知らない町に住んだ記憶
私も似たような経験があったのでとても共感できる内容でした。焦燥感や勢いだけで、自分のことを誰も知らない土地に引っ越したとしても、なかなか友達が増えるわけでもなく、ひたすらキツい仕事で精神を削られるだけの日々。そういう経験のある方は意外と多いのではないでしょうか。転勤族の方はもっと大変だと思いますが、ここで描かれている人間関係は大なり小なり、誰しも経験したことのある苦労であるように感じました。忘れかけていた苦い思い出を誰にとってもわかりやすい形で表現された山本さほさんはやはり凄いです。新天地で頑張って暮らしてみたけど合わなかった人、理不尽な仕事や、職場の人間関係に馴染めない人が読むと苦しいけど、自分の経験も振り返ることができるので、何か得られるものがある気がします。神戸(兵庫)に対して偏見を持たれててしまう箇所があるのは少し残念でした。都市名は伏せたほうが良かったかも。単行本のあとがきでは、神戸はとてもいい街だよ、というフォローが入ってますけどね。
関東と関西はやはり国が違うと思った方がいいくらい違うと思う。
私は、西の出身だが、東京に出てくる前に大阪に住もうと思っていたことがあったけど、大阪に住んでいる地元の知人に「大阪は、昼間でも洗濯機盗まれるよ。」って話を聞いてビビっ大阪に住むのを諦めたことがある。
文化の違いって恐ろしい…。
でも、一回受け入れてもらったらとても居心地のいい場所に変わるかもしれない。
しかし、山本先生の場合、既に病んでいるところまできてしまったので、そこから抜け出すしか方法はなかったはず。
よく頑張りました。
大変でしたね。
自分を褒めてあげてください。
そして、それをこの本にしてくれたことは、同じ悩みを感じている人たちにとって共感を与えられる素晴らしい事だと私は、思う。