据え膳食わぬは男の恥 って昔はよく聞いたにコメントする
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やれたかも委員会

やれない後悔は甘くて苦い

やれたかも委員会 吉田貴司
野愛
野愛

やらない後悔よりやる後悔みたいな言葉がありますが、やらない後悔も悪くないかもと思いました。 やれたかもしれないという思い出を持つ人物の独白を聞き、やれたかも委員会が「やれた」か「やれたとは言えない」かを審査するお話。 ゲスいお話がはじまるのかと思いきや、独白は甘くてほろ苦くて、まるで初恋の記憶のよう。 絶対やれたらたぶん忘れちゃう。 絶対やれないならたぶん忘れたい。 でも「やれたかも」にはどことなく甘い響きがあって忘れられない。 遠足の前の日にわくわくしながらお菓子を買いに行く瞬間って、遠足当日よりも楽しい。 やれるかもしれないとドキドキしながら、こっそり手を繋いだりカラオケでキスしたり飲み会抜け出したりするのも、遠足の前の日と同じだ。 いちばん楽しいし、いちばんエロい。 「やれたかも」それはすなわちお菓子の詰まったリュック。 遠足に持って行ったら友達と分け合って一瞬でなくなっちゃうけど、家にあってたまにひと口かじるだけならなかなか無くならない。ある意味長く楽しめてしまう。ああなんて罪深い。 恋は甘くて苦いって 忘れられない香りばかりって某国民的アイドルグループが言ってたけど 「やれたかも」も一緒なんだな。某国民的アイドルグループだったら間違いなくやれるんだろうな。 やるよりエロくてエモい、やれたかも。 読んだら似たような思い出が蘇って「ああ〜」ってなります。でも、悪くない「ああ〜」だと思います。たぶん。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

やれたかもいいんかい
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