ネタバレ

これまで読んできたシリーズの中でも巻数が少ないので社長就任前のウォーミングアップくらいに思ってたら、ここがクライマックスなんじゃないかと思うくらい盛り上がりました。まだまだ先があるなんて本当に信じられないです。

【アメリカ期】
専務取締役になり担当区域が北米経済圏にまで広がる。ここではショッキングなことが起こりましたね…。島耕作がプロデュースしていた歌手のNyaccoがアメリカで人気低迷してからアルコールとドラッグに溺れるような生活をしていて、誤操縦した小型飛行機が彼女の部屋に突入する事故で亡くなる。息を引き取る直前に父親であることをカミングアウト出来たからよかったけど、あまりにも悲惨でショックでした。それとは別にまさかラスベガスで出会ったパメラがこのタイミングで登場すると思わなかったな〜!

ヤング島耕作 主任編をまだ読んでないので分からないけど、主任時代に研修をしたホセズマートの社長が登場して、妻のマリ子はチャイナタウンで殺されたと言っていた。複雑なシリーズ構成だからネタバレはしょうがないですね…。

その頃インドでは大町久美子と電報堂の古波支局長と親しくなる。部長時代に「あなたには反省して欲しくない いちいち女の行動に干渉するなんて島耕作じゃない」と言ってたけど、やっぱり島耕作はモテ過ぎるから大町久美子ほどの女でも嫉妬と不安はあるんだろうな。二人はとてもお似合いだけどたまに大きくすれ違っちゃうんですね。

【五洋電機買収騒動期】
韓国のソムサン電子が五洋電機を買収しそうになる。初芝電産がホワイトナイトになるべきだと島耕作が提言して助ける。久しぶりに大町愛子も登場するし、探偵のグレちゃんも死にかけるし、とにかくハラハラドキドキで面白い展開でした。一時的に鶴寿司の女将と五洋電機の社長と島耕作が三角関係になったけど丸く収まりましたね。女将が言っていた「島さんは完璧すぎて女にコンプレックスを持たせるところがあるわ そこに本人も気づいてないみたい」は、恋人としての島耕作に対する厳しい評価だけど…その通りです。郡山社長の経営方針はやり過ぎなところがあるけど上手くは行っていた。恋愛関係になっていた坂東社外取締役がスパイだったことを見抜けなかったから辞任するなんて真面目すぎるくらいの人だったんだな。

五洋電機と経営統合して初芝五洋ホールディングスを設立し、島耕作が初代代表取締役社長に就任する。最終回ではまた娘の奈美とツーショットになり「いつまで社長やるつもり?」「そうだな…このマンガの作者が生きてる限り続けてみようかな」「あの人もお父さんと同じ年だものね」と会話してた。どのシリーズもいい終わり方をするけど、今回は特に好きかも。

私も「シンクグローバル」を掲げて、島耕作社長について行きたいと思います!!

読みたい
モリのアサガオ

死刑を執行する刑務官

モリのアサガオ
かしこ
かしこ

死刑という重いテーマと真正面から向き合った作品です。父親のコネで刑務官になり死刑囚と接することになった実直な性格の主人公・及川。凶悪殺人犯のことが怖いと感じるのは彼らのことを理解しようとしないからだ…という考えに至ってからは、積極的に彼らと関わり更生の道を一緒に模索するようになります。しかし心を入れ替えて自らの罪と向き合ってもすでに決まっている死刑からは逃れることは出来ません。いくら凶悪殺人犯とはいえ国が人を殺してしまう、命を持って罪を償うという死刑制度は本当に正しいのか、主人公は疑問に思うようになります。 登場する死刑囚たちの中でも渡瀬という男と主人公の物語を主軸に描かれていますが、個人的には食堂を経営していた家族を惨殺してしまった星山がメインの回が一番心に残りました。主人公が人形を手作りして家族というものを思い起こさせて自分の罪を認識させることに成功する訳ですが、改心してすぐに死刑が執行される展開にはなんとも言えなくなりました。そういう流れを組みながら親友と言えるまで深い仲になった渡瀬からの「死にたくない」という望みを主人公が却下したのには驚きです。最終的には疑問を持っていた死刑制度についても、死と向き合うことが自らの罪を反省するきっかけに繋がるんじゃないかという考えになっていました。 しかしモリのアサガオ2で、渡瀬の死に携わってから主人公が精神を病んだことが描かれていて、やはりこの問題は深い森の中にあるのだなと思いました。

せんむしまこうさく
専務島耕作 1巻
専務島耕作(2)
専務島耕作(3)
専務島耕作(4)
専務島耕作(5)
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逢いたくて、島耕作

逢いたくて、島耕作

あの伝説の漫画の世界に転生! 「島耕作」シリーズを聖典とあがめ、幼い頃から1000回以上も読み返しているイカれた就活生、谷耕太郎。ある日、ふと気づくと憧れの島耕作が実在する世界に転生していた! 期待に胸を膨らませる谷だが、上司として待っていたのはシリーズ最凶の「子悪党オブ子悪党」、今野輝常だった! パワハラひしめく激動の80年代を生き抜き、島耕作に逢うことが出来るのか!? シリーズ40周年記念、まさかの本家公認ギャグ!

