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架空の国、架空の戦争ではありますが、戦場の後方で戦う人たちの物語です。
撃ち合い、殴り合いでなく、紙の上で戦闘をする兵站部「紙の兵隊」たちの生活が、主人公を中心に描かれています。
あらすじいわく、「ミリタリー法螺漫画」です。
主人公の母国、大公国の軍には、陸海空にくわえて、兵站が存在します。
主人公は、ショートヘアなめがねっ子・マルチナ・M・マヤコフスカヤ少尉です。
食料や衣類や武器など、必要な物資を必要なところへ届ける手続きをする兵站軍。
兵站軍の士官学校を卒業し、アゲゾコ市にある補給廠に配属されるところから、物語は始まります。
四角四面すぎる主人公が、生真面目すぎて当初は疎まれつつも、その個性を大切にされているのが印象的です。
部隊の人たちもよくみれば、みんな個性的です。そしてアットホームです。
使えるものは使えるところで、うまく使えばいいという感じがします。
トラブルに巻き込まれた場合、主人公は銃で打ち合いなどは苦手なようで、かわりにクソ真面目な知識を元にした知恵で切り抜けます。
軍隊内の事情は、パワーでねじ伏せるのでなければ、決まりで乗り切るのが効率的なようです。
読んでいて混乱したのですが、登場する国は、主人公が属する「大公国」、そして占領したアゲゾコ市でともに連合軍を組んでいる「帝国」、敵国である「共和国」の3国です。
長い戦争のせいか、どの国も疲れています。
なぜ戦争をしているのかわからないのですが、振り上げた拳を下ろすのは難しいようです。
ちなみに、物語冒頭に毎回描かれている、緻密な兵器などの紹介も圧巻です。