新しい。
アンタッチャブルなテーマをSFで切ったら、とんでもないものが出てきた! 物語は、閉鎖的な世界を嘲笑うかのように自由に展開する。これは新しいリアリズムだ。
物語については他でも語られているので、別の視点で。この漫画、哲学者や思想家の名前や言葉が、あちこちに散見する。
・大陸合理主義の哲学者『スピノザ』
・右翼の現代の政治家『原田義昭』
・プラトンの著作ソクラテスの弁明で語られる『アレテー』
・作中のスピノザの発言「最大多数個人の最大幸福」は功利主義の父『ジェレム・ベンサム』の有名な言葉。
ほかにも、ホームレスの男の子が語る「神に見放されても〜」はニーチェの言葉だし、フランシス・ベーコンの「知識は力なり」は有名な言葉。
これらの暗示が、なにを意味するのかまだわからない。(功利主義に対抗する話だということはわかるが)
作者は閉鎖病棟や路上生活を潜入取材して描いたという。それほどまでに描きたいなにかがあるのだろう。今のところ、物語は悪くはない。しかし、著名な哲学者を引用するからには、哲学好きな人間からも読まれ、そして私たち特有の「批評精神」と対峙することを知らなければならない。
今後に期待したい。
持ち前のパワフルさで薄給かつ激務の介護業界を奮闘する介護士「神田はんな」。 彼女は2年前に導入された介護ロボット「アレテー」が気に入らない。 労働時間の制限なし、専門的な介護作業は◎、しまいにはセンサーで人間の感情まで理解する。 そんな万能さが勘に障るのだ。しかしある日、彼女は「アレテー」の秘密を知ってしまいーーー。
持ち前のパワフルさで薄給かつ激務の介護業界を奮闘する介護士「神田はんな」。 彼女は2年前に導入された介護ロボット「アレテー」が気に入らない。 労働時間の制限なし、専門的な介護作業は◎、しまいにはセンサーで人間の感情まで理解する。 そんな万能さが勘に障るのだ。しかしある日、彼女は「アレテー」の秘密を知ってしまいーーー。