sogor251年以上前編集みなさまは「総合診療科」という言葉に聞き覚えはありますでしょうか? 病院の"診療科"といえば、「消化器内科」「脳神経外科」など、疾患の部位とそれに対応した処置で分けられた科が思い当たるかもしれません。それぞれの科ごとに専門的な知識や技術を有した医師が活躍している、というのはこれまでの医療マンガでも描かれてきた部分だと思います。しかし、実際の医療現場では、"熱がある"や""咳が出る"という誰にでも起こるような症状なんだけど治療をしても症状が改善されずしかも原因が分からない、もしくは、診断をした疾患では説明できない症状が現れた、ということが少なからず起こり得ます。そんな患者に対し、病気の部位に囚われず包括的に診療を行なって原因疾患を特定する、という目的で設置されているのが「総合診療科」です。 https://ho.chiba-u.ac.jp/section/soshin/index.html 総合診療専門医は、2018年から始まった新専門医制度において既存の18基本領域に加えた"19番目の基本領域"として新たに制定された専門医でもあります。 そしてその「総合診療科」の医師を主人公に描いたのがこの『19番目のカルテ 徳重晃の問診』という作品です。 かつて、NHKで総合診療医をテーマにした番組が放送されていました。 『総合診療医 ドクターG』 https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009050706_00000 総合診療医ドクターG 医師が患者の病名を探り当てるまでの謎解きの面白さと、役立つ医療情報を伝える医療エンターテインメント。“G”はジェネラルの意。総合診療医は主に問診で症状、病歴、家族関係、仕事、食生活など患者を総合的に診る。「ドクターG」が、実際の症例を基にした再現ドラマを示し、研修医たちがガチンコ勝負のカンファ... "ドクターG"と呼ばれる総合診療のプロフェッショナルが自身で実際に経験した症例をピックアップし、医師2年目の研修医3人と討論して疾患を絞り込んでいくという番組です。その番組で繰り返し強調されていたのが、「問診」の重要性。患者の発言、表情、動き、もしくは近親者による目線、そのどこかに隠されている手がかりを常日頃から行なっている「問診」で見つけ出す・見逃さないようにする。それがが総合診療医として大切なことだと伝えているように感じました。『19番目のカルテ』の第1話を読んだだけでも、診療の上で問診で"患者の声を聴く"ことの重要性が感じられると思います。 また、この作品の真髄は、実は第1話以上に第2話に隠されているのではないかと思っています。一話完結型の医療マンガだと、患者さんの病名を推測するという推理小説的な要素も含まれてきます。しかしながら、実際の医療現場においては"病名を当てること"が目的ではなく、それどころか患者さんが本当になにかの病気なのかもわからない。そんな中で、どうすれば患者さんの抱える問題が解決するのか、"人間を診る"ことで道しるべを立てていく、そんな総合診療医の特徴が見事に描かれています。 特別な技術や大掛かりな手術は登場しない、だけど医師という職業の専門性や凄さを感じられる、もちろん人間ドラマとしても面白い。そんな作品になっていくだろうと期待しています。 1巻まで読了9わかるfavoriteわかるreply返信report通報
名無し1年以上前気になって読みました!すごく読んでよかったと思える一冊でした! 自分も1話以上に2話が作者が伝えたかった話でこの作品の方向そのものかなと思いました。完全に私情ですが自分も診療してもらって採血中、先生にかけてもらった言葉で泣きかけたことがあるので自分を重ねてしまいました。 技術的な知識とかも医者にはもちろん必要でしょうが、人間を診るって言うのは少し視点をずらしたり一歩踏み入ることなのかなと考えさせられますね…。 まだ一巻ですがすでにドラマにしてほしいです!19番目のカルテ 徳重晃の問診臓器ではなく"人間を診る"専門医の物語 #1巻応援1わかる
名無し1年以上前気になって読みました!すごく読んでよかったと思える一冊でした! 自分も1話以上に2話が作者が伝えたかった話でこの作品の方向そのものかなと思いました。完全に私情ですが自分も診療してもらって採血中、先生にかけてもらった言葉で泣きかけたことがあるので自分を重ねてしまいました。 技術的な知識とかも医者にはもちろん必要でしょうが、人間を診るって言うのは少し視点をずらしたり一歩踏み入ることなのかなと考えさせられますね…。 まだ一巻ですがすでにドラマにしてほしいです!19番目のカルテ 徳重晃の問診臓器ではなく"人間を診る"専門医の物語 #1巻応援1わかる
あらすじ「病理」「産科」「放射線科」、18のスペシャリストが活躍する病院に誕生した、19番目の新領域、“患者を診る”という専門医。それが、総合診療医である。物語の中で見た「なんでも治せる」お医者さんに憧れる、3年目の女性医師・滝野は、細分化された専門領域で、それぞれの専門を極めることを是とする医者のシステムの中で、理想と現実のギャップに悩んでいた。そんな中、滝野の前に、総合診療医・徳重が現れる!続きを読む
19番目のカルテ 徳重晃の問診
みなさまは「総合診療科」という言葉に聞き覚えはありますでしょうか?
