地上最強の生物
独特なタッチで描かれていて、グロさもあるので絵だけ見ると敬遠されがちですが、しっかり読み込むと本当に面白い格闘漫画です。 範馬勇次郎と聞けば、漫画を読んだことがなくても知っている人もいるのではないでしょうか? そうです。地上最強の生物です。 米軍が人間1人に降伏するという異次元な設定になっています。 1番わかりやすのは、タバコを一吸いで終わらせてしまう脅威の肺活量。 全てがぶっ飛んでいる内容ですが、これが刃牙なので許せるようになります。 真剣に書いているので、なぜかコメディさを感じる事ができる不思議な作品です。
グラップラー刃牙と言うと、格闘技オタクの夢を叶える異種格闘技戦が多数行われる漫画、と言うのが世間一般の評価ですが、この作品は主人公である刃牙の、格闘技に全てを捧げてしまった、捧げざるを得なかった少年の物語としても秀逸です。
8巻までは裏の格闘技のチャンピオンと、表の朗らかな人格が描かれ、9巻からは過去の壮絶な出来事が描かれ、21巻からは彼が心身ともにチャンピオンとなるまでのトーナメント戦へと向かっていきます。
彼の人生ははっきり言ってそうならざるを得ない、と言うか両親に強制されたも同然なのですが、両親の愛を求めて戦い続け、その結果父親と決裂し、母親と死別するという人生のドラマとしても凄まじいと思うのです。