自虐と自慢、起承転結のバランスが良い
さすが「まんがタイム」基本は4コマですが、起承転結が巧み。 しぞーかご当地マンガであるかのように始まったと思ったら盛大にアレがないコレがないここが酷いここがこんだけ遅れてる、と主人公のOL目線での静岡へのダメ出し。。。 と思いきや、東京から左遷された29歳江戸っ子サラリーマン目線での静岡おもしろ話や、ツッコまずにいられない良い塩梅の展開が本当によく出来ているなーと感心させられます。 別にこれ読んで静岡いってみたい!ってならないけど、静岡面白いなとは思うことでしょう。 川で3つに分かれてる(西部・中部・東部)とか、それぞれ取れる海産物が異なるとか全然知らない豆知識がイイ。
「地元から一度も出ずに結婚して子供がいる同級生」に対する冷たい描写が多くてはじめはちょっとビックリしました。
主人公・りん子のもの言いは地元が全然好きじゃない自分にとっては小気味よくもあり、でもその言葉の裏には仕事も結婚も東京でなにも成せなかったことへの負い目があってまさにUターン者の遠吠え……!だから愛せる。
楽しい静岡ローカルネタに、アラサーなら誰でも感じるような地元とキャリアと結婚への葛藤みたいなのが随所に入っててクセになります。
東京での仕事に疲れ地元静岡にUターンしてきたクソ真面目主人公・りん子と、東京から左遷されてきたゆる〜い男・雲春。恋愛至上主義で可愛いだけで人生渡ってる桐島。元モデルの卵・水馬。元超絶ブラック企業勤務のハッチ…。
濃いキャラたちが織りなす人間関係が面白い…!
ハッチの目に光が戻る日は来るのだろうか…。
りん子の実家がスナックだと知った雲春が、りん子に「実家が水商売で驚いた?」と聞かれて「そんなことよりイルカ(の味噌煮)!」って言うとこ好きです。