4.67
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一巻無料でなんとなく読んだら、なにこれ、すごくおもしろい。
あはは、でなくて、興味深いほうのおもしろさ。
帰宅した主人公。
玄関を開けて出てきた美人さんに対して主人公のモノローグ。
――嫁です。
ページをめくって、追加モノローグ。
――兄の嫁です。
この流れに、グッと心を持っていかれた。
その前に兄が死んだ話をされている。
それでも兄の嫁と、兄との思い出を語り合いつつ暮らしている。
――両親は昔 死んで 兄も半年前に死んで
――今は 兄の嫁と 暮らしています
――ただ それだけの話です
主人公のモノローグはたんたんとしている。
なんてことない日常が綴られているのに、少し歪な関係が加わるせいで、相手を利用していると罪悪感が端々からこぼれてしまう。
幸せそうにしているのに、どこかうまくいってない。
うまくいってるように思えると、出てくる亡くなった兄の影。
ふたりとも、喪失感を受け入れないといけない。
一巻まで読んだところだと、幸せな日常に見えてどこか欠けていてつらい。
あらすじに「日常センシティブストーリー」と聞き慣れない単語があるのは、この気持ちをあらわしているんだろうか。