原作の志名坂先生って、匙加減を少々間違える
傾向があると思う。
前作のモンキーピークでもそうだった。
罪もなく殺されたりした薬害被害者たちは
普通なら同情を感じる存在なのに、
薬害被害者以上の人数を無差別に殺したり、
殺しておきながら「罪もない人たちが・・」とか
悲嘆にくれたり、「え？」と思う行動を取らせたりして、
結果、素直に薬害被害者に同情できない部分があった。
読者が
「いや薬害被害者だから許される範囲を超えてるでしょ」
というキャラにしてしまった。
赤崎もいまのところヒロインポジションだと思う。
だが作者がこのままのキャラでヒロインにし続けようと
考えているなら、読者が求めるヒロイン像とは
どんどん食い違っていくと思う。
「研究者として純粋すぎるからでは許されないでしょ」
という範囲にいきつつある。
赤崎が「猿は貴重」「猿が可愛そう」と言っているだけだとか、
自分の命と引き換えにしてでも猿を守る、とかならともかく、
猿を殺してはダメ、で他の人を死なせたし、
なんだか結局は「私は死にたくないけれど」みたいな態度に出そう。
そうなったらただの偽善者で迷惑な存在でしかない。
今回の件で悔い改めて、思考や行動が変わっていって・・
となるのかもしれないけれども、
既に人が一人死んでいて、赤崎が殺したようなもんだから、
もうヒロインポジションは無理かもしれない。