病院の"診療科"といえば、「消化器内科」「脳神経外科」など、疾患の部位とそれに対応した処置で分けられた科が思い当たるかもしれません。それぞれの科ごとに専門的な知識や技術を有した医師が活躍している、というのはこれまでの医療マンガでも描かれてきた部分だと思います。しかし、実際の医療現場では、"熱がある"や""咳が出る"という誰にでも起こるような症状なんだけど治療をしても症状が改善されずしかも原因が分からない、もしくは、診断をした疾患では説明できない症状が現れた、ということが少なからず起こり得ます。そんな患者に対し、病気の部位に囚われず包括的に診療を行なって原因疾患を特定する、という目的で設置されているのが「総合診療科」です。
https://ho.chiba-u.ac.jp/section/soshin/index.html
総合診療専門医は、2018年から始まった新専門医制度において既存の18基本領域に加えた"19番目の基本領域"として新たに制定された専門医でもあります。
そしてその「総合診療科」の医師を主人公に描いたのがこの『19番目のカルテ 徳重晃の問診』という作品です。
かつて、NHKで総合診療医をテーマにした番組が放送されていました。
『総合診療医 ドクターG』
医師が患者の病名を探り当てるまでの謎解きの面白さと、役立つ医療情報を伝える医療エンターテインメント。“G”はジェネラルの意。総合診療医は主に問診で症状、病歴、家族関係、仕事、食生活など患者を総合的に診る。「ドクターG」が、実際の症例を基にした再現ドラマを示し、研修医たちがガチンコ勝負のカンファ...
"ドクターG"と呼ばれる総合診療のプロフェッショナルが自身で実際に経験した症例をピックアップし、医師2年目の研修医3人と討論して疾患を絞り込んでいくという番組です。その番組で繰り返し強調されていたのが、「問診」の重要性。患者の発言、表情、動き、もしくは近親者による目線、そのどこかに隠されている手がかりを常日頃から行なっている「問診」で見つけ出す・見逃さないようにする。それがが総合診療医として大切なことだと伝えているように感じました。『19番目のカルテ』の第1話を読んだだけでも、診療の上で問診で"患者の声を聴く"ことの重要性が感じられると思います。
また、この作品の真髄は、実は第1話以上に第2話に隠されているのではないかと思っています。一話完結型の医療マンガだと、患者さんの病名を推測するという推理小説的な要素も含まれてきます。しかしながら、実際の医療現場においては"病名を当てること"が目的ではなく、それどころか患者さんが本当になにかの病気なのかもわからない。そんな中で、どうすれば患者さんの抱える問題が解決するのか、"人間を診る"ことで道しるべを立てていく、そんな総合診療医の特徴が見事に描かれています。
特別な技術や大掛かりな手術は登場しない、だけど医師という職業の専門性や凄さを感じられる、もちろん人間ドラマとしても面白い。そんな作品になっていくだろうと期待しています。
1巻まで読了