父の転勤明けで5年ぶりに我が家へと帰ってきた瀬下あざみは、すぐに幼なじみの男の子・カッちゃんこと東部克彦(とうべかつひこ)に会いに行く。川原に座るカッちゃんを見つけたあざみは昔のように声をかけるが、彼に冷たくあしらわれてしまう…。
お祭りのようだった世の中がゆっくりと落ち着き、のちに“夕凪(ゆうなぎ)の時代”と呼ばれる近未来の日本。人型ロボット・アルファは、喫茶店『カフェ・アルファ』を営みながら、オーナーを待ち続ける――。アフタヌーン本誌で12年もの間、読者の支持を集め続けた異色のてろてろSFコミック。
“EMBRYO”=胎児、胚などの意。――ある日、学校の裏の森で得体の知れない虫(ワーム)に首筋を刺されてしまったエリ子。その日の放課後、エリ子は図書室で怪しい噂のある司書の安房(あわ)に突然襲われるが、どこからともなく現れた無数の虫(ワーム)たちに安房が噛み殺されてしまい……!!
天狗!自在に飛行をなし、あやかしの術もて人をさらい、古来より畏怖と敬愛を享けた天狗!今かれらはどこにいるのか。どこから来てどこへ行くのか?何を食っているのか。寒い日はどうするのか。天狗にさらわれちゃった子は、それからどうなっちゃったのか?天狗の未来を憂う第一巻!
ワル中のワルたちが送り込まれる、一度入ったら出られない最凶最悪の高校「要塞学園」。同じ日に転入してきた3人の2年生、舛田弦太郎・多岐沢樹・真藤明は早々に暴力教師や不良生徒たちの洗礼を受けるが、明の圧倒的な力で窮地を切り抜ける。寡黙だが人間離れした力を持つ明、友情に篤い弦太郎、実は女の子の樹……絶対的権力を持つ学園長の下、校紀粛正委員会に目を付けられた3人の、秘密多き学園でのサバイバルが始まった!!
四コマ漫画にして、このボリューム!!この濃厚さ!!次々繰り出されるギャグの変化球にあなたは耐えられるか――!?少女趣味の男子高校生、よく叫ぶ隠れキリシタン、真性ナルシスト、知りすぎた男、ナゾのオタクetc.……、まさに「そんな奴ァいねえ!」と叫びたくなるような変態の嵐!!マッドなネタ満載の第1巻!!
人は何のためなら戦える……緻密な描写力で高山和雅が描くSFアクション!人間に寄生し、驚異的な身体能力を与える宇宙から来た機械生命体をめぐる戦いが今、始まった!!
「明るく、貧しく、見苦しく!!」底抜けに明るく底抜けに貧乏な斗器(とき)家の次女・やす子は、今年高校生になったいつも明るく活発な女の子。家族も友人も変人ばかりなのが悩みのタネ。これはある家族を通して描く愛の戦いの記録である。ふんどしをしめなおして読め!!
“彼女のいないイイ男”って、なんでこんなに不思議なの!?――鋭い目元に憂いのくちびる、完全無欠の色男、反町徹也(てつや)はヒミツだらけの16歳。彼に対してちょっとアブナイ気のある鳥井くんに片思い中のカナは、「反町くんに彼女がいると証明できれば、鳥井くんのホモ疑惑は晴れるかも!」と思いつき、尾行を始めるが……。ほろ苦い読後感があなたの青春を映し出す、モヤモヤ&笑える学園コメディ!
演歌、初恋、初体験。はてはアイルランドまで。安藤じゅりあ14歳、異界の扉をいま開く――!女子中学生の安藤じゅりあは、クラスメイトの天野王子と付き合うことに。しかし、天野王子の正体は妖精の王!?そして、二人の子が世界を救うことになるという……。「誰かのものになりたいな。いつかそんな時がくるかなあ」
リカは父親の都合でやって来た大阪になかなか馴染めずにいた。そんなある日の帰り道、リカが路地裏で見つけたものは、なんと“心臓”だった!!――夢と自由とロマンのてんこ盛り、なにわコテコテお笑いスペクタクルサイエンスアクション巨編!!
緑に囲まれた静かな診療所。そこには、訪れた患者の心を癒してくれる魔法がある。かつて特徴的な白髭のある老医者が存命中に雑木林の奥で開いていた医院には、今は誰もいないはず…なのだが、名も知れぬ白衣の天使が小鳥と共に時々現れるという。そして午後3時を告げる柱時計の鐘の音と共にお茶会が開かれるらしい――。慈愛に満ちた麗しい彼女は果たして何者なのか?彼女の純真無垢な魂は一体どこへ行き着くのか?
じぶんの存在が拡散して、塵や空気のように雲散霧消してしまう少年の物語という触れ込みですが、とんでもない! そんな手では触れられないようなヤワな物語ではありません! と、まずは言っておきたい。むしろ、ザラザラとして、ゴツゴツとして、きわめて肉感にあふれる物語だと思います。 物語、あるいはもっと一般的に語りというものは、基本的に拡散しがちなものです。放っておけば、しぜんに拡散します。ですから、物語の話者たちは、語りが自然に還らないようにあれこれと工夫を凝らす。塵や空気のようにではなく、ひとつの結晶たろうとするんです。まあ、しかし、どんな物語も、どんなに強固そうにみえる結晶も、拡散してしまう運命からは逃れられない。むしろ、より強靭な結晶力をもつ物語ほど、みずから率先して拡散しているようにさえ思えます。たとえば、スピノザは『エチカ - 幾何学的秩序に従って論証された』で、神の証明を試みましたが、そのあまりにも強靭なテキストは、答えに辿り着くさいごの一点で、まるで、てんとう虫が枝の先の一点に辿り着いたときのように拡散しているように思われてなりません。 ほとんどの物語は、みずからの語りの結晶が拡散してしまうなど想像してもいないなか、それがより強靭で精巧な語りになってくると、みずからの拡散を予見してしまうようなところがあるんだと思います。それにつき、この『拡散』は、結晶が拡散してしまうところから始まっている。ほとんどの物語のように結晶を形作ろうとすることを目的としているのではなく、拡散してしまわないよう抵抗することを目的としているんです。 でも、だからといって、何ら特別なことをしているわけではないんです。むしろ、ほとんどの一般的な物語のほうが特別といいますか、ほんとうに魔法のように語りを紡いでいきますよね。とても大好きな物語はいつだって魔法のようです。が、『拡散』には、そんな魔法はありません。『拡散』にあるのは、結晶が拡散して消え入らんとするのを随所でどうにか防ごうとする草の根の抵抗活動のみ。それはそれは地道な、魔法とは程遠い、泥くさい作業の連続。それは川のように海へと拡散してしまう語りに、ひたすら瘤を穿っていくかのような地道な作業。でも、そんな瘤のひとつびとつが『拡散』にザラザラとして、ゴツゴツとした、物語ならざる肉感を与えているのだと思います。