押見修造先生の表現はどこまで進化するのか
押見修造先生の最新作。新たな代表作である「血の轍」も出身地の群馬県が舞台になっていて実体験がベースにあるような気がしましたが、今作「ひろみ」はよりそれを感じました。ペンタッチがいい意味で力が抜けているのも、頭の中の朧げな記憶をそのまま描き表したい意図があるように思えました。すでに「血の轍」の時点で、研ぎ澄まされた心理描写は誰も真似できない地点にありましたが、押見先生の表現がこれから更に進化することを予感させられますね。物語の展開としてもちろん後編が気になりますが、その前に子供である主人公に罪悪感を植え付けた女教師はマジ許すまじ…!
"本作品を読んでまず感じたことはこれまでの弁護士のお堅いイメージとは異なり主人公の型破りな性格に惚れたことです。作品は法廷漫画で主人公は弁護士なのだが、あらゆる裁判を主人公ならではの人が考えないような角度から弁護するアイディアがとても面白く、また爽快でした。作者の着眼点やキャラクターの作りこみなど完成度がとても高いものだと思います。
普段からこんな考え方がわたしにもできれば世の中うまく渡り歩いていけるんだろうなと思いました。"