ゾンビがいても、変わらない人間模様。
既にゾンビが日本にいる。 ショッピングモールに閉じ込められた男女。 皆、恋愛しているし。 男女がいると恋が芽生えてしまうのだな。 読んでいて、怖いのはやはりゾンビではなく人間なんだな。 自分があの状況に投げ込まれたら、どんなメンタルになるんだろう。 話を追うごとにどんどん面白く深くなっていって読むのを止められなかったので、次巻楽しみです!
言いにくいのですが、すごく好みな作品でした。
設定としては、突然の感染によってゾンビがはびこるようになった街で、大型ショッピングモールに立てこもった若い男女6人の話・・・という、まぁゾンビ系ならよくある感じなのですが、新感覚なのは登場人物の緊張感がないところ。
というのも、話題の中心が
「生き残ること」
ではなく
「誰が誰を好きか?」
という点。
この時点で結構、自分好み。
なんというか、このほうが妙にリアリティを感じるんですよね。
昨今のコロナの感染拡大をみると
現代人の「まぁ、なんとかなるっしょ」感覚が、骨の髄まで染み込んでいるっぽいので、おそらくゾンビが蔓延っても、消えないんだろうなぁと思っており・・・。
結局、周りにゾンビがウロついていても、危機に直面しなければ
「まぁ、いずれ救助くるっしょ?」
↓
「今を楽しまないと!」
↓
「恋愛しよう!」
ってなったのだなと思いました。
必死に生き残る気が皆無な感じが、たぶん現代っ子の特性なんだと思います。
「転生あるから、ワンちゃん大丈夫っしょ!」
と言い出しかねない軽いノリ、嫌いじゃないです。
脱出しようと試みたり、救助にきたヘリが墜落したりと、サバイバル系な動きもあるのですが全体的に漂う弛緩した空気と混ざると、不思議とクセになります。
1巻の終わりもヒキをつくってくれたので、2巻が楽しみなのと、
また新しいゾンビ漫画を発見できて嬉しい限りです。
ゾンビパンデミック×シェアハウス、かつてない恋の物語が始まる。成田空港に到着した1機の航空機、それが全ての始まりだった。1人の乗客によって持ち込まれたウイルスが、またたく間に感染拡大。日本政府は、千葉県境を封鎖することを決定。ゾンビが町に溢れるなかで、6人の男女が幕張のショッピングモールに逃げ込んだ。安全と食料を確保した彼らは……恋に夢中になっていた。前作『星明かりグラフィクス』で美大生の青春を描いた山本和音の新作は、極限化でのおかしな人間模様を描くサバイバル・ラブコメディー!
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