「いつも」を「特別に」――設計会社に勤める塩川史香は、ホテルで過ごす「おひとりさま」の時間をとても大切にしている。友人たちもそれぞれホテルに対するこだわりがあって……『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチが描く、ホテルを巡る様々な物語――!! 電子書籍版では、雑誌掲載時と同様に巻頭をカラーぺージで収録!
「いつも」を「特別に」――設計会社に勤める塩川史香は、ホテルで過ごす「おひとりさま」の時間をとても大切にしている。友人たちもそれぞれホテルに対するこだわりがあって……『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチが描く、ホテルを巡る様々な物語――!! 電子書籍版では、雑誌掲載時と同様に巻頭をカラーぺージで収録!
佐倉恵都(さくらけいと)は高級ホテルの会員制レストランの常連客。いつも地位のあるオジサンをとっかえひっかえしていて、従業員たちからは「オジサン・キラー」だの「遊び人」だの呼ばれている。だけども彼女の耳元に輝くピアスは、イミテーションのガラスダイヤで…。ワケアリOLと歳下のホテルマンとの恋を描いた表題作などを収録した短編集。
『傲慢シークの華麗なる賭け』リサは“爆弾処理係”と呼ばれるカジノホテルのコンシェルジュ。ささいなことから傲慢シークのセイフに気に入られ、ホテル史上に残るおもてなしをするはめに… スーパーVIPの傲慢シークのわがままに振り回されるリサ。傲慢なシークがときおりみせる笑顔と優しさに、リサはあらがえるのか? 『エトワールの恋人』誰もが恋に落ちる街・パリでプリマにあこがれるアナ。そんな彼女に名前のない手紙が届く。謎に包まれた想い人の正体とは…?
そう、高級ホテルも一人なら、がんばれば手が届きそうな値段のときがあるんだよね。 若い頃、泊まってみたい!と予約サイトをウキウキ眺めていた時期がある。 遠すぎて泊まれない、せっかく上京しても仕事が忙しくて深夜にたどり着いて寝て起きるだけになってしまうから、泊まるのがもったいない。 そんなことを考えて実行しなかったら、泊まる機会もなくなってしまった。 本作に登場するのは、ホテルを仕事にするほど好きで、一人でどんどん泊まっていく人たち。 そして、ホテルに泊まっては用意された空間を我が家のように満喫して過ごす。すごい。 私は旅先だと時間がもったいなくて、そんな贅沢な真似ができない。一泊二泊と言わず、もっとゆとりのある旅を選べたら、ゆっくりと過ごせるんだろうか。 登場人物たちが、満たされているようで、足りない感じがあるのは『おひとりさま』の演出だからかと思いきや、恋人がいる人の悩みも描かれていて、生きていたら悩みはあるよねと腑に落ちた。 悩みや不満は尽きないから、好きなことで薄めたい。