20世紀初頭のフランス。父の世話に忙しく、気づいたら行き遅れ寸前のフローラ。弟や周りの心配をよそに、本人は自覚も焦りもなし。そんな彼女に気になる男性が現れて…!? ちょっと昔のフランスで綴られるアラサー独身女性の恋活コメディ!?
明治初頭。文明がめまぐるしく発展する中で、指導者として、とある製糸場にやってきた鈴は、美しきフランス人・ジュールと出会う。彼はお雇い外国人として日本に来たが、言葉が通じない孤独から殻に閉じこもっていた。そんな彼を職場に戻すため、ドレスを身にまとい、一夜を共にした鈴。彼は紳士だったが、社長の命令により、鈴はジュールの“洋妾”として彼を支えることに。彼と手を取り合い困難を乗り越える中で、二人はいつのまにか強く惹かれ合うようになるが……!? 外国人との運命の愛を描く、ジャパニーズ・ヒストリカル・ロマンス!
王国を支える名門オーランド家の長兄・シリウス。幼き頃、その身分の高さゆえの葛藤があり? ※この作品はプリンセスGOLD 2019年8月号に収録されているものと同一のものとなります。
17歳の若き女王・ローゼリアが即位したばかりの“薔薇の国”ローゼリア王国。他国から多くの来賓が集う式典で、弱小国の弱みを見せまいと「才媛にして絶世の美女」と女王を宣伝する家臣たちだったが、辺境の小国を狙う列強国が女王の命を狙う暗殺者たちを次々と潜入させる。一方、ローゼリアの側近となった異邦人のエルナン、謎多き彼の正体とは…!?
19世紀末の英国。イングランド国境沿いに所領をもつローズ侯爵の双子の子女・アリシェラは、胸を患っている兄のミケルの代役として、ロンドンでの議会に男装して参加することになる。しかしその議会は公爵の跡取り娘の姫の婿探しの場所だった。アリシェラはその議場でアーセル伯爵と出会う。鉄鋼業で財をなし爵位を買った彼に興味をもたれたアリシェラは恋の波に飲まれることに…。
フランス革命の初期、貴族の亡命を手引きした「逃がし屋」のリュウとファーブルが遭遇した事件とは…!? フランス革命を斬新な切り口で描いた名作「杖と翼」の番外編よみきり集。表題作「悲歌」のほか「薔薇に影射す」「月下のフーガ」「蛙のカノン」を収録。
大戦間期、不穏な世相のヨーロッパ。かのフランケンシュタイン博士の子孫・レナは父の実験に立ち会うことになる。生物兵器として甦った怪物、彼の優しさを知ったレナとの逃避行がはじまる…!
隆盛を極めて都に君臨した平清盛とその一族。その平氏の公達たちが繰り広げる華麗な恋模様。やがて一族の衰運とともに、男女の愛は悲哀の彩を帯び始めて…!? 表題作のほか「有明月」「真澄鏡」「竹葉」「化ヶ原」「方塞がりの辻」「布引き」「緋の谷」「屋島」を収録。
夫・武田元明との死別後、豊臣秀吉の側室となった竜子は、その気高さを秀吉に愛された女性だった。彼女が醍醐の花見で淀殿と杯の順番を争ったという件に隠された真相とは…!?
平安末期、信濃国で出会った直と十鴇。宮廷貴族の横暴により家族を失った十鴇のため、禁足地の森で「お塚様」の封印を解いてしまった二人は…!? 新解釈で贈るジャパネスク・ロマン。「玉藻の前」と「九尾の狐」の物語、ここに開幕!!
14世紀後半のスペイン、ファルコ(鷹)と呼ばれたナバーラの剣客がいた。彼は闘いに明け暮れた日々を悔い改め、修道士となるが…!? カスティリア王ドン・ペドロとの出会いからリリエンタール修道院の個性的な仲間達との友情、難事件でのファルコの活躍に刮目!! 中世の修道院を舞台とした作品「笑い猫の肖像」も収録。
活気あふれる中世の大都市・ケルンの治安を守る市警たち。その若きエース・オドは、後輩のフリートも憧れる仕事のデキる男だ。しかしお偉方から厄介払いで命じられた人探しが大事件に発展し…!? 「修道士ファルコ」の人気キャラ「兄弟オド」の治安役人時代の物語。
西暦2000年、ロンドン。愛猫トム・タフィーとともに健気に生きる苦学生アン。しかし突然の不幸が彼女を襲い、穏やかな毎日が奪われてしまった。自らを取り戻すため時空を超えた壮大なアドベンチャーが今、始まる!!
明治黎明期、東京。仕えていた主を亡くした少女・お玉の前に“地獄”と呼ばれる男・戒と、彼を追う男・紅月天星が現れて……!?不老不死をもたらす存在“水”を巡る禁忌のダーク・ファンタジー!
平安中期、京の都には己の悪行を悪とも思わぬ輩が横行していた。そんな怪盗に狙われた貴族の姫君には隠さねばならない秘密があり…!? 大人気<平安怪盗伝>シリーズ5編を収録!!
中国は三国志の時代、宿敵・袁紹を滅ぼした曹操。袁家の本拠地が陥落する際、曹家の次男・曹丕は袁家の次男・袁熙の妻・甄氏を見初め、強奪する。曹丕と甄氏、二人の間には、憎しみと殺意、そして愛情が入り乱れて…!?
豊臣家滅亡後、義母・千姫の庇護の下、江戸城に暮らした秀頼の娘はやがて鎌倉・東慶寺預かりの身となる…。寄る辺なき身の幼少期を経た女性が終生胸中に抱き続けた想いとは…!? 表題作のほか「身代わり諸色」「わらわべ夏越し」を収録。
平安の頂点に立つ藤原家の三代に渡る男たち。彼らは少年、青年、老年時代の安倍晴明が繰り出す恋の術に翻弄されて、気がつけば、思いもよらぬ結末に…。ちゃめっけたっぷりの安倍晴明の活躍を描いた「逢魔ヶ辻」3編のほか時代ロマン2編を収録。
主人公のフローラさんは幼い頃に母を亡くしていて、小津安二郎の映画みたいに「私が結婚したらお父様が1人になってしまうわ」と言って結婚せずにいたのですが、駅で偶然出会った鉄道オタクの変わり者をどうやら好きになり始めて…!という恋物語です。舞台が20世紀初頭のフランスで、純情だけどおっちょこちょいな主人公という昔懐かしい少女漫画な感じもありつつ、かわかみじゅんこ先生がフランス在住(しかも主人公と同じフォンテーヌブローにお住まい)なので文化や背景の描写にリアリティーがあるのがいいです。恋のお相手の男性が超絶イケメンではないのですが、フローラさんが好きになったポイントが「何かに熱中しているところが大好きなお父様にそっくり!」なので、こういうシュチュエーションの方がドキドキできるという方は私の他にもいらっしゃるでしょう。しかし、この鉄道オタクにちょっとよからぬ噂があるようだ…という、とても気になるところで終わってしまっているのが残念です。どうやら掲載誌が休刊になってしまったよう。あぁ〜!続きが読みたいよ〜!ロマンチックな物語にかわかみ先生のトーンワークがばっちりハマっていて夢心地になれます。オススメです!