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缶コーヒーを共通の小道具にしたオムニバス作品。グラビアアイドルを引退して田舎に帰る女性や、母親に複雑な感情をもつ少女、夫の浮気を勘ぐる妻、友人の葬式で再会した同級生などなど、11編のショートストーリーが展開されています。私、この手のくくりのある短編集ってわりと好きなんですよね。学生のころに短編の自主映画を作っていたことがありまして、そのせいで映像にした場合を思い浮かべてしまうので、妄想を膨らませて読むのが楽しくて。漫画だとロケ地がいろいろ選べていいなとか、映像の尺にすると10分ぐらいかな?とか、もうすっかり監督気分です。まあ客観的に見てもこの作品は写実的なので映像化向けだし、主人公の設定や年齢に幅があり、なおかつオチの付け方も笑いあり涙ありで、万人受けする内容だとも思いますし。飲料メーカーのスポンサーでもつけて、テレビの深夜帯で誰か映像化してくれないかなあ。最後のルポ風の作品は震災関連ですが、それも含めてそれぞれの話がコンパクトに高い完成度でまとめられているので、値段分の価値はある内容です。
東京、ロンドン、京都など、11の街の男女たち。元アイドル、山ガール、片づけられない女、ニューハーフ…。ごくごく普通(?)な彼らの、なにげない日常から切り取った抒情的オムニバス。マキヒロチの初単行本。
東京、ロンドン、京都など、11の街の男女たち。元アイドル、山ガール、片づけられない女、ニューハーフ…。ごくごく普通(?)な彼らの、なにげない日常から切り取った抒情的オムニバス。マキヒロチの初単行本。