4.25
star
star
star
star
star_half
近年の押切蓮介といえばハイスコアガールのイメージが強いかもしれない。「あの事件」によって憔悴しきった時期に、大物っぷり溢れる豪快な母の半生を描くことに挑んだヒューマンコメディ。
母の歴史を知ることで、母の言葉の重みを知っていく……なかなかに心に響くマンガ。うるさいだけだった母の小言が、作者自身にも、もちろん読者にも、ドスンと響いてくる。
母を素晴らしい存在として描くだけの良い話ではなく、若かりし母の残念なエピソードもちらほら。このあたりは従来の押切作品っぽさを感じつつも、それがまた「あーこんなことあったんだなぁ」というリアリティを感じられて良い。
過去作の「猫背を伸ばして」にも押切母が登場するが、こちらも合わせて読むとより楽しめると思う。
単巻で短いながらも濃密な作品でした!