江戸川2024/05/17日本文化の不気味さ、穢を描いている?途中で読むのを辞めてしまった。理由は、ただのホラーに終始しているように感じたからだ。村人を狂気じみた人相で描くのはおかしいのではないか。彼らにとっては当たり前の文化であり、そちら側の文化を、悪だと決めつけずに、なぜ悪なのかを問う漫画にしてほしかった。ただの娯楽作品。ガンニバル二宮正明2わかる
江戸川2024/05/17ネタバレ巧みな構成と意欲的なテーマこんな漫画は初めて見た。 ネタバレになるが、主人公がことごとく死ぬ。主要人物が死ぬという演出は劇的なので、最近の漫画では多用され、安易な死がインフレしていた。うんざりしていた。 物語の中での必然性のない死は、読者へ死という概念を間違った形で伝えるのではないか。罪深いとも言える。 ただ、この漫画の中での死は、世界を変えようとするとき、人は命をかけ、しかしその小さな命は世界に対しては無力で、そのメッセージを伝達していき次の可能性へと繋いでいくことで、不可能を可能にしていく、という現実、つまり死の意味が描かれていると思う。 現在の社会でも、たくさんの研究者や哲学者、芸術家が、小さな命で抗い、伝え、世界をより良くするために変えようとしている。 それらの、人類の涙ぐましい努力と名もなき亡骸たちへの鎮魂歌とも読みとれる。 素晴らしい作品である。チ。―地球の運動について―魚豊5わかる
江戸川2024/01/31ポルノ原理主義ネタバレ含まないように内容には触れず。 タイトルは、ニーチェの名著「ツァラトゥストラはかく語りき」から取ったのは明らかだが、内容は一切関係ない。 気持ちいいくらいポルノ(商品)として作っている作品。 たくさんの美少女たち(年齢は違うが、造形は全て幼さが残る女性たち。エイジズムを感じさせる)が、性にまつわる話しや実践を行う。読者は傍観者であり、覗き見している感覚にさせる。劣情の煽り方がうまい。 ニーチェの言うところの「深淵」はない。深堀りするのが野暮なほど、ポルノに徹している。 こういうお粗末でシンプルな作品は、気持ちいいので嫌いではないが、哲学的に考察することが趣味なので、あえて違う角度から。 ポルノに徹するこの作品、ある意味、漫画家たちの高尚なものを作りたいという有りがちな心情へのアンチテーゼに思える。 なぜニーチェの言葉を引用したのか。 「神は死んだ」という有名な言葉があるが、作者は「高尚なものの存在価値は死んだ」と、言いたいのではないか。 ある意味、正解である。 漫画を通して、何かを伝え、誰かを救ったり世界を少しでも良くできるか? 非常に難しいだろう。 それならば、一日の疲れを癒やすようなサプリメントのような役割に徹する。そちらのほうが役に立つのではないか、と。 間違っていないような気がする。 しかし僕は、宮崎駿や高畑勲などの「漫画やアニメという媒体は、思想の伝達のツールとして有能」という理由からの、ある種のアンガージュマンに感動する。 日本はもう下降する一方だ。景気のいい時代のように、考えないままでいるわけにはいかない。「パンとサーカス」を与えている場合ではないのだ。 商業主義、拝金主義に迎合せず、使命感を持って、血も滲むような努力をしながら、「微かな可能性」にかけて制作する作家たちを応援したい。 ニヒリズムに陥って居直る作家たちよりも。みょーちゃん先生はかく語りき鹿成トクサク 無敵ソーダ6わかる
江戸川2024/01/29漫画文法と映画文法の融合ネタバレしないように内容には触れず。 漫画には、漫画文法と映画文法があると思う。 前者は、モノローグを多用したり、コマ割りの工夫によって、内容とは関係のない部分、つまり漫画的演出によって、感情を揺さぶる。 後者は、多くを語らず表情や仕草を使う。またコマ割りでの演出は控えて、シンプルなコマ割りの中でカメラアングルによって演出する。 他にもたくさんあるが、とりあえず。 そして、この漫画は、後者よりではあるが、たまに漫画的文法による表現もある。最初の性行為のシーンなど。その融合が面白い。 この漫画の問題点は、「露悪」的な部分にあると思う。カミュの異邦人や石原慎太郎の作品群などの露悪的な作品には、人間の「自由意志」を述べることを目的としている。 この作者の露悪さが、不愉快さをただ意味もなく表現している、つまり作者のフェチズムの表現だとしたら、空っぽな物語で読む価値は無い。 今のところ、こんな暗い感じってカッコイイだろ?というただのファッションに見える。まだ始まったばかり。これからに期待したい。ファミリープラン本田優貴7わかる
江戸川2024/01/24奥行きを感じさせ重層的物語については他でも語られているので、別の視点で。この漫画、哲学者や思想家の名前や言葉が、あちこちに散見する。 ・大陸合理主義の哲学者『スピノザ』 ・右翼の現代の政治家『原田義昭』 ・プラトンの著作ソクラテスの弁明で語られる『アレテー』 ・作中のスピノザの発言「最大多数個人の最大幸福」は功利主義の父『ジェレム・ベンサム』の有名な言葉。 ほかにも、ホームレスの男の子が語る「神に見放されても〜」はニーチェの言葉だし、フランシス・ベーコンの「知識は力なり」は有名な言葉。 これらの暗示が、なにを意味するのかまだわからない。(功利主義に対抗する話だということはわかるが) 作者は閉鎖病棟や路上生活を潜入取材して描いたという。それほどまでに描きたいなにかがあるのだろう。今のところ、物語は悪くはない。しかし、著名な哲学者を引用するからには、哲学好きな人間からも読まれ、そして私たち特有の「批評精神」と対峙することを知らなければならない。 今後に期待したい。#介護ロボットが人類を削減しているSUEY9わかる
江戸川2024/01/24パーフェクトデイズを観てからこれを読んだが映画パーフェクトデイズは面白かった。 トイレ清掃という舞台が同じであり、興味を持って読んだのだが、社会的なヒエラルキーや、低所得者の生活などへは言及しない方向の漫画だった。(今後はわからないが) んー、人物には好感は持てる。これからに期待ということで星4つ。 清掃員ノノちゃん今日のつぶやきやまことり5わかる
江戸川2024/01/24感情が生々しく表情から伝わる。さすが押見修造。その世界に入り込んだ感覚になる。前回の血の轍は、読んでいて正直辛かった。今回もそんな予感がするが、原作?が付いてるようで、新たな押見修造ワールドを見れそうだ。 ネタバレは避け、作者の思想について語りたい。 押見修造の世界は、バタイユの著書エロティシズムに通じる。死や破滅と性的興奮はリンクする。彼は一貫してそれを描いている。暗くて救いようのない話なのに、それが劣情を発動させる。ではなぜ、愛ではなく、死や破滅がそうさせるのか?そこをさらに深堀して物語として提示されたなら、名作になるに違いない。僕なりの答えはあるけれど。 兎にも角にも、本当に描きたいのは、苦悩や閉塞感ではない。性的興奮の正体だ。ちーちゃん押見修造 内藤瑛亮 「毒娘」製作委員会8わかる
江戸川2024/01/24タイトルと内容と絵のギャップ流行ってるから読んでみた。どうしよう、おじさんだからか、なにも感じなかった。奥行きを感じないというか。深く考えたいタイプにはあまり向いてない作品かも。とか言われたら叩かれそうだけど、まあ、飛ばし飛ばし読んだ雑感です。推してる方々、、ごめんなさい。【推しの子】横槍メンゴ 赤坂アカ5わかる