社外取締役 島耕作

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日本を代表する電機メーカー・テコットの相談役を退いた島耕作。新天地に選んだのは業界3位の塗建会社「UEMATSU塗装工業」、その社外取締役だ。一代で同社を築き上げたワンマン経営者・植松権兵衛が頭を悩ますのは、後継者問題! バトンを託すのはボンボンの二代目、それとも…!? 島耕作・74歳、その経験、手腕が試される!

人間交差点ベストセレクション

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時代を越える不朽の名作、厳選編集決定版! 1979年~1990年にかけてビッグコミックオリジナル誌上で連載され、絶大なる反響を呼び、今なお熱狂的なファンが多数いる『人間交差点』。単行本全27巻、文庫版で全19巻の本作の中から、特に評価の高い作品を選びに選び、再編集し、上下巻で発刊。愛と憎しみ。絶望と希望。人間が人間と交差することによって、どうしようもなく生まれてしまう感情のもつれ。発火してしまうほどの憎悪。そこに希望はあるか。そこに温もりはあるか。時代を越えて人を震わせる短編漫画の金字塔、特別厳選版。収録作品…第1話/谷口五郎の退官 第2話/教官の雨 第3話ひび割れた土 第4話/黒の牧歌 第5話/あの日川を渡って 第6話/腐敗 前編・後編 第7話/あだしの 前編・後編 第8話/初雪25時 第9話/原色の河 第10話/回送車 前編・後編 巻末にとり下ろし、著者あとがきインタビュー「人間交差点の日々」収録(上巻は矢島正雄)。カバー写真:写真家・上田義彦。

六本木騎士ストーリー

六本木騎士ストーリー

欲望うごめく夜の街を真っ向勝負で昇りつめた男のドラマチック半生! 弘兼憲史がマンガで書き下ろす、夜の世界を成り上がった男の経営哲学。女優の卵が在籍するクラブとして高い人気を誇る「クラブチック」。オーナーの守川敏氏は、現在ナイトクラブの事業とともに、ワイン事業でも名を馳せる。度重なるライバル店からの嫌がらせ、反社会勢力からの暴力、スポンサーからの裏切りが相次ぐ六本木の地で、なぜ彼はまっとうに這い上がることができたのか。「島耕作」の著者、弘兼憲史がその生き方に共鳴するという“六本木王”の経営哲学をマンガで書き下ろす。

黄昏ゴルフ倶楽部

黄昏ゴルフ倶楽部

週刊パーゴルフ誌上で大人気を誇る、巨匠・弘兼憲史、完全監修の漫画連載『黄昏ゴルフ倶楽部』が待望のコミックス化。名作『黄昏流星群』の魅力をそのままに、ゴルフ場で交わる男女の人生を描く――。妻を亡くした55歳の会社経営者、藤原隆一。何気なく訪れたゴルフ場で美熟女と女子高生の美人母子と回ることになって――!?

相談役 島耕作

相談役 島耕作

日本を代表する電機メーカー・テコットの会長を退いた島耕作は相談役に就任。テコットの枠にとどまらず日本の経済活動に貢献したいと考える島耕作。東京五輪が迫る中、その視野にとらえたのはスポーツ界だった。旧態依然のアマチュアスポーツ界に優れた経営ビジョンを持ち込むことで変革を起こそうとしている人間たちがいる。「スポーツは教育」「スポーツで金儲けはしない」――そんな凝り固まった考えの社会に風穴を空けろ。2020年の東京オリ・パラ、その後のスポーツビジネスを見据えて、島は動き始める。一方、テコット内部では新社長・風花凜子への風当たりが日増しに強くなり怪文書が出る始末――その時、島耕作は!?

エイント・チャウ

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いまやコンクリート・ジャングルと化した歓楽の街"新宿"で、娼婦・アル中・ギャンブラー・ストリッパーなど裏街道を歩む人たちに、真情あふれる視点から迫る、若いルポライターの一人立ちを目指す厳しい青春の途‼新鋭コンビが大胆に挑戦したニューコミック

試し読み
改元 島耕作

改元 島耕作

【昭和58年に掲載した島耕作をまるごと収録】’83年、島耕作は初芝電産本社営業本部販売助成部宣伝課課長に昇進。部下の田代友紀を叱責するために食事に連れ出すが、絡んできた暴力団員から逃げたことをきっかけに一夜を共にしてしまう。サラリーマン漫画の金字塔、ここにスタート!!【あの頃の日本】東京ディズニーランド開園/ファミリーコンピューター発売/愛人バンク「夕ぐれ族」で逮捕者/AIDS騒ぎ 『課長島耕作』1巻/STEP1「カラーに口紅」/STEP2「あなたにセンチメンタル」を収録

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