年月を経て変わらぬ関係性の心地良さ
小学校の頃に出会った、転校が多い赤岩と藤ノ木の二人が会えなくなってからの奇妙な友情を描く。 それは電話越しだけでの関係だった。 会話のテンポや会話している状況、電話が一方的にかかってくるタイミングなど、少しだけの煩わしさといつかかってくるか分からない生活の楽しみになっている感じがとてもいい。 定期的に顔を合わせなくたって友達は友達なのだ。 僕自身が転勤族だったこともあり、この話は救いになるなーと思う。 というのも、基本的にはみんな転校していったやつのことなど忘れていってしまうものだから。 「手紙書くね」とか「電話するね」とかいった言葉は信用しなくなったし、今の時代のようにスマホがあれば違うのかなとも思うが、人間の本質なんてそう変わらないような気もする。 僕が忘れられていく恐怖に向き合えなかったせいで、自分からは連絡を取れなかった。 その点、この赤岩は乗り越えてちゃんとつながりをひとつだけ持っている。 これはとても素敵なことだ。 祝福したい。 親友は人生に一人いるだけで自分を取りまく世界は救われる。
さらっと読めるので読んでほしい。
作者は変わらない人間関係を描くのがうまい人ですね…
行動とか絵より会話でハッとさせるタイプの漫画かと思うんですが、その会話の選び方もうまいし、この二人の状況も劇的に変わったりするのに関係性が変わらない。
センス感じました。