あらすじ岸辺志乃、高校生。17歳。兄の嫁“希さん”と猫の“大佐”と暮らして半年。ちょっとだけ──ほんのちょっとだけ、私を彩る世界が変わりました。『他人だけど家族』──。そんな二人を描く、不可思議で、不器用で、そして少しだけ自分を見つめ直す、日常センシティブストーリー第4巻。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
一巻無料でなんとなく読んだら、なにこれ、すごくおもしろい。 あはは、でなくて、興味深いほうのおもしろさ。 帰宅した主人公。 玄関を開けて出てきた美人さんに対して主人公のモノローグ。 ――嫁です。 ページをめくって、追加モノローグ。 ――兄の嫁です。 この流れに、グッと心を持っていかれた。 その前に兄が死んだ話をされている。 それでも兄の嫁と、兄との思い出を語り合いつつ暮らしている。 ――両親は昔 死んで 兄も半年前に死んで ――今は 兄の嫁と 暮らしています ――ただ それだけの話です 主人公のモノローグはたんたんとしている。 なんてことない日常が綴られているのに、少し歪な関係が加わるせいで、相手を利用していると罪悪感が端々からこぼれてしまう。 幸せそうにしているのに、どこかうまくいってない。 うまくいってるように思えると、出てくる亡くなった兄の影。 ふたりとも、喪失感を受け入れないといけない。 一巻まで読んだところだと、幸せな日常に見えてどこか欠けていてつらい。 あらすじに「日常センシティブストーリー」と聞き慣れない単語があるのは、この気持ちをあらわしているんだろうか。