皆川亮二の短編集!
普段長期連載作家として名を轟かす先生が出す短編集ではよくあるんですが、色々と試行しているのが面白いんですよね。 こちらも例に漏れず色々遊んでいます。 『進撃の巨人』の諫山創先生とのコラボ読切や、3話完結作品のS.O.L、更にはサイレント漫画などもあり、どれもインパクトあってよき。
『スプリガン』『ARMS』などのヒット作で知られる皆川亮二、初の短編集。表題作の他、『ユーキャンドゥーイット?』『S.O.L』『奪還』、諫山創原作の『the Killing Pawn』の全5作を収録。
③奪還
舞台は第二次大戦下のドイツ。ティーガーに乗り込むドイツ兵士のチームが連合国に制圧された教会を取り戻す戦いが描かれます。解説でも少し触れられていましたが皆川版ガルパンというところでしょうか。『D-LIVE!!』のアクションパートをずっと読めるような至福。
なんといっても最大の魅力はセリフや擬音を一切使わずサイレントで描かれたことでしょう。まるで映画を見ているかのようなアクションが描かれる皆川作品ですが、本作はとりわけ戦車の駆動や戦闘描写がより際立っている感があります。戦闘の結末も文字情報がない分映像的な美しさがすごい。
ビッグガンガンに掲載された作品だというのも面白いところです。皆川先生がガンガン誌上で輝く世界線、いつか見れる時が来るのか…。