手にとる時、「表紙がかわいくてオシャレだな」というだけの理由をもちレジに持って行った。家に帰り珈琲なんぞを啜りながらシャレオツな漫画を嗜む私カコイイむき出しで読みだしたのだが、気づけば珈琲はいつの間にか冷めていたし、組んでいた足は解かれてあぐらをかいていたし、私の中のシャレオツな漫画を嗜むカコイイ私は死んでいた。

プリンセスメゾン。 家を買いたい女の子の話。だけじゃ、なかった。

これは作者の気まぐれですか?ってほど、ふ、とした拍子に「閑話休題!沼越ちゃん以外の女性の生活を垣間見てみよっか!」という回がたびたびあるんだが、私はその回のどれだったか今やわからないが、

女性が朝おきて、夜、ベッドで眠る。

というだけの描写にしか思えない回で、なぜか泣いてしまった。

なにがそんなに感動的だったのやら、言語化するには能力が足りないだけかもしれないが、とにかく 絵で殺され、そして泣いたのだ。

じわ、と滲むようにそれは広がり、幸せと寂しさのはざまにゆれるような、そういう不思議なきもちをくれた。

かなり売れて、確か実写化とかしてたけど、これは漫画、静止画でないと、そしてこの絵柄でなければ、出せないものが絶対にある、と思う。

池辺葵は他作品もステキに滲む作品ばかりなので、プリンセスメゾン以外もおすすめです。

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私にできるすべてのこと

私にできるすべてのこと

AIが人の仕事を奪うだなんて誰が言ったのだろう。『プリンセスメゾン』の池辺葵、SFへの挑戦!『繕い裁つ人』や『プリンセスメゾン』で、社会の同調圧力に屈せず孤高の道を行く女性を描き、熱い支持を集めてきた著者の新境地。大量生産から20年、ヒト型AIが世界中で廃棄される中、少女・和音は喫茶店で働いていた。人とAIが共に暮らし、交錯する中できらめきを見せる、命あるものたち――。誰かを、何かを愛しく思うのは、ヒトの特権ですか?池辺葵(いけべ あおい)2009年デビュー。同年より、『繕い裁つ人』(講談社)の連載を開始する。14年、『どぶがわ』(秋田書店)で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。この年、『プリンセスメゾン』(小学館)も連載開始。18年、『ねぇ、ママ』(秋田書店)で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。ほかの代表作に『かごめかごめ』(秋田書店)、『雑草たちよ 大志を抱け』(祥伝社)などがある。現在、『FEEL YOUNG』(祥伝社)で『ブランチライン』を連載中。

ブランチライン

ブランチライン

【電子限定!描き下ろし特典ペーパー収録】『プリンセスメゾン』の池辺葵、心の最深部に触れる最新作! 4姉妹と母。女たちが抱く罪悪感と宝物。アパレル通販会社で働く4姉妹の末っ子・仁衣。喫茶店を営む三女・茉子。役所勤務の次女・太重。シングルマザーの長女・イチ。そして、実家を一人で守る母。今はそれぞれ離れて暮らしているが、女5人で育てた長女の息子・岳は、皆にとっての宝物だ。けれど、岳にとっての女たちは、いつも正義であっただろうか――? あなたにもきっと、思い当たる感情がある。だからこそ、この物語はあなたの呼吸をふっと軽くする。池辺葵が紡ぐ様々な世代の女たちと家族のあり方について。

漫画家さんのおいしいさしいれ

漫画家さんのおいしいさしいれ

いくえみ綾、志村貴子、藤村真理、谷川史子、松田奈緒子、高野雀、磯谷友紀、池辺葵、久世番子さんら42人が結集した、女子漫画家のグルメエッセイ最旬アンソロジーです。今までで一番感動したあのケーキ、今も忘れられないあの惣菜、いつか貰いたい憧れのあの和菓子! 定番チョコから、老舗和菓子、人気のクッキー、最新スイーツまで、おいしいグルメ情報が満載です! これらを貰えたら、漫画家さんも原稿アップが早くなること間違いなし(笑)

繕い裁つ人

繕い裁つ人

服に命を宿す人。どこか懐かしい町並みに響くミシンの音。祖母の志を受け継いで、その人だけの服、一生添い遂げられる洋服を作り続ける。そんな南洋裁店の店主・市江(いちえ)と、彼女の服を愛してやまない百貨店企画部の藤井(ふじい)。微妙な距離感を保ちながら関わる二人と、服にまつわる人々の思いを描き出す、優しい優しい物語です。

サウダーデ

サウダーデ

マナーの悪い客に注意する。カフェラテにブルーベリーシロップは入れない。5人以上の団体客は断る。近所の子供と対等に口ゲンカする。カップ麺の比較表作りが趣味。店先のアザレアの鉢植えを大切にしている。“郷愁”の名を持つ喫茶店――「サウダーデ」。心からのくつろぎを求めて、今日も数少ない人々が訪れる。待ちわびた誰かが現れる所。大切な誰かを待つ所。そして一途な店主・芳乃(よしの)もまた、あの人を……。

ひにひに つらら

ひにひに つらら

実写映画化された『繕い裁つ人』や文化庁メディア芸術祭受賞『どぶがわ』で注目の池辺葵。ひと目ひと目に思いを込めて編む人と、その周りの人々の温かく寂しく、強い思いを心優しく描き切った特別読みきり作品です!

かごめかごめ

かごめかごめ

語られない想い。満たされることのない心。彼女たちは何に己を捧げ、仕えるのか?静謐で美しい光の中に見え隠れする不穏な世界。『どぶがわ』『繕い裁つ人』の著者が全篇フルカラーで魅せる、修道女の愛の讃歌。置き去りにしてきた喪失感とひきかえに、わたしがたどりついた場所。「Championタップ!」にて掲載された作品に描きおろしエピソードを追加し、全ページカラーで単行本化。

雑草たちよ 大志を抱け

雑草たちよ 大志を抱け

いつか、この日々を忘れたとしても、魔法の言葉が私を生かし続ける。『プリンセスメゾン』の著者が描く、地方都市に生きる女子高生達の切なくも可愛い青春群像劇。 たえ子:成績トップの転校生。マラソンが苦手。家でも学校でも寡黙。 久子(ひさこ):読書や分筆を好む文学少女。毛深いのがコンプレックス。 ピコ:徹夜でゲームをして目にクマができがち。がんちゃんの膝によく座る。 ひーちゃん:がんちゃんを毎朝迎えに来る幼馴染み。基本無表情。足が速い。 がんちゃん:朝に弱い。おしゃれが苦手。心配性で誰にも優しい女の子。 「素直になったら恥かくだけや。私は鋼鉄のバリアで自分の心を守るんや」地味で平凡な女子達にとって、人生はかくも厳しきもの。けれど時に、友人の言葉が生涯を照らす魔法に変わることもある。苦味も優しさも抱き込んだ目映い青春を描く傑作連作集。

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