野モヨコ展で原画を観ながら「そういえば花とみつばちって読んだことないな〜」と思い読んでみました。さえない男子がモテたくて努力する話だから『モテキ』みたいな感じかなと思ってたけど、そうじゃなかったかも。女の子の方が蜜蜂だったんですね。リアルな男女のモテ心理が描かれてるのはもちろんだけど、マンガっぽさが強烈なのが面白かった。メンズエステの店員さんがいきなり美人姉妹にチェンジするとか、山田くんの突然の整形とか、ザ・マンガな展開がベタだけど読んでて楽しい。一番好きなのは山田が小田原城でデートする話。本当になんであいつがモテるのか解せない!けど、逸材なのは認めざるを得ない…。整形しなくても光ったんじゃないかな。工事現場にいた異常にモテるオッチャン小橋さんも面白かった。安野モヨコのマンガテクを堪能したければぜひご一読を!

ヒメアノ~ル

かなり良作だと思った

ヒメアノ~ル
かしこ
かしこ
1年以上前

古谷実…まだ全部読んだ訳じゃないけど「わにとかげぎず」「ヒミズ」より「ヒメノア〜ル」好きだったかも。生れながらのサイコパス・森田の狂気と苦悩のダークな面と、恋のテロリスト(笑)・安藤さんの言動のギャグ面が同時進行するけど、両方とも面白かった。自分みたいにリアルタイムで古谷実を読んでない人にまず何読んだらいいかを聞かれたら「ヒメノア〜ル」を推そうかな。「ヒミズ」の衝撃的なバッドエンドとかに比べたら静かなラストだけどあれが逆によかった。次は「ゲレクシス」読んでみよう。

教え子がAV女優、監督はボク。

まずは、知ろう#1巻応援

教え子がAV女優、監督はボク。
ナベテツ
ナベテツ
1年以上前

マンガのすばらしさは幾つもありますが、自分の知らない世界を教えてくれる、知見を広げてくれる、という点も挙げられると思います。 AVを見たことのない男性というのは日本にほとんどいないと思いますが、この業界に関して詳細な知識のある男性もまた、ほとんどいないと思います(AV女優や男優、作品レベルの話ではありません)。かくいう自分も、好きな作家のエッセイや漫画で取り上げられたエピソードやインタビュー程度の知識しかありませんが、それでも恐らく世の中の平均的な男性よりは「作品」以外について「知っている」人間になってしまうと思います。 作者の村西てんがさんは、実際に制作会社で働いた経験があり、我々のような無知な人間に、AV業界や撮影というものを、少しずつ見せてくれます。 パッケージングされた作品には、それを作っている人達がいる。至極まっとうなことなのですが、AVに関してはその事が意識する人間は殆どいないように思います。それもまた無知のもたらすものであり、想像力の翼を届かせることのない原因になってしまっているのではないかと思います。 描きたいことが沢山あるんだろうな、というのが1巻を読んで自分が感じたことでした。それは、作者の物語を紡ぎたいという願望と同じくらい、この業界に向けられる「無知」に起因する眼差しを変えたい、という祈りなのではないかと。 世の中には、色んな仕事があるし、そこで働いている人は多分自分とそんなに違わない。彼ら彼女らも自分と同じくらい懸命に毎日を生きている。そんな当たり前のことを教えてくれる、現代の日本で特殊とみられる世界をやさしく教えてくれる作品です。作者が描き切ったと言えるくらい、連載が続くことを祈り、細やかでもエールになればと思います。

あけぼのソックス

安永知澄先生の漫画を初めて読みました

あけぼのソックス
名無し
1年以上前

短編集だから読みやすいだろうと思ってこちらを選んだのですが、最初に収録されてる長〜〜〜〜い脇毛が一本だけ生えてくる男の子の話でもう面食らいました。なんだこれは…!後半からは雑誌「本人」に掲載された自伝的な作品が収録されています。自分の身の回りで起きた出来事を描いているのでジャンル分けするとしたらエッセイ漫画になると思うのですが、なぜかストーリー漫画を読んでいるような気持ちになる話ばかりでした。とても面白いのですが初めましての作品としては適さないかもしれません。他の作品を読んでからの方がより楽しめそうだなと思いました。

