日の当たらない場所

閉鎖的な島に置き去りになった初恋

日の当たらない場所
るる
るる
3ヶ月前

父親からは漁師の息子なのに日光アレルギーの出来損ない(←父親からの視点)と罵られ、更に同性愛志向に悩んでいた寛也は憧れの拓斗を自分の欲望で汚さないように島を出た。 一方で拓斗は浮気者の父親と共依存のような母親からの精神的な虐待でキチンとした恋愛ができないまま、責任を押し付けられたように島に取り残された。 そんな2人が15年ぶりに島の復興という名目で再会。当時お互いがほのかに惹かれあっていたのに何もなかったからこそ、初恋がずっと心の底に残っていて大人になった今、ようやく関係が前進した。 あんな島じゃ寛也は存在するだけで苦しかったと思う。しかも年月が経っても古参の島民は古い考えに凝り固まって寛也を受け入れようとしない。 あんな扱いされてよく助けようと思えるなと感心する。 私ならサッサと拓斗を島から出して東京に連れていくわ。 世代交代の若い層が取っ掛かりになって良かったけど。 途中、両思いになったものの仕事考えたら一緒に住むことはできないしどうなるかと思ったけど、復興事業があるからこそ拓斗が出張で島から出れるのね。 大好きなたつもとみお先生のイラストは最高でした😻

ゴーグル

「ゴーグル」久しぶりに読んでみた

ゴーグル
かしこ
かしこ
8ヶ月前

私が豊田徹也さんの作品と出会ったのは町の古本屋でした。珈琲時間とゴーグルがビニール掛けをされて売っていましたが表紙を見た瞬間に「これはいい漫画だ」とビビッと来てレジに駆け込んだことを覚えています。その後で実は漫画好きの間で語り継がれている漫画家だということを知りました。いい漫画との出会いはたくさんあったけど中でも幸福な出会いの一つだと思います。 この度再読して「ゴーグル」がデビュー作であることと改めてその完成度に驚きました。映画化された代表作「アンダーカレント」でも心の傷がテーマになっていると思いますが、短編であるからこそよりシンプルに伝わる登場人物の心の機微があります。家主と居候というデビュー作なら敬遠しがちな突飛な設定や、話の中でしか登場しない優しかった少女の祖父(後に収録されている「海を見に行く」には登場しますが、描かれたのは「ゴーグル」の約9年後なんですね)の存在も漫画っぽくならずリアルなディテールとして機能している。まさに完璧な一作です。

なかじまなかじま

なかじまなかじまって、そういうことだっのかと。

なかじまなかじま
Pom
Pom
8ヶ月前

まず初めに麗奈さん、美人でしかない。その要素しかない。とツッコミを入れたくなりました。 そして出会った映画監督と彼の息子と三角関係になる展開に驚きです。。 麗奈の人生も、180度変化して(それがまた女優業ときた)人生出会いやタイミングとやらで何があるか本当に分からないものだ。 中島親子も、正反対なんだか似てるんだか分かんないけど、こんなにも正直に話せるし、言い合える同性の親子関係って良いなと思ったり。 最後、皆素直になってハッピーエンドで何よりでした。

君と宇宙を歩くために

不器用だけど、ひねくれないで、まっすぐ頑張る

君と宇宙を歩くために
Miyake
Miyake
4ヶ月前

「人と同じように生活するのにさ 工夫が必要なひともいるんだよね」 普通が全くうまくできない転校生宇野とヤンキー小林。 その2人が出会い、ぶつかりながら、少しずつ前進してゆくドラマ。 眩しいぜ。 「上手にまっすぐ歩けない それを笑われたり怒られたりすると 怖くて恥ずかしい気持ちになります」 ピュアで素直で不器用な努力家の宇野&小林コンビを、ひたすらに応援したくなる。

裸の内側

見る、魅せる

裸の内側
Nano
Nano
8ヶ月前

色んな意味で興奮した。めちゃくちゃ良作。ナシウヒカ先生の描く人間の体めちゃ好きです。 自分も(趣味の範囲で)創作活動をしてるので、なんか上手くいかない時とか納得できない時、周りからネガティブなことを言われて焦ったり…何度も経験したことがあるし共感できました。そんな中、新しいものに触れて心が動かされて、やってみたいという原動力になる。アツい。分かる。いいぞ。と読んでて拳を握りたくなりました。オチのコマも超好き。私もがんばろ~~!!

ヤナギホールで会おう

『ヤナギホールで会おう』感想

ヤナギホールで会おう
名無し
8ヶ月前

ユズキカズというと、つげ義春に影響を受けた知る人ぞ知るガロ系漫画家。 最近出たこの新刊が初読みだったんだけども・・・ これまた、意外にスケベな話が多い(笑) 初出がガロではなく昔のパチンコ漫画雑誌や今は亡き「みこすり半劇場」なので それもそうか つげ作品のユーモラスな部分を全編に渡って展開したらこんな感じになるのかな?つげフォロワーで言うなら絵・話ともに畑中純の『まんだら屋の良太』のノリを想像すれば大体合ってるものと思う 話によっては絵が濃すぎる(アロエ売りの回などエロ劇画かよってレベル)けど、南国的な昭和ノスタルジーと清涼感は確かだ。

