ネタバレ

不幸な子ども、誘拐、魔法、師匠と弟子、契約。自分が好きなものの要素が全部入った、小説みたいにじっくり読める作品で超大好きです…!! 現実と切り離されているようで地続きになっている、リアルとファンタジーの混ざり具合がたまりません。

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特別な力を持った存在が、実親から引き離して人間の子供を弟子に取る怖さ。「魔法使い」という特別な人たちが、身を潜めながら群れを作り生きているワクワク感。魔法使いたちの社会の複雑な人間関係と、魔法の不気味さ。無邪気にドリルを解いたり庭で遊ぶ春生の可愛らしさ。ガラスケースに保存されている泉太郎が殺した叔父の生首。得体が知れないけど春生を心から心配している泉太郎の温かさ。

魔法とそれ取り巻く社会はかなりダークで恐ろしいんだけど、泉太郎と春生はそんな社会から離れてひとつ屋根の下で優しい関係を築いているという、怖さと温かさが丁度いいバランスでずっと読んでいたくなります。

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少しでもこの世界を理解したくて、登場人物たちの何気ない会話で魔法の仕組みや魔法使い社会の構造が話されているのを、既存の情報を思い出しつつ「こういうことか…?」とかなり真剣に考えながら読んでしまいました。

「魔法使いは総じて家族と縁が薄い」っていう設定が超グッときます。
不幸な子どもって大好きなんですよ…というか、家族が居ない、愛されていない子どもが1人で新しい場所に適応するのを見るのが好きなんですよね。未来少年コナンとかロミオの青い空とか、カスミン、ハリーポッター、夏目友人帳も。

泉太郎から出されたドリルを自分でちゃんと解いて、ときどき猫をだっこしておしゃべりして、1人で楽しそうに動きながら家の中を歩き回る。
春生の昼間の過ごし方を見てると、自分の子供の頃を思い出してなんか「ああ、子どもってこんなだよなぁ」と優しい気持ちになります。

単行本は24話(ウィングス2017年4月号掲載)が収録された3巻が2018年に出たのが最後。気になってバックナンバーの話数を数えてみたら、最新話が36話(ウィングス 2020年4月号)ということで既に12話ほどストックがあるようで、そろそろ新刊が出るかも知れません。楽しみ…!!

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