大友克洋作品集の中でもかなり初期の頃の作品が集まっている。絵も荒削りで中期頃くらいからの完成された絵の感じとは結構違う。大友克洋はあとがきとかで自分で言っているけど画面が白いのも特徴の一つだが、この作品集の作品は割と暗いものが多い。
内容も闇社会とか心中とか気が触れたような男の話だとか暗くて重たくて、社会のそういった面をかなり写実的に描いているようにも見えて最後の最後で放り投げる軽さのようなものがあって、「気分はもう戦争」とか重いテーマながらとどこか軽さのある作品作りを可能にするバランス感覚の芽は初期からあったんだなと思わされた。
色々な意味で一筋縄ではいかない漫画だけど、童夢やAKIRAに見られる破壊衝動の原点が見られるような気もする。
絶版で手に入りづらく、そして値段も高く、暗くて重たいが大友克洋ファンならぜひ。
大友克洋作品集。収録作品に『BOOGIE WOOGIE WALTZ』『目覚めよと呼ぶ声あり』『心中-'74秋-』『暗夜行路』『バック 糞面白くもなかった今日の終りに』『短距離走社の連帯』『醜悪の軋み』『チェンバラブギウギチュンバラブギ』『辻斬り』『ROCK』『鏡』
大友克洋作品集。収録作品に『BOOGIE WOOGIE WALTZ』『目覚めよと呼ぶ声あり』『心中-'74秋-』『暗夜行路』『バック 糞面白くもなかった今日の終りに』『短距離走社の連帯』『醜悪の軋み』『チェンバラブギウギチュンバラブギ』『辻斬り』『ROCK』『鏡』