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物語については他でも語られているので、別の視点で。この漫画、哲学者や思想家の名前や言葉が、あちこちに散見する。

・大陸合理主義の哲学者『スピノザ』
・右翼の現代の政治家『原田義昭』
プラトンの著作ソクラテスの弁明で語られる『アレテー』
・作中のスピノザの発言「最大多数個人の最大幸福」は功利主義の父『ジェレム・ベンサム』の有名な言葉。

ほかにも、ホームレスの男の子が語る「神に見放されても〜」はニーチェの言葉だし、フランシス・ベーコンの「知識は力なり」は有名な言葉。

これらの暗示が、なにを意味するのかまだわからない。(功利主義に対抗する話だということはわかるが)

作者は閉鎖病棟や路上生活を潜入取材して描いたという。それほどまでに描きたいなにかがあるのだろう。今のところ、物語は悪くはない。しかし、著名な哲学者を引用するからには、哲学好きな人間からも読まれ、そして私たち特有の「批評精神」と対峙することを知らなければならない。
今後に期待したい。

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#介護ロボットが人類を削減している
価値観の再構築のきっかけに
#介護ロボットが人類を削減している SUEY
わんわん
この漫画は各登場人物ごとの正義を見せ、読者に答えではなくインスピレーションを与えようとしているんだろうと思った。 テーマは弱者と強者の対立 日本社会が沈んでいく中で、少ないパイをめぐり 他者を思いやる余裕がなくなり弱者への自己責任論が叫ばれたり、ルサンチマンが強くなっていって強者を袋叩きにしたり、弱者と強者の対立が起きているように感じる。 どんな強者でも一瞬で弱者に落ちていく今の社会を鑑みると自分もいつそうなるかはわからない。 強者とまでは言えなくても今は健康だし若く収入も安定しており、恵まれている。 ただ一寸先は闇で、病気•怪我や失業、介護で一気に転げ落ちる。 他人事ではない。 なので 弱者に寛容に、富を分け与えよ をすべきと頭では理解した。(傲慢だが) だが自己犠牲を実行するのはとても難しい。 やっぱ、心の奥底で自分が得したいし、自分が損して(と感じて)まで、人に得をさせるという気持ちになれない。 汚い自分の本音に気づけ、認めることが出来たのはこの漫画のおかげ この漫画をきっかけにして、価値観の再構築をするきっかけになったらと思う。 今後の展開が楽しみだ。
みょーちゃん先生はかく語りき
ポルノ原理主義
みょーちゃん先生はかく語りき
江戸川
江戸川
ネタバレ含まないように内容には触れず。 タイトルは、ニーチェの名著「ツァラトゥストラはかく語りき」から取ったのは明らかだが、内容は一切関係ない。 気持ちいいくらいポルノ(商品)として作っている作品。 たくさんの美少女たち(年齢は違うが、造形は全て幼さが残る女性たち。エイジズムを感じさせる)が、性にまつわる話しや実践を行う。読者は傍観者であり、覗き見している感覚にさせる。劣情の煽り方がうまい。 ニーチェの言うところの「深淵」はない。深堀りするのが野暮なほど、ポルノに徹している。 こういうお粗末でシンプルな作品は、気持ちいいので嫌いではないが、哲学的に考察することが趣味なので、あえて違う角度から。 ポルノに徹するこの作品、ある意味、漫画家たちの高尚なものを作りたいという有りがちな心情へのアンチテーゼに思える。 なぜニーチェの言葉を引用したのか。 「神は死んだ」という有名な言葉があるが、作者は「高尚なものの存在価値は死んだ」と、言いたいのではないか。 ある意味、正解である。 漫画を通して、何かを伝え、誰かを救ったり世界を少しでも良くできるか? 非常に難しいだろう。 それならば、一日の疲れを癒やすようなサプリメントのような役割に徹する。そちらのほうが役に立つのではないか、と。 間違っていないような気がする。 しかし僕は、宮崎駿や高畑勲などの「漫画やアニメという媒体は、思想の伝達のツールとして有能」という理由からの、ある種のアンガージュマンに感動する。 日本はもう下降する一方だ。景気のいい時代のように、考えないままでいるわけにはいかない。「パンとサーカス」を与えている場合ではないのだ。 商業主義、拝金主義に迎合せず、使命感を持って、血も滲むような努力をしながら、「微かな可能性」にかけて制作する作家たちを応援したい。 ニヒリズムに陥って居直る作家たちよりも。
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浪漫派寮生 小島

浪漫派寮生 小島

海沿いの高専の学生寮――運動オンチで頭も悪い出来損ないばかりだが彼らにも“ロマン”はあった!向かいの宿舎…女子寮には、我らがマドンナ 瀬戸先輩(ニ十歳)が今日も夜な夜な夕涼み――――モテない男たちの青春群像ストーリー!! 五年生の高専は、寮に入ったら最後むさ苦しい男たちとの息苦しい毎日が続く。だが唯一の救いは食堂にある!なぜなら食堂は男女混合、寝起きのオンナ…風呂上がりのオンナ…色とりどりな“女”たちを観察できる!そしてごく稀に奇跡がおきる――!! 【CONTENTS】第1話 イッて参ります(前編)第2話 イッて参ります(後編)第3話 濡れ衣の二乗第4話 ベルリン・男子の詩第5話 キミに出逢えた奇蹟の軌跡(前編)第6話 キミに出逢えた奇蹟の軌跡(後編)第7話 究極のアルゴリズム第8話 男子波風立たすべし(前編)第9話 男子波風立たすべし(後編)
奥行きを感じさせ重層的にコメントする