あらすじ

ダイエットをやめても、減り続けていく体重。ワンオペ育児を続ける父親が、気づかなかった子供の歩き方の異変。繁忙期を迎え、休めない状況で、止まらない咳。日常の中の小さな「違和感」の後ろに潜む病気を、総合診療医・徳重晃は見つけ出す。病がもたらす、形のない「不安」を解きほぐす、総合診療医の物語、第9巻。
19番目のカルテ 徳重晃の問診 1巻

「病理」「産科」「放射線科」、18のスペシャリストが活躍する病院に誕生した、19番目の新領域、“患者を診る”という専門医。それが、総合診療医である。物語の中で見た「なんでも治せる」お医者さんに憧れる、3年目の女性医師・滝野は、細分化された専門領域で、それぞれの専門を極めることを是とする医者のシステムの中で、理想と現実のギャップに悩んでいた。そんな中、滝野の前に、総合診療医・徳重が現れる!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 2巻

現代の医療に必要なもの、それは「対話」だ。糖尿病、睡眠時無呼吸症候群…どんな病気でも、ひとりの患者には、その人だけの悩みが、苦しみが存在する。患者にとって「本当に必要な治療」を、対話によって見つけ出す。それが総合診療医・徳重晃である!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 3巻

「家で一人」の今だからこそ、陥りやすい「病い」とは? 人手も、機材も限られた夜勤帯で、医者が最大限力を発揮するための「仕事」の考え方とは? その人に取っての最善の医療を見つけ出すため、総合診療医・徳重晃は、患者とも、医者とも深く「対話」する!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 4巻

感染症が治った後に起こる、体の疲れやだるさ――思わぬ身体の変化の正体は?子どもの見慣れない肌の不調…親も気づけなかった「アレルギー」の原因とは?あなたの身体や生活に影響を及ぼす「原因」を、正しく見つけ出す。外科や内科、18の専門科だけでは治せない、患者という「人間そのもの」を診る、総合診療医・徳重晃の真価が発揮される第4巻!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 5巻 【特典イラスト付き】

歯医者にも行けない、契約社員の青年が、予期せぬ病になったら…? 身を削って生活しながら、司法試験合格を目指す、受験生を襲う痛みの正体は…? 失神症状を起こした女子大生が、周囲の誰にも、隠していたこととは…?「病気」を診るだけが、医者の仕事ではない。必要なのは、彼らの「生き方」を助けること。「患者のすべて」を治療する、総合診療医の物語、第5巻!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 6巻 【特典イラスト付き】

「訪問診療」編開幕!患者の家を直接訪問する、訪問診療を開始した総合診療科。脊柱管狭窄症で歩行困難になった患者の、家の中に隠された「新たな病気」の原因とは!? 末期がんの在宅ケアをすることになった滝野。「避けられない最期」が迫る時、患者と家族のために、総合診療医ができるのは…? 病気だけではなく、住居を、家族を、暮らしを、全てを治療する総合診療医の物語、第6巻!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 7巻 【特典イラスト付き】

患者の全てを見つめる、総合診療医の物語、第7巻!徳重が街中で出会った、熱中症の若者。全てに興味を失ったかの様な彼の様子に、徳重は違和感を覚えるーー。彼が徳重に語ったのは、「ヤングケアラー」だった過去。患者を縛り続ける、若き日の記憶に、徳重はどう向き合うーー?

19番目のカルテ 徳重晃の問診 8巻【特典イラスト付き】

認知症を患う80代の母を支える、60代の娘。「老老介護」を続ける患者を、重い病気が襲う…。総合診療医として、患者の生活を守るため、徳重が出した答えは…?胃もたれ・偏頭痛。ありふれているけれど、日々の生活に確実に負担をかける症状を抱えた患者を支える、総合診療医の術とはーー。患者の暮らしを、一番近くで支える総合診療医の物語、第8巻!

