血の繋がらない13歳の義妹に翻弄される30歳の男
母を亡くし、恋人に裏切られ、仕事を失って、人生どん底になったら、自分を捨てたはずの父親が迎えに来た。血の繋がらない13歳の妹と一緒に。最初は主人公のことを拒絶していた妹だったが、次第に2人は惹かれ合っていくようになる…。私のつたない説明だとエロ漫画みたいな展開を想像させてしまうかもしれませんが全然そんなんじゃないです。でもすごく人間的な生々しさがあります。 今回久しぶりに読み返して気づいたのはセリフが少ないということですね。説明的なセリフがない。モノローグがない。絵だけで魅せてるシーンが多いんですが、その絵もシンプルです。でも魅せ方が上手いので、兄妹の恋愛という重量感があるストーリーでも大味にならずに、些細な心の動きに集中しながら読み進めることが出来ます。2人が惹かれ合ったりするきっかけが一つの場面だけじゃなくて、心情の変化の重なりによってそうなってるので自然なんです。 ラストもいいんですよね〜。6年後を舞台にした第2章を描いて欲しいです。
真造圭伍の読み切りがヒバナに掲載されているけど3作品目。『清水家のすべて』は前後編らしく、今回は前編。
高校の卒業式の後、家族に挨拶に行きたいと清水さんの彼氏が家に来たんだけど清水さんの家はいわゆるゴミ屋敷だった。お父さんは自分と自分の所有物にしか興味がなく、兄はニートで駆け出しのYouTuber、母だけがまともなんだけど心労が祟っていそうな感じで、清水さんも仕事を決めてさっさと家を出ていくつもりなんだけど、家を出たいと思っている自分が自分のことしか考えていない父と同じ思考なんじゃないかって自己嫌悪に陥ったりしている。
これまでヒバナに掲載されていた真造圭伍の読み切りの中で今んところ一番面白い。後半も楽しみ。