てんてんてんかちゃん

なんてしあわせな家庭

てんてんてんかちゃん
ひさぴよ
ひさぴよ
1年以上前

てんかちゃんよりも、てんかちゃんを溺愛するパパとママにホッコリしてしまいました…。とにかく両親がいい人たち過ぎる!こんな幸せな家庭があって良いのか…と思いましたが、カワイイ盛りの子を持つ親って皆そういう風に見えるものかもしれません。どこにでもある家庭の、人生で最も幸せな時間を見せて貰ってる感じがします。かと思いきや、後半にやや重たいテーマも控えてたりするので、カワイイだけでなく僅かな毒もある作品です。

剣の鬼

異説・巌流島の決闘

剣の鬼
ひさぴよ
ひさぴよ
1年以上前

やっと読みました、ヤンマガ40周年読切<我漫>の永井豪回。この作品は電子版ヤンマガには収録されていないため、紙雑誌のヤンマガ読むしか方法がなむ、コミックDAYSで購読している者としては、読む機会を奪われた状態でしたので「それなら絶対に読むものか!」と半ば不貞腐れ気味な態度でいましたが、結局読まずにはいられなかった。 ”吉川英治“史観とも言うべき従来の宮本武蔵観と異なる永井豪ならではの〈鬼〉宮本武蔵。佐々木小次郎の子孫、佐々木小太郎(女性)との決闘に至るまでの異説を交えた件がこれまた面白い。 やっぱり永井豪は凄い、この読切は永久保存しなければと思った次第でした。

酒のほそ道

原点にして頂点の酒漫画

酒のほそ道
野愛
野愛
1年以上前

原点にして頂点という言葉をこの漫画に捧げたい!! 現代的なアイテムや背景が登場すればするほど、時代感のアップデートされなさが浮き彫りになっていく酒のほそ道。 楽しく美味しく呑めればいいじゃないかと言いながらもめんどくさい酒呑みばかりが登場し、でも結局みんな楽しければいいじゃないかというところに収束していく酒のほそ道。 アプデ前の人も後の人も、楽しくなるまで呑んで食べればそれでいいよね。自分がよければいいの極地がここにある。みんな自分勝手に楽しければいいんです! という空気感が絶妙に好きなんですよね。 めんどくさいこと言いながら、干渉し合っているよいでありながら自由に酒を楽しんでいる宗達がなんだかんだ好きなんだなあ。 自宅でつまみを作りながら酒を飲む回はレシピ漫画としても重宝するし、一人酒も飲み会もちょっといい店もいろんな酒の楽しみ方が学べる(?)のもいいところ。 時代に迎合することもなく、自分の信念を押し付けることもなく、適度にめんどくさいリアルなスタイルを貫いてくれる酒のほそ道が好きです。 誰よりもめんどくさいカスミちゃんがどんどん宗達に影響されてるのかわいい。めんどくさかわいい。

婦警さんと暗殺さん

ズッコケ婦警さん真意はどこ? #1巻応援

婦警さんと暗殺さん
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

平和な街を守る婦警さんと、営業を装う暗殺者。一人の資産家の命を巡り、二人は……あれ?なんだか和やかです。 資産家を警護する婦警さんですが、彼を狙う暗殺者を疑うどころか、何かと暗殺者に助けられ、暗殺者を信頼していきます。一方婦警さんに恋して彼女を手に入れたい資産家と、彼の魔の手から婦警さんを守りたい暗殺者は、暗殺と関係なく対立し……この人達何やってんの?チグハグな可笑しさのシチュエーションコメディに、笑っていいのやら戸惑った方がいいのか……。 抜けているけれど、いつもはキリッと緊張感のある婦警さんですが、時折暗殺者に向ける疑いのない明るい笑顔が、本当に愛らしい!のですが……婦警さんの意味深な発言に、暗殺者も読者も惑わされます。彼女、どこまで真相を分かっているのか、はたまた何にも分かっていないのか……色々な事がはっきりとしないままだけれど、お願いだから婦警さんの笑顔を守って、暗殺者さん! 2巻は2020年11月13日発売!