19番目のカルテ 徳重晃の問診 9巻【特典イラスト付き】

ダイエットをやめても、減り続けていく体重。ワンオペ育児を続ける父親が、気づかなかった子供の歩き方の異変。繁忙期を迎え、休めない状況で、止まらない咳。日常の中の小さな「違和感」の後ろに潜む病気を、総合診療医・徳重晃は見つけ出す。病がもたらす、形のない「不安」を解きほぐす、総合診療医の物語、第9巻。

19番目のカルテ 徳重晃の問診 10巻【特典イラスト付き】

総合診療医としての働き方に希望を抱く滝野であったが「自分にしかできないこと」を考えるようになる。そんな中、若くして余命宣告をしなければならない胃がん患者が現れ…。

19番目のカルテ 徳重晃の問診

読んで見つめ直そう

19番目のカルテ 徳重晃の問診 富士屋カツヒト 川下剛史
野愛
野愛

体調が悪くなると医療漫画が読みたくなることないですか? とは言え重たいともっと具合悪くなるので、できれば前向きだといい。さらに言うと1話完結で読みたい分だけ読めるといい。 というわけで19番目のカルテがぴったりなんです。 どこかが痛い辛いときってもちろん治したいのは当たり前だけど、まずは安心したい気持ちが強い気がします。 原因がよくわからず「ストレスですね」とか「体質ですかね」とか言われると、どうしていいか途方に暮れてしまいます。病気じゃないのに仕事や学校休めないし……。 その一方でなんとなく「ストレスかなあ」「疲れかなあ」と不調をやり過ごしてしまうこともあります。病院行くの怖いし……。 という気持ちが自分にはあるので、この作品に出てくる患者さんたちも相当悩んで苦しんで怯えて病院にたどり着いたんだろうなあ、そういう人たちに寄り添う徳重先生、滝野先生は本当に素晴らしいなあとしみじみ思います。 そしてもうひとつ、自分のことを正しく大事にしないとなあとも思います。これくらい大丈夫と思わずに、休むときは休んで健康診断も受けて病院ちゃんと行こうと誓いました。

19番目のカルテ 徳重晃の問診

臓器ではなく"人間を診る"専門医の物語 #1巻応援

19番目のカルテ 徳重晃の問診 富士屋カツヒト 川下剛史
sogor25
sogor25

みなさまは「総合診療科」という言葉に聞き覚えはありますでしょうか? 病院の"診療科"といえば、「消化器内科」「脳神経外科」など、疾患の部位とそれに対応した処置で分けられた科が思い当たるかもしれません。それぞれの科ごとに専門的な知識や技術を有した医師が活躍している、というのはこれまでの医療マンガでも描かれてきた部分だと思います。しかし、実際の医療現場では、"熱がある"や""咳が出る"という誰にでも起こるような症状なんだけど治療をしても症状が改善されずしかも原因が分からない、もしくは、診断をした疾患では説明できない症状が現れた、ということが少なからず起こり得ます。そんな患者に対し、病気の部位に囚われず包括的に診療を行なって原因疾患を特定する、という目的で設置されているのが「総合診療科」です。 https://ho.chiba-u.ac.jp/section/soshin/index.html 総合診療専門医は、2018年から始まった新専門医制度において既存の18基本領域に加えた"19番目の基本領域"として新たに制定された専門医でもあります。 そしてその「総合診療科」の医師を主人公に描いたのがこの『19番目のカルテ 徳重晃の問診』という作品です。 かつて、NHKで総合診療医をテーマにした番組が放送されていました。 『総合診療医 ドクターG』 https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009050706_00000 "ドクターG"と呼ばれる総合診療のプロフェッショナルが自身で実際に経験した症例をピックアップし、医師2年目の研修医3人と討論して疾患を絞り込んでいくという番組です。その番組で繰り返し強調されていたのが、「問診」の重要性。患者の発言、表情、動き、もしくは近親者による目線、そのどこかに隠されている手がかりを常日頃から行なっている「問診」で見つけ出す・見逃さないようにする。それがが総合診療医として大切なことだと伝えているように感じました。『19番目のカルテ』の第1話を読んだだけでも、診療の上で問診で"患者の声を聴く"ことの重要性が感じられると思います。 また、この作品の真髄は、実は第1話以上に第2話に隠されているのではないかと思っています。一話完結型の医療マンガだと、患者さんの病名を推測するという推理小説的な要素も含まれてきます。しかしながら、実際の医療現場においては"病名を当てること"が目的ではなく、それどころか患者さんが本当になにかの病気なのかもわからない。そんな中で、どうすれば患者さんの抱える問題が解決するのか、"人間を診る"ことで道しるべを立てていく、そんな総合診療医の特徴が見事に描かれています。 特別な技術や大掛かりな手術は登場しない、だけど医師という職業の専門性や凄さを感じられる、もちろん人間ドラマとしても面白い。そんな作品になっていくだろうと期待しています。 1巻まで読了