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重版出来!
人間臭さで包み込んでくる漫画編集漫画
重版出来! 松田奈緒子
名無し
「編集王(作画・土田世紀先生)が好きだったので、 同じく漫画編集部を舞台にした漫画と知って読んでみた。 とても面白かった。 編集王が読者の心に男臭さで切り込んでくる漫画ならば 重版出来!は読者の心を人間臭さで包み込んでくるような 漫画だと感じた。 編集王が1990年代の漫画で重版出来!が2010年代だから 当然なのだが、同じ漫画編集部漫画であってもかなり異なる 世界を描くことにはなっている。 重版出来!には当然SNSとか電子書籍とか出てくるわけで。 それだけ漫画を取り巻く環境は変わり、多様化したと言える。 それは結論が一つ、という世界ではなく、 人それぞれに結論がある、という世界のようにも感じる。 編集王は、数話ごとに話を区切りながらの連載の仕方ながら なんだかんだといっても区切りごとに土田世紀先生が 先生なりの「俺はこう思う」という感じの結論を ドーンッとぶつけてくるラストが多いと感じた。 重版出来!は、わりと「皆さんはどう思いますか」 みたいな区切りが多いように感じた。 それはこういった時代の変化に即した結果の違いなのかもしれない。 だがそれはそれで考えさせられる凄く後味のいい区切り方に感じた。 それと単なる偶然かもしれないが 編集王の主人公のカンパチが元ボクサーで、 重版出来!の主人公が元柔道選手という設定で、 なんか漫画編集の世界ってアスリート視点での 見方や感じ方が、インドアの典型みたいな漫画家との対比で 物語として面白くなるのだろうか、などとフと思った。 時代が変わっても、その辺は変わらないのかな、と。
やがて、ひとつの音になれ
失った音と生きる意味を取り戻していく物語 #1巻応援
やがて、ひとつの音になれ 草原うみ
兎来栄寿
兎来栄寿
新鋭・草原うみさんの初商業連載作品です。 路草で公開されていた珠玉の短編をまとめた『mothers 草原うみ短編集』も6月に発売となるようで、併せて推したいです。 本作の主人公は、5歳からコンサートに出演し10代前半からプロとして活躍しながらも局所性ジストニアという脳の病が発症したことをきっかけにピアノを弾けなくなってしまった越智奏(かなで)。 かつての仲間たちが華々しい活躍をしているのを尻目に、印刷工場のバイトをして日々を凌ぎながら誰とも話さず下を向いて耳を塞いで過ごす日々。 そんな彼を変えるきっかけになったのは、隣の部屋に引っ越してきた33歳のライターの横野絵里と、その6歳のピアノに憧れを持つ息子の陽向多の親子。7年ぶりに向き合ったピアノの音色と人との触れ合いが、奏の失ったものの大きさと大切さを気付かせていきます。 音楽という軸がまずあり、その上で人生で最も大切なものを失くしてしまった青年の再起の物語という軸も並存しています。夢も未来もすべてを無くしてしまい、無気力になり周囲に呪詛を撒き散らすことしかできなくなってしまっていた奏の姿は痛々しいですが、理解もできます。 草原うみさんは、短編からも本作からも痛みや悲しみを掬い取り、そうしたものを描いた上で前に進む普遍的で大事な人間の営みを描くのに長けている方であるという印象を受けます。どうしようもなく人生に訪れる不条理や不遇、他者からの心ない扱いを受ける瞬間。そういったものもありながら、勇気を出して前へ進んでいく人間の気高さや尊さを描ける方です。 この物語のもうひとりのキーパーソンは、かつて奏の音に心酔していて、今は「ネオピアニスト」として動画配信サイト経由で大きな人気を博すようになった真琴。彼との再会によって物語は動きを見せ始め、互いの存在が互いに大きな影響を与えていきます。 個人的には、横野親子との日々の交流シーンが好きです。現代では希薄になりがちな隣近所との関係ですが、そうした赤の他人との繋がりが大きな支えになることもあるというのも良いなと思います。 単行本の表紙絵も非常に良く、回収されるであろうタイトルを表すシーンへと辿り着く瞬間がとても楽しみです。
じゅうはんしゅったい
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