二十歳の犬

哀愁あふれるハタチの老犬

二十歳の犬
名無し
1年以上前

まったく可愛くない犬タロちゃんはお稲荷さんに二十歳の誕生日だけ人間の言葉を話せるようにしてもらいました。可愛くないけどとても礼儀正しい、落ち着きのある老犬です。そして自分を拾って育ててくれた飼い主のお墓参りに奥さんと一緒に向かうと…と言うお話です。 人間を装って子供服を着てお墓に行ったところが笑えました。

売野機子短篇劇場

短編の名手!売野機子の集中連載がスタート!

売野機子短篇劇場
名無し
1年以上前

売野機子短編劇場っていう名前からして興奮せざるを得ません。コミックビームと相性良さそうな作家さんですが意外にも初登場なんですね。 第一回目「まりすのせいなる墓あらし」面白かったです。俳優のツカサはずっと誰かを演じてきたプレッシャーから酒に酔って不祥事を起こしてしまった。毎晩みる夢の中には自分が子役時代に演じた磨莉寿が出てくる、というお話。なんとなくロングロングケーキを思い出しました。 最終的に単行本一冊にまとまる予定の連載だと嬉しいな〜!

リングにかけろ1

今読んでも1巻の試し読みだけで泣ける

リングにかけろ1
さいろく
さいろく
1年以上前

姉ちゃん…姉ちゃん;x; 主人公高嶺竜児、ヒロインは実の姉となる高嶺菊。 拳で語るのみの本作だが、この後に控えた聖闘士星矢が小宇宙を燃やしセブンセンシズに目覚めないと超えられないぐらい生身の人間たちが限界を突破しまくる少年漫画の常識を揺さぶりまくったジャンプ黄金期(初期)の代表作。 黄金期に関しては諸説あると思うので正確には未だそこは違う!とかあるかもですがw ギャラクティカマグナムは当時リアルタイムで読んでた世代ならきっと撃ったことがあるだろう(ごっこ遊びで) 自分の場合はペガサス彗星拳でしたが。 必殺技、というのは本当に少年の心をいつの時代も掴んで離さないもので、そのハシリと言っても過言ではないこの作品では主人公やライバルたちが皆超かっこいい必殺技を持っています。 竜児のブーメランフック、河合さんのジェットアッパー、石松のハリケーンボルト(スパイラルタイフーンってどこからだっけ?)、そして志那虎のローリングサンダー。 私は志那虎が好きだったのですが(かっこいい)イケメンは河合さん。 ※志那虎が若かりし頃に狂気じみたマシーンのせいで大怪我をした後、父親にローリングサンダーを見せるところは狂気じみてて素敵なので必見です。 今見るとどこもツッコミ満載な感じで最後まで突っ走りますが、本当に胸アツな彼らの血まみれなボクシングは日本中の少年を虜にしたと聞いています。 リアルタイム世代じゃないのが少し悔しい作品。 2の方にもレビュー書きましたが、今挙げた4人+剣崎は日本を代表とするボクサーなので、是非今の世代のボクシング好きの人たちは一読していただいて、同じくボクシング好きのおっさんたちに話を振ってみるといいと思います。 画像は志那虎の若かりし頃と問題のマシーン。

金曜日はアトリエで

不思議な関係が妙にクセになる

金曜日はアトリエで
六文銭
六文銭
1年以上前

画家×ヌードモデルの恋愛?的なマンガ。 すごく良いんです。 二人共、少しズレていて、勘違いも加わり、会話が噛み合っているような、どこか噛み合っていないような感じで関係がすすみます。 もう、1話でやられました。 死ぬつもりだった主人公が、ひょんなことでとある有名な画家と出会い、魚につられて、ついていったらヌードモデルになって、画家がつくる美味しいご飯を食べたら死ぬ気も失せて・・・という流れ。 (字になおすと意味不明ですね。でも、こういう内容です。) 色男で自信過剰な画家は、携帯番号渡すけど、 主人公、連絡せず、1年後の画家の個展で再会 「え、なんで連絡しないの?」 と思わず画家のセリフとシンクロして、もう、ハマりましたよ。 ご飯食べているときは、いい雰囲気だったのに、まるで全てなかったかのように裏切る感じ。 たまりません。 全体的に、微妙なボタンの掛け違いのようなやり取りが大笑いではないのですがクスリと笑えてクセになります。 主人公が、天然ぽくちょっとヌけているけど、恋心を意識しはじめて、これからどうなるか楽しみな作品です。

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