閉じる
メニュー詳細
1935年の台北城は、夜であっても、眩しく奇異な輝きを放つ、夢のように美しい場所だった。そんな台北城の一角に、百畫堂という名のカフェーがひっそりと建っていた。一階と二階には、甘いデザートに、氤?な香り、その中を忙しく往来する女給たち。三階は、関係者以外立ち入り禁止となっている、店主の書斎。ここには、豊富な蔵書、多様な収蔵品のほかに、一般の人には見えない幽霊と妖精が潜んていて……。『北城百畫帖』は史実にファンタジー要素を注ぎ、奇妙で懐かしい台湾を再現した作品。さぁ、あなたも当時の台湾に思いを馳せ、台湾の「昭和浪漫」に浸ってください。
1935年の台北が舞台。人ならざるモノが見えるミステリアスなカフェーの店主を軸に、日本人、原住民族も登場し様々なドラマが繰り広げられます。
1935年の台湾博覧会の様子から、町並み、それぞれのキャラクターが着ている民族衣装にいたるまで。描写が本当に丁寧で説得力がすごい!
膨大な取材に基づいて描かれているのが伝わってきます。
「この場所は当時こういう場所で…」
「当時公用語は日本語で…」
「この人物のモデルは誰で…」
など脚注がものすごく細かく入っていて、まるで副音声的な感じで当時の歴史を知ることが出来てとても勉強になりました。
公式のあらすじでは時代に忠実に「昭和浪漫」と書かれているのですが、あとがきでAKRU先生が書いているようにこの時代の雰囲気はまさに「大正ロマン in 台湾」で、ミステリアスでファンタジーな設定とも相性バッチリでした。
当時の台湾の様子を知りもっと台湾が好きになる素敵な作品です。