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名無し
5ヶ月前
アレテー・スピノザの考え方、すごく分かる。 生活保護や受刑者を国で養うけど、かかる費用をその人から回収できないのであれば、他の人の負担で費用をかけるだけの価値があるのだろうかって極論を、福祉系で働く友人とつい先日討論してたばかり。 受刑者の再犯率の高さや、生活保護の家庭で育った子供が自分も生活保護受給者になるループケースも多いと聞いて、どうやったら抜け出せるのか、社会が税金というお金をかけて「ただ生存させること」に意味があるのかねって話だったけど。 これって同じテーマな気がする。 国や社会がシステムとして機能するためには費用対効果の観点は外せないし、少子高齢の現代社会でそのコストを負担してるのは働き盛りの中年層。 引いては今後負担していくのは若年層。 でもコストかけて産めよ増やせよで子供がただ増えても、経済活動して国の収入が増えなきゃ負担構造は変わらないし悪化するだけ。 アレテーはトリミングで負担構造を変えてくれようとしてる。 実際に自分が子なしで減税や給付を受けることなく働く中年層だからか、被害者意識的に搾取されてると感じていて…楽になるために飛びつきたくなる安易な極論はアレテー・スピノザと同じだった。 もちろん、子がいない時点で今後の社会的貢献度とか社会的価値は下がるので自分もトリミング対象に入っていくんだけれど。 まぁそれはそれでしょうがないかな。解決策は浮かばない。 これはいわゆる社会の弱者側になってないから思うこと。切り捨てるのは簡単だ。 介護や高齢問題の作品のようで、社会はどう全員を幸福にするのか、人はどうやってお互い幸福になるのかを考えさせられる作品だと思う。 作者の意図はどこにあるのか、どういう展開になっていくのかとても楽しみ。
幻想集

作家性が横溢する幻想短編集 #1巻応援

幻想集
兎来栄寿
兎来栄寿
『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』、『書店員 波山個間子』、『三護さんのガレージセール』などでお馴染みの黒谷知也さん。 上記3作品のような線の整った作品群とは別に、よりコミティアなどで出逢うような雰囲気で作家性を剥き出しにして描いている短編。その中でも、本にまつわる話を中心としたシリーズに分類されるSNSで2021〜22年頃に公開していた短編を1冊にまとめた本です。 こういう夢想が自然に浮かんでくる瞬間ってあるなぁと思える幻想譚たち。泡沫の夢のように、何もしなければ刹那弾ける泡のように消えていってしまうものたちを、繋ぎ留めるように手繰り寄せて現出させ形に残しているような感覚があります。 ときに好奇心を、ときに恐怖を掻き立てられ、不思議さに戸惑いながら酔い痴れ、理不尽に鬱屈としながらそれが快感でもある。 本を愛するから解るところもあり、本を愛するから苦しいところもある。紙とインクによる魔的な被創造物。読書という広大な宇宙海を漂う、無常感と無上感。 本がテーマでないお話も、寓話的で批評的な「グドゥグドゥ」や「鰐の起立」などとても好みです。社会の形式が変わるifがある物語は、想像力を刺激されます。 「言葉の珈琲」という柔らかい口当たりで始まりながら、とても強い刺激に満ちた1冊です。尖った作家性を浴びたい方、非商業的な作品を好む方には強くお薦めします。
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