ノラと雑草
お互いに傷を抱えた少女と中年刑事の共依存。ハラハラの逃避行シーンが好き。 登場するキャラ全員が善悪で割り切れないのは良かった…が、最後にルポライターを出してひとつのルポルタージュ風に仕立て上げ、「事件は善と悪で分けられるものなのだろうか?」と言葉にしてしまった瞬間に小さくまとまってしまった感。 今まで読んだことのなかった作風の真造作品ということで価値がある。
貧困、虐待、JKビジネス。国内外から注目を集める最旬作家・真造圭伍が、この国に生きる少女の今リアルを見つめる衝撃の最新作!/刑事・山田はJKリフレのガサ入れ現場で、亡くした娘にどこか似た少女・詩織に出会う。母親からの虐待で家出を繰り返す詩織に迫る危険。山田は、少女を救うことができるのか。 希望を知らない家出少女と、希望を失くした中年刑事。 二人の出会いが、絶望を溶かしてゆく。
正直読むまで、こんなにも現代日本の少女を取り巻く社会問題に真っ直ぐに向き合ったマンガだとは思わなかった。
虐待から逃れるため家出した少女に対して、自分の亡くなった娘を重ねてしまう刑事の物語。
少女がSNSで泊めてくれる人を探すと、途端に多くの男性からレスポンスがもらえ、体を提供する代わりに衣食住を与えてもらう。で、当然行った先では危険な目に合ってしまう。
状況や心情に合わせて変わる少女の表情がなんとも言えない。
これは今実際に起きてることで、珍しくもないんだろうなと思うと、途方もない気持ちになる。
1巻の最後で刑事が少女を自分で匿うことを決心するが、
希望を知らない少女がこの先、少しでも自分の将来を前向きに考えることができるように願いながら追いかけたい。