あらすじかつて詩織を襲った大宮の泊め男が、死体損壊・遺棄の容疑で逮捕される。SNSで出会った家出少女を狙った犯行で、事件は瞬く間に世間の注目を集めることに。ニュースを知った詩織は事件の記憶がフラッシュバックし、引きこもりがちになってしまう。一方、事件の捜査を進める埼玉県警は、容疑者の部屋から詩織の所持品を見つけ、事件の重要参考人として詩織の行方を追う。山田と詩織、二人の関係が知られてしまえば、もう二度と一緒にいることは叶わない。迫る別れの時。山田の決断、そして贖罪は――。
お互いに傷を抱えた少女と中年刑事の共依存。ハラハラの逃避行シーンが好き。 登場するキャラ全員が善悪で割り切れないのは良かった…が、最後にルポライターを出してひとつのルポルタージュ風に仕立て上げ、「事件は善と悪で分けられるものなのだろうか?」と言葉にしてしまった瞬間に小さくまとまってしまった感。 今まで読んだことのなかった作風の真造作品ということで価値がある。