魔入りました!入間くん if Episode of 魔フィア

if、もしも

魔入りました!入間くん if Episode of 魔フィア
ゆゆゆ
ゆゆゆ
12日前

原作のあの人がこの人のifで、このシーンはあそこのオマージュかなと原作が好きな人はワクワク。 個性的なキャラクターが多い原作とはいえ、あの人がこの人かなと、まだ名前が出ていない人まで想像できておもしろい。 そして、マフィアとあるけど、原作が悪魔のせいか、本来ならなかなか怖いはずのシーンも通常営業に見えるのがあら不思議。 怖いのは修繕費? 原作未読でも、やたらめたら破壊するオペラさんや、だんだん鍛えられていく入間くんに、ドキドキを楽しめると思う。 第一巻の都会で、入間くんを即座に守る二人の姿がかっこよくて、ほ〜〜とうっとりしてしまった。

病める惑星より愛をこめて

謎のモフモフ

病める惑星より愛をこめて
ゆゆゆ
ゆゆゆ
8ヶ月前

モフモフをみて癒やされるだけの漫画ではないのだけど。 作者さんの言葉が豊かなので、副作用の言葉が奪われた姿はとても滑稽に思えてしまう。 言葉が多くて人を傷つけるから、言葉を奪うのだろうか。 第一巻でトリくんが言ったことば。 「言葉は感情とか持ってない 言葉には意味しかない」 なのに、言葉を放つ人・受け取る人の感情が加わって、言葉は凶器になってしまう。 人類半数が気分障害の世界。 大きく祀られている謎の宗教。 今日も誰かが生きることを諦めて、いなくなる。 地球外の生き物に助けを求めるほどなのに、そんな世界で働く人達の言葉や感情はひどく乱れている。 赤の他人に対する思いやりが少ない。 思いやりを持てる人は早々に病んでしまうのかもしれない。 世界としては救われない、どうしようもない感じなのに、取り上げられる人々は前を向こうとしている。 そのギャップがまた良い。 謎のモフモフは私も欲しい。

竜送りのイサギ

人の首を斬り、龍を殺す覇道の英雄譚 #1巻応援

竜送りのイサギ
兎来栄寿
兎来栄寿
8ヶ月前

『男子の品格』『ノケモノたちの夜』の星野真さんの新作は、根幹の大きな設定に魅力がある和風ファンタジーです。 この世界には龍がいて、それは多くの人にとっては吉祥の象徴。しかし、流刑島で罪人の首を斬る役目に就く主人公イサギに剣を教え込んだ名将・タツナミだけは違いました。ただひとり龍にまつわる「ある仮説」を立てており、そのために龍を殺すという大罪を為したのです。 龍殺しはいわば多くの人にとって信仰の対象となっている神を殺したも同然です。しかし、その真意をイサギとタツナミの息子のチエナミだけが知ることとなり、その真相の確認とそれが本当であるならば龍を殺さねばならないという大業を為しに向かう物語となっています。 恐らくその目的が人々に知られれば、狂人と罵られるような蛮行に映るでしょう。ほとんど誰にも理解されない、けれどその理解してくれない数多の人々を救うために孤立無縁の戦いに挑んでいく。その、哀しくも気高い構図が堪りません。 また、罪人ならまだしも時には裁かれるほどではない者の首も斬り続けてきたであろうイサギ。彼の背負った闇もこの作品の雰囲気を形作っています。望むと望まざるに関わらず斬った相手の持つ記憶を垣間見ることができるという能力を持つイサギは、逃げられない仕事を通じてさまざまなものを見てきたことでしょう。常人では堪えられないほどの重苦を味わってきたイサギから時折覗かせる闇もまた、この作品のポイントです。その闇があるからこそ、緩急をつけたシーンも際立っています。 何よりも星野真さんの絵が良く、ひとつひとつの表情、ひとつひとつの眼の力がとても魅力的です。イサギがタツナミから授けられた剣の腕前を発揮するシーンを始めとして、アクションシーンの迫力も圧巻です。 辰年に相応しく、今年読みたい作品のひとつです。

ダンジョン飯

世界観が最高

ダンジョン飯
山下真司
山下真司
8ヶ月前

ダンジョンの深部でドラゴンに喰われた妹を助けるためにライオスのパーティがダンジョンに再度潜るファンタジー。消化される前に急ぐぞ!て感じで始まるのにすっごいゆっくり行く。ダンジョンでモンスターを食べながら進む姿はほんとグルメ漫画。美味そう。完結してるのでイッキ見するもよし、アニメから入って原作を見るもよし。どちらにしろ絶対ハマるから。

藤子・F・不二雄大全集 ジャングル黒べえ

幼少期に読みたかった〜

藤子・F・不二雄大全集 ジャングル黒べえ
ひさぴよ
ひさぴよ
8ヶ月前

最近になって、原作を初めて読んでみたけど、めっちゃ良い漫画だった…。想像以上にファンキーで可愛くて、パワフルさがあって驚いた。幼少期に読んでいたらドラえもんくらい夢中になってたと思う。なぜこんな良い漫画が長年封印されてたのか…。70年代生まれの人は、アニメや漫画をリアルタイムで知ってるかと思うけど、自分が物心ついた頃には、テレビ放送はもちろん、本もどこにも無くて(少なくとも自分の周りでは) 「ちびくろさんぼ」と同様、差別的でイケナイからそういう本は置いちゃダメなんだ、と思っていた所がある。2010年からは全集で読めるようになり、さらに2021年に電子化もされて今は読めるハードルは下がった。表現の改訂は最小限に留めているとのことだけど、特に差別的な意識は特に感じられなかった。作品自体が封印されていた期間が20年もあったというのは本当に勿体無いことだ。

もっとみる