ひばりくんは身体的には男性で女性として生活しているのだが、悩むでもなく性差別を是正しようとするでもなく、ただただそうすることが当たり前であるように振る舞うところがいい。「変態」だの何だの言うのは周りだけで、今の目にはそっちが異常に映るほど。

同性を好きになることの何が駄目なのか。異性の格好をするのに問題はあるのか。作者はギャグとして描き、時に差別的な突っ込みを入れているが、根源的にはそういった疑問を持っているのだろう。

同性愛自体は紀元前からある訳だし、進んでるとか遅れてるとかいうのはあんまり意味がない。ただ、1980年代の日本てこんな感じの意識だったんだなというのはよく分かる(「外人」は良くない「外国人」と言うべきみたいな描写はあったりする)。

最終回がこんな途切れ方(コンプリート・エディションで加筆されてはいるものの)なのも逆に良くて、時代が違えばもっと違う展開がありえたかも知れないという可能性についても考えさせてくれる。

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