皆川亮二の短編集!
普段長期連載作家として名を轟かす先生が出す短編集ではよくあるんですが、色々と試行しているのが面白いんですよね。 こちらも例に漏れず色々遊んでいます。 『進撃の巨人』の諫山創先生とのコラボ読切や、3話完結作品のS.O.L、更にはサイレント漫画などもあり、どれもインパクトあってよき。
『スプリガン』『ARMS』などのヒット作で知られる皆川亮二、初の短編集。表題作の他、『ユーキャンドゥーイット?』『S.O.L』『奪還』、諫山創原作の『the Killing Pawn』の全5作を収録。
⑤the Killing Pawn
『テニスの王子様』でいまだに鮮明に覚えているシーンがあります。タカさんが石田(108式まである人)の波動球を喰らって何度も客席に吹き飛ばされるも、最後の力を振り絞って返した一撃が石田の腕を骨折させ勝利する回です。
どうにか石田を棄権に追い込みましたが、タカさん自身も相当流血していたので一歩間違えば自分が棄権するどころか、命に関わる可能性もあったのではないかと思います。(実際阿久津にいたっては「死んでこい」と発破をかけていました)
自分は将棋は詳しくないのですが、タカさんの試合から推測するに、将棋も対局中に対戦相手が何らかの理由で対局続行不可能になれば棄権試合となって勝利出来るのではないでしょうか。
原作の諫山創先生もそう考えたようです。
そして皆川先生も納得したみたいですね。
主人公の力動歩は「歩」だけでプロ棋士を倒す実力の持ち主。
多くは語りませんが、彼が二歩のミスを犯すところからが真骨頂。最強の将棋を見届けてくれ。